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日立/指静脈認証を活用したキャッシュレス決済の実証実験

2019年03月06日 15:35 / IT・システム

広島の食品スーパーエブリイ、日立製作所、東芝テック、アララは3月4日、カードやQRコードを使わない指静脈認証を活用したキャッシュレス決済の実証実験を5月7日から7月19日まで実施する。

<静脈認証を活用したキャッシュレス決済>
静脈認証を活用したキャッシュレス決済

実証実験では、中国・四国地方でスーパーマーケットを運営するエブリイの「鮮Do!エブリイ蔵王店」(広島県福山市)で、エブリイの本部社員を対象に、指静脈認証によるユーザー登録・本人認証を行った上で、カードやQRコードなどを使わずに指静脈の生体認証のみで決済を行う一連の流れを検証する。

これにより、指静脈認証による手ぶらでの決済の有効性や消費者の利便性などを検証するとともに、課題の洗い出しを行う。

近年、キャッシュレス社会の実現に向けて、スマートデバイスや電子マネーの活用などさまざまな取り組みが推進されている。

経済産業省では、昨年10月に「キャッシュレス・ビジョン」を策定し、現在、全国平均約20%キャッシュレス決済比率を、2025年に向けて、40%まで引き上げる目標を掲げている。

一方、キャッシュレス決済の手段として、小売店などでは、自社店舗でのみ利用できるプリペイド式カードを用いた決済の導入が進んでいるものの、カードを用いた決済では、カードの紛失・忘れや、他人が利用できてしまうという課題がある。

そのような中、カードの代わりとなり、より利便性が高く安全な認証手段として、生体認証への期待が高まっている。

実証実験では、東芝テックのPOS*1システムと、そのPOSに標準採用されているアララの電子マネーシステム、日立の指静脈認証システムを組み合わせて決済システムを構築し、現在アララの電子マネーシステムを導入しているエブリイの店舗でその有効性を検証する。

エブリイのプリペイド式ハウスカード「エブリカ」と指静脈による生体情報を紐付け、認証を実施するという。

エブリイは、店舗運営の中で、キャッシュレス決済に取り組み、一般的なスーパーマーケットの利用率に比べ、エブリカによるキャッシュレス決済において高い利用率を有している。

実証実験では、キャッシュレス決済利用率で高い実績を有しているエブリイの取り組みをベースにした指静脈認証決済の有効性や消費者の利便性の検証を行うことにより、エブリイにとどまらず、汎用的に活用できるキャッシュレス決済の課題の洗い出しをする。

商用化にあたっては、日立の独自技術であるPBIを活用する予定だ。

PBIは、従来の生体認証技術と異なり、指静脈などの生体情報自体を保存する必要がないため、漏えいリスクを最小化する。

これにより、ユーザーは認証基盤に登録した指をかざすだけで本人認証ができるため、カードやスマートデバイスを持ち歩くことなく、より安全に決済を行うことが可能となり、利便性の向上とともに、他人利用による決済を防止するという。

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