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セブンイレブン/年間20億個販売のおにぎり「京の米老舗 八代目儀兵衛」と共同開発

2023年03月15日 15:50 / 商品

セブンーイレブン・ジャパンと京都の老舗米屋の八代目儀兵衛は3月21日、「京の米老舗 八代目儀兵衛」監修のおにぎりを共同開発し、全国のセブンーイレブン2万1402店で発売する。おにぎりは、セブンイレブンの2021年度は年間約20億個を販売した実績を持つ主力商品カテゴリーとなっている。

<京の米老舗 八代目儀兵衛監修のおにぎり>
京の米老舗 八代目儀兵衛監修のおにぎり

第一弾として、「八代目儀兵衛監修 昆布だしで炊いただしむすび」(本体120円)、「同 銀しゃりおむすび 梅ひじき」(140円)、「同 銀しゃりおむすび 牛そぼろ」(150円)、「同 銀しゃりおむすび ちりめん山椒」(150円)を投入する。

取締役常務執行役員の青山誠一商品戦略本部長商品本部長は、「セブンイレブンのおにぎりの進化の中で、銘柄米の取組みを始めたが、銘柄米を表記すると違うお米が混ざった時には、逆にマイナスの評価となるので、銘柄米の管理体制を確立してきた。また、ふるさと納税で全国のおいしいお米が手軽に手に入り、高性能な炊飯器が年々進化することで、お客様のお米のおいしさの基準が高まっている。そこで、八代目儀兵衛様の、目利きや知見をおにぎりに生かし、また、お米を使う全ての食品に生かすことができないか、ということで打ち合わせがスタートとした」と商品開発の背景を解説した。

<青山商品本部長>
青山商品本部長

まずは、海苔を使用しないおにぎり4品を投入、4月18日から順次、手巻おにぎりの全面刷新を開始する。時期は未定だが、米飯類のお弁当、チルド弁当の丼物、寿司、チャーハンなど、カテゴリーを拡大し、「ごはんメニュー」全体を進化させる計画だ。

<八代目儀兵衛の橋本社長>
八代目儀兵衛の橋本社長

京の米老舗八代目儀兵衛の橋本儀兵衛代表取締役CEOは、「私たちのお米は、産地銘柄を選びません。銘柄米の全てがおいしいのか?そんな疑問から、私たちは、『炊飯して、ごはんとして食べたお米がおいしいお米』『赤ちゃんが食べても甘いお米、おかわりするお米』を事業コンセプトにしている。私たちは、一つ一つのお米を炊飯してご飯の状態でチェックする『お米の目利き』、冬場は30度以下、夏場でも35度以上にならないようにし、お米の味をだす『独自の低温精米』、お米を1%刻みでブレンドし奥行のある甘さを出す『ブレンド技術』、『おいしく炊く炊飯技術』の4つの技術を提供している」と自社の特長を解説した。

その上で、「2021年8月に、セブンイレブンからごはんの品質を上げるために協力して欲しいとのメールがきた。非常にスモールビジネスを展開する中で、セブンイレブンのような大企業に、私として、本当にできるだろうかとプロジェクトを始めた。日本人の米離れをゼロにしたい事業ミッションも下、できる限りの知見を持って仕事をした」と述べた。

また、「現在、セブンイレブンは日本全国から、約70種類ぐらいのお米を仕入れている。その全てのお米をごはんにして、食べてお米を選定したおにぎりなので、冷めても甘いことをポイントとした。また、セブンイレブンは、従来から低温精米を行っているので、さらにお米の旨味成分がきちっと残るような精米を確立してもらった。また、ブレンドにもこだわった。我々のブレンドは5%の配合が違うだけでも、大きく味が変化する。今回、10種類以上のブレンドをテストし、私たちの釜で炊飯したものと、実際のセブンイレブンの釜で炊いたもので、差が出た時は、少しブレンドを修正して、セブンイレブンの釜で一番ベストになるようなブレンドで配合を決めた」と監修のポイントを解説した。

<武蔵野の安田社長>
武蔵野の安田社長

全国のセブンイレブン約2万1000店にデイリー商品を供給する日本デリカフーズ協同組合(NDF)の会員企業で、NDFのライスイノベーションプロダクトのリーダーを務める安田信行武蔵野社長は、「今回、八代目儀兵衛様の監修をいただき、新たな知見を入れながら、取り組みを進めた。セブンイレブンでは年間で約20億個のおにぎりを販売しており、調達、玄米管理、精米、炊飯、製造管理の各工程で取り組みを進めた。炊飯では最新の設備を導入したが、設備だけでは、おいしいごはんは炊けない。大事なのは、そこに関わる人であることを考え、教育を行っている。NDFでは、炊飯マイスター制度があり、日々の品質確認、ごはんの状態に応じた調整と改善をしている」とNDFの取組みを解説した。

なお、八代目儀兵衛の特長である米のブレンドについて、橋本社長は、「お米のブレンドというのは非常にネガティブなもので、まがい物と言われる。しかし、ワイン業界やコーヒー業界を見ると、有名な高いワインほどブレンド、アッサンブラージュしている。お米業界にとっても、シングルオリジン(単一銘柄米)よりは、ブレンドした方が、立体的で、奥行きのある、深さのあるお米のおいしさが実現できる。私たちはこのブレンド米を1つの軸として事業を構築している」と述べ、業界常識に対して一石を投じている。

<商品発表会の様子>
商品発表会の様子

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