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良品計画/新オフィスで営業開始、オフィス事業拡大

2024年02月06日 10:46 / 経営

無印良品を展開する良品計画は2月1日から、東京都文京区にある住友不動産飯田橋ファーストビルに本社を移転し、営業を開始した。また、新オフィスを新たに「ライブオフィス」としても活用し、オフィスの設計・コンサルティング事業の強化、拡大を図る。

これまで、本社を「完成させないオフィス」とし、社員が自ら働き方を考え、働く環境を改善していく風土づくりを実践してきた。2022年8月期からスタートした第二創業期の中で社員が増えたほか、コロナ禍を経て働き方が変化したことなどからオフィス移転となった。「人が主役の働きやすい、居心地のよいオフィス」を目指し、「働く環境をもっと良くしよう!」という考えのもと、気づきや行動力を引き出すオフィスをコンセプトに、社員自らが振り返り、気づき、改善する取り組みを進化させる。

新オフィスは、旧本社オフィスでの経験や気づきから課題をふまえ、利便性や業務効率向上、快適性向上、部門間のコミュニケーション円滑化など、働く場の環境改善をテーマに、社員のモチベーションにつながる設計や仕組みを導入した。具体的には、オンラインでの打ち合わせ増に対応する電話ブースの設置や、対面で部門横断のコミュニケーションが気軽にできるコミュニケーションスペースの増設、イスラム教徒向けのプレイルーム(祈祷室)なども新たに設置した。また、それらをより良くする体制も導入した。

<新オフィス>

旧オフィスでは、「店舗・本社を含めた社員が交流できる場がない」「人員増に伴うオフィスの執務スペースの狭小化」「多層階のため部署間のコミュニケーションが取りにくい」「コロナ禍での働き方の変化(例:オンラインミーティングの増加)」「業務拡大により商品開発などに必要なスペースが狭い」「リラックスできる場所が少ないため、オンオフの切り替えが難しく、生産性があがらない」といった課題があった。

店舗・本社を含めた社員が交流できる場がない、リラックスできる場所が少ないため、オンオフの切り替えが難しく、生産性があがらないといった課題を解決するため、新しくなったオフィスには、コミュニティスペースとオープンスペースを設置した。

595.04m2の1階は、本部、店舗の社員が交流できるほか、取引先などの関係者のみなさまとつながるコミュニティスペースとして機能する。イベント開催などの際は地域の人々にも解放する場になる。また、対面とリモートで同時にイベントを開催できる設備も整えている。

また、5階フロア中央に社員用オープンスペースを設置。通常は社員の休憩や交流の場として利用できるほか、社内イベントや試食会などを実施し、コミュニケーションを促進する。

<オープンスペース>

人員増に伴うオフィスの執務スペースの狭小化、多層階のため部署間のコミュニケーションが取りにくいに対応するため、部署間のコミュニケーションをより取りやすくするために、フロア構成をこれまでの8フロアから2フロアにし、5階・7階を執務スペースとした。

<5階の執務スペース>

また、同様の課題に対応するため、テレワークとオフィス出社の併用から、全社員の約7割出社を想定し、席数や一人当たりの床面積も増加した。各部署の仕切りをなくし、おおまかな部署のマッピングのみを行い、フリーデスク制とした。オープンミーティングスペースを大幅に増やすことで、フレキシブルに会話が生まれる環境を目指した。

<7階の執務スペース>

コロナ禍でオンラインミーティングが増加するなど働き方が変化したことに対応して、ミーティングスペースを強化した。面談・電話ブースを大幅に拡大、リモート会議の増加に対応する。また、会議室、商談室を増やした。音響やシステム環境は、最新の設備を導入している。

<ミーティングスペース>

業務拡大により商品開発などに必要なスペースが狭いといった課題に対応し、商品開発スペースを改善。衣服雑貨、生活雑貨、食品のものづくりを全社員が見えるオープンな場で行う商品部の専用開発スペースを設けた。衣服雑貨では、サンプル検討会などができるエリアを設置した。生活雑貨では、商品カテゴリーごとにサンプルを確認できるカウンターを設置したほか、地下1階には工作室や家電工房、化粧品の試験室なども設けた。食品では、本格的な厨房設備を導入したテストキッチンを1階に設置した。

<商談室>

さらに、リラックスできる場所が少ないため、オンオフの切り替えが難しく、生産性があがらないことに対応し、心地よく過ごす空間と工夫をした。そこで、働き方の多様化や人員増員にも柔軟に適応できるよう、可変性の高い家具を自社で開発し、ゆとりのある空間を計画した。

各フロアには無印良品のお菓子や飲料などが購入できる「一坪喫茶」を設置した。また、子育て中の女性や、妊婦社員の休憩を想定した「マザールーム」を設置した。さらに、イスラム教徒がお祈りを行う専用部屋「プレイルーム」も設置した。働く場、人が集まる場、お客を迎える場に合わせた音環境を考え、BGMを流す。今後、随時ワークショップを実施し、社員の意見も聞きながら、快適な音環境を考える。

「完成させないオフィス」を継続するために、フロア委員を中心とした組織で運営し、社員自らが現場から働く場を作っていく“企画とプロセス”を考える。また、それらの手法と、これまでとこれからの実体験を商品・サービス開発に生かし、オフィス事業を拡大する。

そのほか、健康的で快適に働ける空間を実現するために、従業員のはたらく環境に課題を抱え、組織だけでなく意識醸成の変革期にある企業(団体)に向けて、オフィス設計・コンサルティング事業の強化、拡大を図る。

良品計画の本社をオフィスショールームとし、感じ良く働くための実践のテストオフィスとしての機能も担う。良品計画と同様の課題に共感し、良品計画の社員からフィードバックされた環境改善内容を実践、労働環境から従業員のウェルビーイングの向上につながる価値の提供を目指す。一般企業オフィスだけでなく、保育園や老人ホームなどの福祉施設や、商業施設内のワークスペース・休憩室などにも広く展開する。

■新オフィス
所在地:東京都文京区後楽2-5-1
住友不動産飯田橋ファーストビル

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