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出店希望動向調査/全エリアで繁華街に人気、名古屋はロードサイド堅調

2023年09月21日 15:35 / 店舗

店舗流通ネットは、不動産の日(9月23日)に向けて、2023年1月1日から2023年7月31日の期間で店舗の出店を希望する1163名を対象に、不動産に関する出店希望の動向調査を実施、その結果を9月12日に発表した。調査結果から、東京圏・名古屋・大阪では、エリアごとにそれぞれ異なる特色があることが判明した。

調査対象者は、東京圏(一都三県)・名古屋・大阪エリアでの出店希望者で、対象人数は1163名(複数回答可)。出店希望業種は、飲食(業態問わず)、物販(買取専門店、トレーディングカード店など)、美容(美容院、エステサロンなど)、医療(整骨院、歯医者など)、娯楽(フィットネスジム、カラオケなど)。

<図1 物件希望立地タイプ>

どのような物件で出店したいのか、東京圏・名古屋・大阪エリアでの出店希望者に対し、「物件希望立地タイプ」の調査を行ったところ、どのエリアでも「繁華街」が4割を超える結果となった。ただ、各エリアの期間平均、月ごと単位で数値を見てみた場合、単月で「繁華街」の希望が5割を超えることはあるものの、全体含め全エリアで1月から7月の平均値が5割を超えることはなく、「ビジネス街」「住宅街」「ロードサイド」を希望する人が東京圏・名古屋・大阪エリアで約半数存在することが分かった。

また、半数を占める「ビジネス街」「住宅街」「ロードサイド」に関して、エリアごとにどのような特色があるのかに注目してみたところ、全体のグラフの推移と東京圏のグラフの推移は似たような動きを見せる一方で、名古屋・大阪エリアは異なる結果となった。特に名古屋は面白く、全体を通して1割程しか需要のないロードサイド物件の需要が2割を超え、その分住宅街物件の需要は1割にも満たないことが判明した。これは、車社会と言われる名古屋だからこその特色と言える。

<図2 物件希望引渡状態>

引渡時の物件状態についての希望を調査した結果、約7割が改装建設費を抑えられる居抜き物件を希望し、平均して居抜き物件の人気が強固であることが判明した。建設分野の物価指標の1つである、国土交通省が発表する「建設総合:建設工事費デフレーター(2015年度基準)」においても、材料費、労務費等を含む建設分野の工事費は、東日本大震災が発生した2011年以降上昇しており、新型コロナウイルス流行後の2年間(2020年4月~2022年3月)は、年単位で約4.9%上昇した。建設費や建築資材の物価高騰といった背景もあり、居抜き物件を希望する理由として、少しでもコストを抑えたいという出店希望者の想いが伺えた。

ただ、全体・東京圏で「飲食居抜き」の需要が下がり始めた3月以降に名古屋・大阪では需要が高まっており、エリアにより需要の高まりに時間差が生じることが分かった。

<図3 物件希望階数>

1階、2階、空中階、地下1階といった物件希望階数の調査では、不動の路面店人気の一方、2階以上の物件に対しては捉え方の違いが伺える結果だった。飲食店を中心に、店舗の出店を検討した際、1階路面店物件での出店希望は、どのエリアでも根強い人気を見せた。一方で、2階以上の物件に対して、東京圏では7月、希望結果に差が生じはじめるのに対し、名古屋・大阪エリアではあまり差が生じない結果となった。また、地下物件よりは視認性が高く、夜景など、景色のロケーションを売りにできる空中階物件の方が需要が高いことが判明した。

■9月23日:不動産の日 出店希望動向調査結果
https://newscast.jp/news/9949455

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