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日本の不動産賃貸市場/英国EU離脱で上下することは考えにくい

2016年06月28日 14:00 / 店舗経営

ジョーンズ ラング ラサール日本のリサーチ事業部長、赤城威志氏は6月27日、英国EU離脱による日本経済への影響について、見解を発表した。

経済全体の影響と比較して、不動産市場への直接的な影響はより少ないものと考えられる。しかし、世界経済の先行き不透明感から企業の設備投資意欲が減退し、賃貸市場、特にオフィス市場への影響がやや懸念される。

東京オフィス市場は空室率も低位で、賃料は継続的に上昇基調にあり、その上昇度合いが緩む可能性も否定できないが、そもそも不動産賃貸市場自体は一般経済変動に対して遅行性を有するとともに、より長期的なスパンで変動する特性を有するため、今回の英国EU離脱国民投票の結果自体で上下することは考えにくい。

現実には今後の経済動向の推移に伴って、徐々にその影響度会いが判明してくるのであろうと分析している。

不動産投資市場について言えば、現在市場を牽引している国内投資家層を中心とした投資意欲にあまり変化はないものと思われる。市場における現実の投資機会自体は物件不足により従前から限定的な状態が続いており、その中で投資機会を見出すことができた投資家にとって日本不動産市場への高い志向性は変わらないであろう。

但し、短期的に不安定な状況となる英国及びヨーロッパの投資家にあっては、為替変動の影響もあり、一旦様子見の姿勢となる可能性もありうる。

しかしながら、ヨーロッパを中心とした先行き不透明感漂う世界全体にあって、我が国日本の相対的優位性が高まることも十分に考えられる。

実際、不安定な世界状況の中、リスク回避志向の資金が相対的安全性を求め、今円が買われ、日本の国債利回りも低下している状況である。近年、世界の不動産投資資金は西欧や日本といった先進国へシフトしており、その中でも、日本不動産市場は世界の目線からセーフヘイブンとしての特性がさらに強く認識されるであろう。

とりわけ、ヨーロッパを目指していたアジアを中心とした投資資金の日本回帰というシナリオも現実性を帯びる。

現時点で英国EU離脱の影響を全て見切ることは困難であるが、一時的に世界経済の不透明感が増したことは事実であり、その不透明感自体が企業や個人のセンチメントに負の影響を与えかねないことが懸念されるが、このような状況の中、政府・日銀による新たな景気刺激策の実施可能性も含め、今後の動向をより冷静な視点で見ていくことが求められるとしている。

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