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ファーストリテイリング/8月期営業利益66.7%増、ユニクロ事業が回復

2021年10月14日 11:05 / 決算

ファーストリテイリングが10月14日に発表した2021年8月期決算によると、売上収益2兆1329億9200万円(前期比6.2%増)、営業利益2490億1100万円(66.7%増)、税引前利益2658億7200万円(73.9%増)、親会社に帰属する当期利益1698億4700万円(88.0%増)となった。

新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、業績が大幅に低下した2020年8月期に対し、2021年8月期はユニクロ事業を中心に業績が回復し、大幅な増収増益だった。

海外ユニクロ事業を中心に減損損失を169億円、J Brand法人の清算益を87億円計上した結果、ネットで65億円のマイナス。J Brand法人は2021年8月に清算したことに伴い、買収時の為替レートに対し、買収以降、為替レートが円安に進んだことで、為替変動による清算益を計上している。

国内ユニクロ事業の売上収益は8426億円(4.4%増)、営業利益は1232億円(17.7%増)と、大幅な増益。既存店売上高(Eコマースを含む)は、前期比3.6%増の増収となっている。

通期のEコマース売上高は1269億円、前期比17.9%増、売上構成比は15.1%と、順調に拡大している。

海外ユニクロ事業の売上収益は9301億円(10.2%増)、営業利益は1112億円(121.4%増)と、大幅な増収増益を計上した。

地域別では、新型コロナウイルス感染症の影響が少なかったグレーターチャイナは大幅増益と好調。グレーターチャイナは、売上収益が5322億円(16.7%増)、営業利益が1002億円(52.7%増)と、過去最高の業績となっている。

韓国は通期で若干の減収も、黒字化した。一方で、その他アジア・オセアニア地区(東南アジア・オーストラリア・インド)は期を通して新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたことで、営業利益は約15%の減益となった。

国別では、新型コロナウイルス感染症の影響が最も大きかったマレーシア、タイ、フィリピンは減収減益。シンガポール、インドネシア、インド、オーストラリアは増収増益だった。ベトナムは通期で大幅な増収、黒字を達成した。

その他アジア・オセアニア地区の各国は新型コロナウイルス感染症の影響を受けたものの、店舗営業を再開した期間は好調な販売となっている。

北米は、5月以降は規制が緩和されたことで売上が急回復し、下期は黒字化、通期で赤字幅が半減した。

欧州は、Eコマース事業とロシアの業績が好調だったことで、大幅な増収、黒字を達成した。北米と欧州は、コロナ禍で、売上総利益率の改善、不採算店舗の閉店、固定費の削減、在庫水準の適正化など収益構造の改革を進めたことで、売上の回復に伴い収益性を大きく改善させることができたという。

ジーユー事業の売上収益は2494億円(1.4%増)、営業利益は201億円(7.6%減)の増収減益となっている。

上期はシェフパンツ、スウェットライクセーターなどの販売が好調だった一方で、下期は緊急事態宣言の影響を受けたことに加え、売れ筋商品の欠品による機会ロスが生じたこと、一部の商品がトレンドを捉え切れず想定ほどの売上にならなかったため、通期の既存店売上高は若干の減収となった。

Eコマース売上高は、情報発信の強化により増収、2年前比で約5割増収、売上構成比は約11%だった。

グローバルブランド事業の当連結会計年度の売上収益は1082億円(1.3%減)、営業利益は16億円の赤字(前期は127億円の赤字)となっている。

J Brand法人の清算益に加え、セオリー事業の業績が改善したことにより大幅に赤字が縮小した。セオリー事業は、増収、黒字に転換した。これは、米国の赤字幅が縮小したことに加え、アジア(中国大陸、香港)が大幅な増収増益と好調な業績となったことによるものだという。

プラステ事業は減収、前年並みの赤字となった。コントワー・デ・コトニエ事業は、減収、赤字幅は拡大した。理由は、5月までフランスを中心に新型コロナウイルス感染症の影響で断続的に店舗を臨時休業したためとなっている。なお、J Brand法人は清算したが、J Brandのブランドは引き続きファーストリテイリンググループで所有し、グループブランドを通して、商品を提供していく。

次期は、売上収益2兆2000億円(3.1%増)、営業利益2700億円(8.4%増)、税引前利益2700億円(1.6%増)、親会社に帰属する当期利益1750億円(3.0%増)を見込んでいる。

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