大手百貨店／3月売上高は春物衣料・高額品・インバウンドがけん引

2024年04月01日 16:38 ／月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋は4月1日、3月の売り上げ速報を発表した。

三越伊勢丹前年同月比17.3％増、J.フロントリテイリング（百貨店事業合計）14.2％増、エイチ・ツー・オーリテイリング（阪急阪神百貨店全店計）19.9％増、高島屋各店計（国内百貨店子会社含む）20.0％増だった。

春のオケージョンニーズに対応した衣料、好調が続く高額品、インバウンド、化粧品が売り上げをけん引している。

■三越伊勢丹HD（2023年3月期売上高：4874億円）
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比19.2％増、三越日本橋本店店頭16.8％増、三越銀座店25.8％増などで、三越伊勢丹計17.3％増だった。

函館丸井今井4.3％減、仙台三越5.8％増、新潟三越伊勢丹5.6％減、静岡伊勢丹5.2％減、名古屋三越2.8％減、広島三越6.2％減など、国内グループ百貨店計は5.0％増となり、国内百貨店計は12.5％増となっている。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店・三越銀座店を中心に、引き続き高付加価値商品の売り上げが好調だった。両本店・三越銀座店の3店舗ともに9カ月連続で2018年度を上回る実績で推移している。

カテゴリーではハンドバッグ、宝飾・時計、化粧品が引き続き伸びた。衣料品では、ラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に新作の春夏物に動きがあり、オケージョンニーズもみられた。食品は、ギフトや手土産需要で特に洋菓子や和菓子が人気だという。

免税売り上げは春節があった２月を超え、単月で最高額の昨年12月に次ぐ高水準となった。全体購買傾向と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグ、財布、宝飾・時計、化粧品など高付加価値商品への関心が高いとしている。

■J.フロントリテイリング（2023年2月期総額売上高：9987億円）
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比13.7％増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は14.2％増だった。

3月度の売上高は、中旬まで気温が平年より低く推移したことにより、春物衣料品へのマイナス影響があったものの、ラグジュアリーブランド、化粧品、宝飾品が大きく売り上げを伸ばし、訪日外国人売り上げも好調に推移している。

店舗別では、15店舗中13店舗が前年実績を上回った。訪日外国人売り上げシェアが高い心斎橋店は対前年約4割増、京都店は約2割増となった。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高（速報値）は、対前年比191.8％増（客数164.0％増、客単価10.5％増）だった。

■エイチ・ツー・オーリテイリング（H2O）（2023年3月期売上高：6280億円）
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比19.9％増となった。内訳は阪急本店29.9％増、阪神梅田本店7.1％増、支店計11.4％増。

3月は、気温が上がらず、雨天が多かったが、オケージョン需要など春物ファッションが堅調に推移している。

免税売上高は引き続き好調で、同月対比として10カ月連続、単月としても2カ月連続で過去最高を更新している。

阪急本店は、3カ月連続で加工最高売り上げを更新。婦人ファッションが2ケタ増、インバウンド、ラグジュアリー、化粧品は3割増を上回り、売り上げをけん引している。

人気催事「フランスフェア」では、パリを特集し、現地からクリエーターや実演者を招いた。

100万円以上の高額品の売上高は、前年の約1.5倍と引き続き高い伸びを示した。

■高島屋（2023年2月期営業収益：4434億円）
高島屋国内百貨店各店計は21.2％増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は20.0％増だった。

3月度の売上高において、国内顧客は、スカーフなどの春物雑貨や卒入学式をはじめとするオケージョン対応の衣料品（ワンピースなど）が堅調に推移。また、インバウンドは、ラグジュアリーブランドを中心とする高額品が売上高を押し上げ、単月としては過去最高を更新している。

免税売上高は前年同月比168.8％増、2019年同月比63.8％増となっている。

店舗別売上高では、大阪店、京都店、堺店、泉北店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、大宮店、柏店、岐阜店、高崎店が前年を上回った。

商品別売上高（同社分類による14店舗ベース）では、紳士服、紳士雑貨、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子ども情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品が前年実績を超えている。

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