JR東日本×アイリスオーヤマ/備蓄米を新幹線で仙台から輸送、東京で販売
2025年06月10日 14:03 / 経営
JR東日本とアイリスオーヤマは6月10日、政府備蓄米の販売を共同で実施した。アイリスオーヤマが扱う備蓄米を、JR東日本の荷物輸送サービス「はこビュン」を活用して新幹線で仙台駅から東京に運び、そのまま東京駅と上野駅で販売会を行った。
午前10時48分、東北新幹線「やまびこ128号」が東京駅に到着した。5両目の車内販売準備室には、備蓄米が入った段ボールが積まれている。仙台駅で積み込まれたアイリスオーヤマの備蓄米「和の輝き」(5kg・税込2160円)だ。
乗客が降りると、備蓄米の段ボールはスタッフによって素早く台車に積み込まれ、販売会が行われる東京駅構内のイベントスペース「スクエア ゼロ」へと運ばれて行く。
「スクエア ゼロ」では販売スタッフが待ち構えており、段ボールが到着すると、手分けして箱から取り出され、備蓄米が並べられた。
今回の販売会では、東京駅と上野駅それぞれ「和の輝き」100袋ずつ取り扱う。アイリスオーヤマの宮城県の「亘理精米工場」で精米し、新幹線で運んですぐさま販売するという形で、事前にインターネットで予約受付をした顧客が購入できる。
午前11時30分に販売会が始まると、待っていた顧客が順に料金を支払って「和の輝き」を受け取っていく。
購入した60代の男性は「備蓄米を買うのは初めて。5キロ2000円で、とにかく安いので購入した。今日さっそく夕食で食べてみる」と語った。
今回の取り組みは、アイリスオーヤマがJR東日本のECサイト「JRE MALL」に出品しており、宮城県で精米をしていることなどを踏まえ、JR東日本側から提案したという。
JR東日本マーケティング本部まちづくり部門マネージャーの堤口貴子氏は、備蓄米の輸送に「はこビュン」を活用した背景について「『はこビュン』は社会問題の解決の一助になればと考えている。備蓄米を確実に運び、東京駅で販売することでお客様にいち早く届けられる」と説明。
アイリスオーヤマ執行役員管理本部本部長の田中伸生氏は、新幹線による輸送は「スピードと確実性が魅力」という。さらに「物流の問題もある中で新幹線を使った新しい物流の形を周知できれば」と狙いを述べた。
取材・執筆 比木暁
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