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CoCo壱番屋/京橋エドグランに「海外ココイチ」メニュー提供の実験店舗

2022年10月05日 15:00 / 店舗レポート

カレー専門店「CoCo壱番屋」を展開する壱番屋は10月11日、東京・京橋の複合施設「京橋エドグラン」地下1階に「CURRY HOUSE CoCoICHIBANYA WORLD 京橋エドグラン店」をオープンする。5日、報道向け内覧会を開催した。

<京橋エドグラン店>
京橋エドグラン店

京橋エドグラン店は、「海外ココイチの逆輸入」をコンセプトに、日本で初めて海外で展開するCoCo壱番屋のメニューを提供する店舗となる。経営企画室の松井亜紀広報課長は、「当社は2020年に海外店舗数が200店舗を突破した。現在、推進している『壱番屋長期ビジョン2030』では、チャレンジ、わくわく、未来を創造の3つをテーマとしている。そこで、新しいチャレンジとして、逆輸入店舗をオープンした」と出店の経緯を説明した。

ジャパニーズカレー専門店として多くの国々で愛されている世界のココイチを、日本に居ながら体験できるのが特徴で、世界に広がるココイチを、東京・京橋で提供する。

CoCo壱番屋の海外店舗は、1994年6月にアメリカ・ハワイへの出店が始まりとなる。当時は、海外に店舗があれば、従業員の福利厚生の一環として、研修の名目でハワイに行けることがきっかけだった。本格的な海外出店は、2004年9月の中国への出店からで、2020年8月末時点で、12の国と地域に207店舗を展開している。

<店内全景>
店内全景

東京駅にも近く、都市のオフィス街にありながら、一大商業集積である銀座にも近い京橋のような立地に出店する機会は、なかなかないことから、新たなチャレンジの一環として、京橋エドグランへの出店を決定した。

海外展開のキーとなったのは、日本にはないメニューの開発と合わせて、店ごとに異なるデザインを採用して、非日常の空間を演出する店舗の内外装にあった。海外ではカジュアルなレストランとして、誕生日や記念日などの集まりにも利用されるなど、ハレの場としても利用されている。そのため、京橋エドグラン店でも海外流のデザインを取り入れ、内装はスパイスカラーをベースに、明るい色のタイルや墨色の床材などでまとめた。また、店名には「WORLD」の文字を加え、他のココイチとは異なる店舗であることを示した。

<厨房前の装飾>
厨房前の装飾

ココイチが海外展開を始めた当時、「ジャパニーズカレー」は海外の多くの人々にとっては見たこともないメニューだった。一方で、現地の人々に知ってもらい、リピートしてもらうきっかけが、ココイチ流の「オムカレー」だった。「オムカレー」は、彩あざやかなメニューで、新しいものに敏感な顧客にヒットし、店舗は繁盛店に成長した。

それ以来、海外の多くの国でオムカレーはベストカレーとして好評となり、世界中で大人気のメニューとなった。オムカレーはいわば、世界にココイチを広めた、ジャパニーズカレーの伝道師的な存在でもある。オムカレーは色合いだけでなく多彩なトッピングとの相性も良く、定番のカツ類に加えてチキンクリームソースなどと組み合わせてもおいしい。

<看板メニューの一つ4種のきのこクリームオムカレー>
看板メニューの一つ4種のきのこクリームオムカレー

そのため、京橋エドグラン店でも「オムカレー」を看板メニューに位置付け、フレッシュきのこやマッケンチーズと組み合わせるなど、海外でしか味わえなかったメニューを提供する。また、ココイチでは、海外進出にあたり、海外の人々が食べやすい海外店舗専用カレーソースを開発した。

日本国内のココイチでは、ソースは、「ポークカレー」「甘口ポークカレー」「ビーフカレー」「ココイチベジカレー」「ハッシュドビーフ」となっている。一方で、海外専用ソースは、海外の食習慣に配慮して食肉由来の原材料を使用していないのが特徴。佐賀工場で製造し、世界各国に輸出している。

乳製品といった動物由来の油脂は、使用しているので、ビーガン対応ではないが、幅広い人々が食べやすいソースとなっており、京橋エドグラン店では、日本国内で唯一、海外店舗専用カレーソースのメニューを提供する。4種のきのこクリームオムカレー(単品税込1200円)、マッケンチーズオムカレー(1150円)、トマトとあさりのオムカレー 1180円、チキンクリームオムカレー1200円など10種類のオムカレーを用意した。

<オムカレーのメニュー>
オムカレーのメニュー

ココイチは、アメリカ(ハワイ)、中国、台湾、韓国、タイ、香港、アメリカ(カリフォルニア)、シンガポール、インドネシア、フィリピン、ベトナム、イギリス、インドに進出している。そこで、各国で販売している独自メニューも提供する。豚キムチカレー930円、麻婆なす豆腐カレー+16種の雑穀ライスへ変更970円、半熟タマゴとほうれん草のチキンドリア1100円、4種のきのこのチキンカレードリア1100円といったワールドワイドメニューも用意している。

<ワールドワイドメニュー>
ワールドワイドメニュー

そのほか、京橋はオフィス街であり、オフィスで働く人々のランチ需要も強いことから、通常のココイチのメニューも展開する。また、カフェ需要もある商圏であることから、300円を中心にドリンクメニューを豊富に用意した。さらに、帰宅前のサラリーマンのちょっとした休息に対応し、通常店舗では一番搾りの缶ビールを提供するが、京橋エドグラン店では、瓶ビールで「ハートランド」「ハイネケン」各500円を用意した。

<ドリンクメニュー>
ドリンクメニュー

海外では、カレー単品での注文よりも、サラダやドリンクとセットで注文するお客が多いことを受け、6月からはメニューに、ドリンクセット、サラダセットなど分かりやすく表示する取り組みを全店で導入している。そのほか、健康への関心の高まりを受け、現在、「カレーハウスCoCo壱番屋 イオンモール高の原店」などで提供している雑穀ライスへ変更するオプションを京橋エドグラン店に取り入れた。

海外で好調だった取り組みで、日本国内の店舗へ逆輸入した取り組みや、雑穀ライスのような新しい取り組みを組み合わせることで、実験店舗として、顧客の要望に応えていきたいという。

<壁面の一部の席には電源コンセントを設置>
電源コンセント

また、カフェ的な利用に対応するため、壁面の一部の客席には電源コンセントを備えた。スマートフォンやモバイル端末、パソコンなどを店舗に持ち込み、飲食を楽しむニーズへの対応を目指した。

<注文はタッチパネルで対応>
注文はタッチパネルで対応

コロナ禍を受けた取り組みでは、従業員とお客との接触機会を減らすため、注文にタッチパネルを導入した。また、レジは自動釣銭機を導入し、お客自身がおつりを受け取れる工夫をした。

<レジには自動釣銭機を導入>
レジには自動釣銭機を導入

従業員とお客の直接の接触機会は減らしているが、通常店舗とは異なる店舗の雰囲気を感じてもらうため、制服は海外店舗を参考に、内外装に合わせた、落ち着いた紺色を選定した。腕には地球をイメージしたワッペンで「世界に広がる」イメージを、胸元に日本を象徴する「サクラ柄」をあしらい、日本から飛び出したココイチが世界で進化して戻ってきたイメージを表現した。

<京橋エドグラン店専用の制服>
京橋エドグラン店専用の制服

松井広報課長は、「通常のココイチの主なお客様は30~50代の男性がメインとなっている。オフィス街でありながらも、街歩きが楽しめる京橋のような立地への出店は、ココイチとしては珍しい。京橋では、男女や年齢を問わず、より幅広いお客様に来店してもらいたい。ココイチを知らなかったお客様にはココイチを知るきっかけに、ココイチのファンであるお客様には、海外のメニューで新たなココイチを知ってもらいたい」と語っている。

京橋エドグラン店は、世界のココイチを日本でも体験できる店舗として、そして、「未来のジャパニーズカレー」の可能性を広げるためのチャレンジ店舗として位置付けている。世界中のお客に愛されるココイチであり続けるために、この店舗を起点にして、顧客の期待を超える新しいサービス・商品を生み出していきたいという。

■CURRY HOUSE CoCoICHIBANYA WORLD京橋エドグラン店
所在地:東京都中央区京橋二丁目2番1号
京橋エドグラン地下1階 東京メトロ「京橋」駅 直結
オープン日:2022年10月11日(火)
営業時間:11時~22時30分(L.O.22時)
席数:33席
店舗面積:約110m2

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