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CBRE/2024年「銀座ハイストリート」賃料は上昇が続く見込み

2024年01月09日 16:10 / 経営

シービーアールイー(CBRE)は2023年12月15日、「CBREレポート不動産アウトルック2024」を発表した。同レポートによると、リテールセクターの銀座ハイストリート賃料は、今後も緩やかな上昇が続くと予想された。レポートでは、2025年末時点の銀座ハイストリートの賃料を、坪当たり26万9500円と2023年第3四半期の実績に対して3.4%の上昇になると予想している。

銀座ハイストリートでは、幅広い業態からの出店ニーズがある一方で、特にラグジュアリーブランドが求めるようなプライム立地の募集物件は希少になりつつある。タイトな需給動向を背景に銀座ハイストリート賃料は2023年第3四半期に対前年同期で7.9%上昇し、コロナ禍直前の水準を上回った。

<銀座ハイストリートの賃料推移>

※出典:CBREレポート不動産アウトルック2024

銀座ハイストリート賃料は、経済回復と訪日外国人の増加を受け、2015年まで上昇が続いたものの、2016年第2四半期をピークに下落に転じた。円高をきっかけに、中国からの来訪者を中心とするいわゆる「爆買い」が収束し、大型商業施設の竣工が続いたこともあり、テナントニーズに一服感がみられた。

2017年第3四半期には、底入れし2018年第4四半期からは、緩やかな上昇基調となったものの、2020年に入るとコロナ禍の影響を受け、2021年第3四半期にかけて6.4%下落した。2021年台四半期に底を打った銀座のハイストリート賃料は、その後2022年第3四半期まで底這いの状態が続いた。しかし、その後、出店ニーズの回復と共に募集物件が減少し始め、2022年第4四半期に賃料は上昇に転じた。

プライム物件を中心に募集物件が希少になりつつある一方、出店ニーズはますます旺盛であるため、一つの募集物件に複数の引き合いが集まることで賃料水準が引き上げられる状況が続いている。2023年第3四半期のハイストリート賃料は、坪当たり26万600円と前年同期を7.9%上回り、コロナ禍直前の2019年第4四半期実績である坪当たり25万8000円を1.0%上回った。

また、銀座ハイストリートの中でも一等地とされるエリアの物件の賃料(プライム賃料)は、坪当たり40万円となり、2015年第2四半期に前期の35万円から上昇して以来、およそ8年連続の横ばいとなった。

銀座エリアで出店ニーズがあるラグジュアリーブランドの中には、一等地の物件には、高額な賃料を支払ってもよいと考えるリテーラーが少なからず存在する。そして、そのような一等地の物件は、そもそも募集に出ることが少ない。

さらに、そういった物件を志向する高級時計や宝飾品などのラグジュアリーブランドは、利益率が相対的に高いこともあり、短期的な景気悪化などで賃料目線が下がることもない。結果としてプライム賃料は40万円という水準で高止まりしている。

<銀座ハイストリートの賃料予想>

※出典:CBREレポート不動産アウトルック2024

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