オーケー二宮社長/関西は魅力的な市場、関東・関西合わせ年2けた出店目指す
2024年11月28日 10:59 / 店舗レポート
11月26日にオーケーは「オーケー高井田店」(大阪府東大阪市)をオープンし、関西初進出を果たした。EDLP(エブリデー・ロー・プライス)を武器に首都圏で勢力を伸ばしてきた同社が、競合他社との競争が厳しい関西でいかに戦うか。二宮涼太郎社長は記者団の質問に対し「競争が厳しいのは関東も関西もかわらない。スーパーマーケットはたくさんあり、出店競争している。しかし、関西にはオーケーがない。関西は魅力的な市場だ。成功するまでやる」と自信をのぞかせた。
以下、主なやり取り。
――今後の出店計画を教えてください
2025年1月兵庫県西宮市に2号店、3号店も2025年中に考えている。関東・関西合わせて年10店舗以上、2けた出店を続けていきたい。
――関西のどのエリアで出店を考えていますか
現在、大阪府、兵庫県のドミナントを強化する。兵庫県では西、神戸市当たりまで、大阪府はどこまで南へいくか。物件ごとに検討していく。
――店舗の規模感は
関東では郊外で約1983~3305m2(600~1000坪)、都心部661m2(200坪程度)としているが、関西でも同程度で検討する。400坪半ばを目安に考えている。
また、関東でもいろいろな出店パターンがある。高井田店のように土地取得から行うものがあり、商業施設への出店などあらゆるパターンを考えている。
――関西での出店強化に対し物流施設を新設しますか
まずは店舗を増やし、店舗が増えてくれば、関西に物流センターを構えることも考えている。
――採用の状況は
正社員、パートともに順調だ。やはり小売業に従事するなら、繁盛店で働きたいのではないか。
2024年1月から中途採用を本格開始し、高井戸店で働いている人たちはパートも含めてほぼ関西の人々だ。春から関東のオーケー店舗で実際に働いてみて、その後、高井田店に配属している。
――商品は関西のし好に合わせていますか
高品質EDLPという戦略は関東と同じ。競合の価格調査を行い、特別提供品などはあるがグロサリーは、関東と同じ戦い方でいこうと思っている。関西のお客様の声を聞いて、どう売り上げをあげていくかこれから考えていく。
輸送も、店頭でも温度管理を徹底している-50度の冷凍マグロのような、名物商品をしっかりつくっていく。
もちろん、関東では売れていないが、関西で売れる菓子などあるので、そういった品ぞろえはしている。
また、総菜も粉もんが好まれるので、関東ではそこまで力を入れていないかったが、お好み焼きなどを強化している。
関西で採用した人の力を借りながらも、関西で好まれる商品を展開していく。逆に、関東の味を関西に紹介することもしたい。
――販促について教えてください
チラシを2.5㎞範囲に配布した。梅田駅のデジタルサイネージに広告を配信した。地道に駅にポスターも掲示している。
オーケークラブカードの事前登録を1週間前から実施したところ、200円登録料が必要なのにも関わらず約3000人が申し込んでくださった。私も半信半疑だったがこれだけ申し込みがあり驚いた。
――昨年出店した銀座店から生かした点はありますか
銀座店は、総菜が非常に売れており、欠品でお客様にご迷惑をかけている。総菜の製造能力を確保しなければいけないと思い、それ以降の店舗では作業場をきちんと作っている。
――生活者の節約志向をどう感じていますか
米の価格が1.5倍くらいになり、お客様は物価高を身近に感じるようになったのではないか。値上げで売価が3ケタから4ケタになったものもあり、値ごろ感は重要だ。
少しでも安心して買えるように、グロサリーなど下げられる商品は下げている。物価高を追い風に変えられるよう頑張りたい。
――生活者は安いだけでなく買い物に楽しさを求めています。オーケーの対策は
安かろう悪かろうでは支持されないので、サケのおいしさを追求し、副菜を廃止した「THE 鮭弁当」など工夫して提供している。
大容量の総菜というより、買いやすい食べきれる量、おいしさで勝負している。
――なぜ地下に売り場が
関東でもそうだが、1階を売り場にすると、トラックの搬入口や、駐車場のスロープ設置の関係で、広い面積がとれない。1、2階の2層の売り場だと買い回りしづらい。コストがかかっても、地下にワンフロアで広い売り場をつくることを選んだ。
――調剤薬局事業を関西でも実施しますか
関東で10店舗程度導入しており、需要がある。関西でもつくろうと思えばスペースはあったが、調剤事業はまずは関東で固める方針だ。高井戸店には(処方せんなしで購入できる)OTC医薬品のみ扱う。
――ネットスーパーは
当社のネットスーパーは店舗出荷型で、作業場があり、店舗のオペレーションが整って来れば、できると思っている。まずは店舗をしっかり作る。
取材・執筆 鹿野島智子
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