IKEA渋谷/リニューアルで「インテリアスタイルラボ」の最新版など導入
2024年08月26日 17:34 / 店舗レポート
イケア・ジャパンは8月27日、「IKEA渋谷」(東京都渋谷区)をリニューアルオープンする。26日、メディア向けに内覧会を開催した。
毎日をさらに快適にサステナブルにするホームファニッシング家具、インテリア・生活雑貨をお手ごろ価格で提供するため1階~6階の計6フロアを改装した(7階スウェーデンレストランはそのまま)。同社が取り扱う商品約9500点のうち、約2700点が展示され実際に見て触れることが可能。このうち小型家具などを含む約1700点を当日持ち帰ることができる。
従来の郊外型店舗(イケアストア)でお馴染みの、順路通りに歩いて買物を楽しめる店舗レイアウトを今回新たに導入。都心型店舗では、自由に店舗内を探索できるレイアウトを試していたが、順路付きの内装を好む顧客の方が多いことが分かったという。初の取組として、1階にアイコニックな商品を同じカラーで集めて展示する「ファンショップ」を設置。体験型ショッピングツール「インテリアスタイルラボ」の最新版も導入した。
ペトラ・ファーレ社長は「東京の中心・渋谷で、より手頃で、よりサステナブルでイケアをより身近に感じて頂けるインスピレーションにあふれた買物体験を提供する。日本は世界的に注目されている国の一つ。顧客のニーズに対応するための新しく革新的な方法を試す機会がたくさんある。過去と現在の成功を基盤として、イケアをオムニチャネルリテーラーとして変革していく」と述べた。
平田夏美アクティングマーケットマネジャーは「都市型店舗は、3店舗(渋谷・原宿・新宿)の中でテスト&ラーンを繰り返しながら新しいソリューションなどを試している段階だ。一番大きな都心型店舗である渋谷店は4年前にオープンしたが、お客様の声や観光客などによる客層の変化を受け、新宿・原宿の経験も踏まえて新しい要素を入れて改装した」と説明している。
家の中の部屋をイメージした展示をする「ルームセット」に加え、家の中の一角をイメージした展示をする「ビニェット」を増設した。1階~6階にある計29のビニェット、3階~6階にある計8つのルームセットでは、都市部での暮らしのニーズを反映しながら、快適でサステナブルな家での暮らしのアイデアやソリューションを提案する。1階に展示している7つの「ビニェット」は、各フロアへのナビゲーション機能も持つ。
世界中のイケアで初となる「IKEA Fanshop(イケアファンショップ)」が1階に登場。イケアのデモクラティックデザインを象徴するアイコニックな商品を同じ色で集めて展示するなど、今までとは異なる方法でイケアの魅力を紹介する。リニューアルオープン時には、ブルーをテーマにイケア商品を展示するという。
体験型ショッピングツール「インテリアスタイルラボ」の最新版も世界初登場(ラボ自体はIKEA原宿・新宿、他国の一部店舗でも導入)。LEDを搭載したカーブ型のスクリーン上で、日本の家での暮らしのニーズをもとにイケアのインテリアデザイナーが作った約50の部屋を閲覧できる。スクリーン上に表示される商品は、二次元コードをスキャンして、オンラインストアで購入することも可能だ。
レジは1階から2階に移動した。カスタマーサービスや、IKEAアプリ・IKEAオンラインストアで購入した雑貨や一部の家具を受取ることができる「店舗受取」、商品検索&セルフオーダー機能も2階に集約する。人気のスウェーデンの食料・飲料をそろえる「スウェーデンマーケット」も同フロアに設置。シームレスなショッピングを実現し、オムニチャネル化の推進をより体験できる店舗とした。
これまで同様に、展示品を最大70%引きで販売する「サーキュラーマーケット」も用意。よりサステナブルに暮らすためのインスピレーションを提供する。加えて、郊外型店舗の「商品倉庫」と同じコンセプトのエリア「持ち帰り家具」も都心型店舗で初めて導入し、小型家具のピックアップもまとめてできるようになった。
3階では、リビングやダイニングに置くソファやパーソナルチェア、ダイニングテーブル、ダイニングチェアなどの家具、さらには部屋のトーンを整えるラグやクッションなどのテキスタイル商品を含む、さまざまな商品を展開。リビング収納として、本棚やチェスト、それに合わせた収納ボックスなども合わせて閲覧できる。
4階では、システムキッチンや食器棚、パントリーを有効活用するための収納アイデアやソリューションを紹介。使い勝手を考慮した調理器具をはじめとするキッチン用品、食器やランチョンマットなどの雑貨まで取り扱う。ルームセットでは、3万5000円以下でそろえられる、壁を活用して都市部のニーズにも合わせたコンパクトなキッチンも提案する。
5階では、仕事部屋や子供部屋などに使用するデスクやチェア、デスク周りで重宝するキャスター付き収納といった家具から、デスク上を整理整頓できるオーガナイザーなどの小物、部屋の印象を変える照明や時計、キャンドル、アートフレームなどのホームデコレーション・インテリア小物を充実させた。
ルームセットでは、渋谷という地域性もあり、1人暮らしや賃貸の人も多いことから、備え付け収納を活かすアイデアや居住空間をすっきりさせる収納ソリューションを提案している。
6階では、ベッドルームに置く、ベッドやワードローブなどの家具、部屋を彩る掛け布団カバー・枕カバーなどのテキスタイル、洋服などを効率的に収納するためのハンガーなどを販売している。バスルームの収納や雑貨なども合わせて紹介し、朝起きてから眠りにつくまでの導線をイメージできるという。
キッズエリアには、ぬいぐるみも用意した。
また、店内にある人気商品の値下げ品には「New lower price」の表示を掲げている。ファーレ社長は「商品の値下げに投資することで、お客様にとってより手ごろなイケアを実現するための投資を続けていく。昨今、日本では経済負担が増え、多くの消費者は以前よりも大変な時を迎えている。われわれは暮らしのパートナーでありたい。昨年の11月から950商品の価格を下げたが、今後も手頃さを出すための投資を続けていく」と語っている。
このほか、内装は各階のエスカレーター周辺をフロアごとに色分けし、アクセントとなる明るく鮮やかな配色にした。店舗入口(井の頭通り)には外向けの大型モニターを2カ所新設し、イケアのアイコニックな商品や季節に合わせた動画などを発信していく。
■IKEA渋谷
所在地:東京都渋谷区宇田川町24-1 高木ビルディング1階~7階
アクセス:JR線「渋谷駅」(ハチ公改札)徒歩5分、東急東横線・田園都市線、東京メトロ半蔵門線、銀座線、副都心線「渋谷駅」地下1階 出口A3b 徒歩1分
面積:1階~7階計約4800m2
リニューアルオープン日:2024年8月27日
営業時間:10~21時
URL:https://www.ikea.com/jp/ja/stores/shibuya/
取材・執筆 古川勝平
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