流通ニュースは、流通全般の最新ニュースを発信しています。





日本の商業用不動産投資額/2015年第1四半期は23%増の1兆5400億円

2015年05月11日 / 店舗海外経営

総合不動産サービス大手ジョーンズラングラサール(JLL)グループは5月11日、2015年第1四半期の世界の不動産投資額の確報を発表した。

分析によると、2015年第1四半期の世界の商業用不動産投資額は、前年同期比9%増の1550億ドルとなった。第1四半期の取引額としては、2007年第1四半期の1900億ドル以来の高水準となった。

<図表1>
図表1

今期も引き続きアメリカ大陸とEMEAの投資活動は好調で、2015年第1四半期の投資額はそれぞれ730億ドル(18%増)、570億ドル(1%減)となった。

アジア太平洋地域の2015年第1四半期の投資額は250億ドル(7%増)となった。今般のドル高の影響を受け、ドル建てでみるとユーロ圏の活動は横ばいになっており、同様にアジア太平洋地域の投資活動を牽引している日本とオーストラリアについても、直近12か月で15%減少した(図表1、2)。

<図表2>
図表2

日本の2015年第1四半期の投資額は、6%増の129億ドル、円建て(1ドル119.17円)では23%増の1兆5400億円(図表3)。

<図表3>
図表3

J-REIT市場においては、2月にケネディクス商業リート投資法人が資産規模約808億円で上場するなど新規上場がみられたほか、日本リート投資法人が1月に31物件を約768億円で取得を決定し、保有資産規模が倍増するなどの動きがみられた。

目黒雅叙園や東京スクエアガーデン、青山ビルディングといった大型オフィスの取引も見受けられ、投資額は前年同期比で大幅な増加となった。

海外投資家による投資額が全体投資額の30%を占め、海外投資家によるアセット取得の動きが目立った四半期となった。全体投資額、海外投資家による投資額ともに2008年以来の高水準となっている。

<図表4>
図表4

ニューヨークの投資額は130億ドルとなり、8四半期ぶりに最も投資活動が活発な都市1位となった。世界の投資額全体の30%を占めるアメリカの中でも特にニューヨークに投資が集中している。続いて2位ロンドン(104億ドル)、3位日本(85億ドル)となった。シリコンバレーが位置するサンフランシスコ湾沿いの都市も投資家の注目を集め、トップテン入りしている(図表4)。

<図表5>
図表5

2015年通年の世界の商業用不動産投資額は、約5%増の7500億ドルとした。今後の投資額は、世界的な地政学的リスクや急激な金利の動きに影響される可能性がある(図表5)。

関連記事

関連カテゴリー

最新ニュース

一覧