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くら寿司/11~4月、価格改定もコストアップや迷惑行為で営業損失

2023年06月09日 10:20 / 決算

くら寿司が6月9日に発表した2023年10月期第2四半期決算によると、売上高1018億4500万円(前年同期比14.0%増)、営業損失11億8600万円(前期は3億2300万円の利益)、経常損失11億4100万円(前期は35億700万円の利益)、親会社に帰属する当期損失10億9500万円(前期は22億100万円の利益)となった。

<くら寿司>
くら寿司

日本では、売上高805億3300万円(7.4%増)、経常損失15億1400万円となった。新型コロナウイルス感染症第8波による人流の減少や、飲食店における迷惑行為もあり、影響を受けた。迷惑行為への対策としてAIカメラシステムを改良し、迷惑行為を感知して防止する新システムを開発し、全店での導入を完了させて、安心、安全に食事ができる環境を整えた。今後も、おすしが回るエンターテインメント性を守る。

販売面では、アフターコロナの需要獲得のため、「かに」「まぐろ」など人気の高い商品を中心としたフェアを展開し、人気アニメ「鬼滅の刃」「ちいかわ」「名探偵コナン」のグッズプレゼント等のキャンペーンを実施するとともに、積極的なTVコマーシャルの投入を行い、第2四半期連結累計期間における売上高は過去最高となった。

一方、円安に伴う原材料やエネルギー価格が大幅に上昇したほか、人件費の上昇に加え、資材費や水光熱費など様々なコストアップが発生しており、それらに対応するため、2022年10月に1皿110円(税込)の商品を115円、一部の1皿220円商品を165円に変更するなど、メニューミックスも含めた価格改定を実施した。

米国子会社Kura Sushi USA, Inc.(KSU)は、売上高115億3000万円(66.1%増)、経常損失4億1900万円となった。継続的な新規出店と堅調な米国経済を背景に好調な売上高となった。反面、40年ぶりに高い消費者物価上昇率を記録するなど、物価や賃金のインフレにより収益が圧迫された。2022年11月の全米最大級のショッピングモール「モール・オブ・アメリカ」への出店をはじめ、ジャージーシティ、フィラデルフィア、エジソン、オークブルックテラスに出店した。好調な売上を背景に、第2四半期連結累計期間における店舗段階での収益は過去最高となった。

台湾子会社 亞洲藏壽司股份有限公司(KSA)を含むアジアでは、売上高97億8100万円(前年同期比32.6%増)、経常利益は7億9300万円となった。新型コロナウイルス感染症にかかる影響はほぼ無くなり、消費の回復傾向から売上高は順調に推移した。また、2022年12月10日には台湾への入境者数制限も撤廃され、観光産業、飲食業に力強い追い風となった。2022年12月には人気キャラクター「BT21」のグッズが当たるキャンペーンを実施した。また、2023年3月には人気キャラクター「リラックマ」とタイアップし、「ビッくらポン!」の景品にキャラクターアイテムとして採用するなど、お客に好評となった。

通期は、売上高2090億円(14.2%増)、営業利益30億円、経常利益31億円(26.2%増)、親会社に帰属する当期利益11億円(47.7%増)を見込んでいる。

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