天丼てんや/既存店売上高が51カ月連続増、高付加価値商品やそば強化
2025年06月09日 17:12 / 経営
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ロイヤルホールディングスは、天丼専門店「天丼てんや」の既存店売上高が5月(前年同月比5.0%増)で51カ月連続前年同月を上回ったと発表した(速報値)。
阿部正孝社長は6月9日開催されたIR説明会で「てんやは2021年3月以降ずっと、既存店売上高が前年を超過している。コロナ禍の最中はテイクアウト需要、コロナ後は着席での飲食の増加と需要の変化に対応し、業績を伸ばしている」と分析した。
また、てんやはリブランディング改装を2024年2店舗で実施し、2025年は17店舗をリニューアル予定。
2月13日には、そば全品を江戸最大そばの「藪そば」に変更した。てんやの得意とする天ぷらを丼物以外と組み合わせても楽しめることで、新たな客層を呼び込みたい考え。
「てんやクラスの店で、天ぷらそばを提供するブランドはなかなかないと考えており、(そばも)磨きをかけていきたい」という(阿部社長)。
佐々木徳久専務は「てんやは値上げをしたが、ベースとなる500円台の天丼を守りつつ、日本の食材を活用したGood JAPANといったプレミアムな天丼を提供。ちょっといいものを食べたいという生活者に700~800円のメニューも提案している」。
リブランディングについて、「店内の居心地の良さをアップし、高付加価値商品も食べていただくことで、客数と客単価アップを図っている。天ぷらは、そばやうどんとも相性が良い。天ぷらのおいしさをご飯だけではなく、そばやうどんでも楽しんでいただきたい」と話した。
なお、ロイヤルホールディングスの2025年12月期第1四半期決算は、売上高383億5100万円(前年同期比7.6%増)、営業利益15億9500万円(9.6%減)、経常利益16億9000万円(0.8%減)、親会社に帰属する当期利益9億5900万円(37.2%減)となった。
ホテル事業、コントラクト事業は好調に推移したが、外食事業において国内外の出店費用増や原材料費高騰が利益を圧迫し、増収減益となっている。
外食事業の売上高は160億8200万円(4.2%増)、経常利益は10億2100万円(15.2%減)だった。
原材料費高の影響などにより「ロイヤルホスト」は増収減益だったが、「てんや」は値上げや高付加価値商品による客単価増で、増収増益を確保した。
取材・執筆 鹿野島智子
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