矢野経済研究所は10月17日、OTC市場に関する調査結果2014を発表した。
OTCとは、Over The Counterの略で、医師による処方せんを必要とせずに購入できる一般用医薬品を指す。
主な薬効として、総合感冒薬やドリンク剤、ビタミン剤、目薬、胃腸薬、パップ剤・プラスター、解熱鎮痛剤、整腸薬・止瀉薬などがある。
調査によると、2013年のOTC市場規模(指定医薬部外品含む、メーカー出荷金額ベース)は、前年比0.4%増の7930億円と推計した。
市場全体の成長率は前年比で微増だが、2年ぶりにプラス成長となった。ドリンク剤やミニドリンク剤が堅調に推移、スイッチOTCが続伸、好調な花粉症関連製品などが寄与した。
2013年のOTC市場を薬効別にみると、市場規模が大きいドリンク剤やミニドリンク剤がやや回復したほか、ビタミン剤も堅調に推移した。
目薬や解熱鎮痛剤も新製品の寄与などにより増加した。これに対し、総合感冒薬が伸び悩んだほか、胃腸薬は需要低迷に歯止めが掛からず市場縮小が続いている。
国民皆保険制度により、もともと医療機関を受診する人が多いほか、疲労回復・滋養強壮などの薬効を持つOTC製品は食品との競合で厳しい環境が続いている。
どの製品においても参入企業間の競争が激化しており、既存製品や既存カテゴリーのみによる展開では、OTC市場の拡大を実現するのは難しい状況にあると考える。
市場を拡大するためには、効果の高いスイッチOTC投入による市場活性化、これまでにない新たなカテゴリー創造による新規需要開拓が必要とされるという。