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メガネスーパーは3月27日、東京都港区白金台に新業態「DOCK by meganeSUPER(ドックバイメガネスーパー)白金台本店」をオープンする。
45歳以上のミドル層からシニア層をターゲットした業態で、リラクゼーションを併設し、アイケアを明確に打ち出したコンセプトショップ。
1号店は路面店として出店するが、5月~6月にはショッピングセンターへ出店。路面店の単独店が多い「メガネスーパー」の店舗が少ないショッピングセンターでの主力出店フォーマットと位置付けた。
業態開発にあたり、45歳以上の年齢となると老眼となる人が多いことに着目した。若年層の多くが利用する遠視・近視・乱視用レンズは単焦点レンズで対応できるため、単一レンズによる低価格化が進んでいる。
近視の人で老眼が進むと、手元から遠くまで焦点が合う累進レンズが必要で、累進レンズはメーカーの加工が必要となり、ひとり一人のオーダーメイドとなり、価格競争を回避できるという。
老眼は45歳~50歳前後に自覚期があり、自覚期から50代に変動期があり、60代以降に安定期を迎える。若年に多い遠視・近視・乱視用レンズは一度作成すれば、頻繁にレンズの度数を変更する必要がないが、老眼の45歳以上の人は、安定期を迎えるまで、何度もレンズの度数を変更する必要があるという。
メガネには、視力矯正を行う医療器具とファッションという2つの側面がある。JINSやZoffなどの新興メガネチェーンは、ファッションを重視した「アイウェア」を打ち出し、単一レンズとのセット販売による低価格販売で売り上げを伸ばしてきた。
メガネスーパーは、視力矯正を行う医療器具というメガネの原点に立ち返り、「アイケアステーション」というコンセプトで、総合的なアイケアサービスを提供し、継続的に来店する固定客の獲得と価格競争からの脱却を狙う。
DOCKの開発責任者の束原俊哉取締役は「メガネ屋を訪れるお客さんは、そもそも眼に何か問題を抱えて来店される。見え方だけでなく、疲れ目などを含め、眼に関する問題解決を原点にサービスを構成した」と語る。
メガネの視力測定は、起床後の早朝に行うことが理想だが、実際に午前中に来店できないお客も多い。そのため、店内後方にリラクゼーションコーナーを設置。メガネを購入する場合は、10分間無料で施術をし、体調を整えた上で、視力測定を行う。
日本ではじめて眼精疲労治療室を開設したといわれる広島市の坪井眼科医院で、リラクゼーションの研修を受けた社員を配置し、眼精疲労に特化したサービスを行う。
15分1200円、20分2000円、40分3500円の有料コースも設け、メガネの購入だけでなく、ちょっとした体調不良でも立ち寄れる店舗を目指す。
眼とメガネの知識に精通したナビゲーターを配置し、店内中央に設置したパソコンなどを活用し、老眼など眼に関する病気やメガネの構造、手入れや修理などについての知識をお客に伝える。
メガネの素材によるかけ心地の違いも説明。メタルフレームでは、チタン、形状記憶合金、ニッケルクロム合金、プラスチックフレームでは、ベータプラ、TR-90、アセテートと6種類の素材の異なるメガネを用意し、実際のかけ心地を体験する。
束原氏は「これまで、熟練の販売員が持つ接客技術でお客に伝えるべきコンテンツがなかなか表現できなかった。40年におよぶメガネ販売で蓄積した接客経験で得たサービスを可能な限り表現した」と語る。
検査では、トータルアイフィッティングを提供。顔のサイズを測定する独自開発した「3Dフィッター」で、顔の幅、メガネのテンプルの耳までのかかり具合を計測。眼とレンズの距離の頂点間距離、レンズの傾斜やフレームのソリを測定する「マルチスケール」を活用し、最適なかけ心地のメガネフレームを提案する。
メガネは一般的にフレームが平らなことを前提に1.0の視力が出ることを前提としているが、デザイン性が高いフレームでは、傾斜やソリがある場合もあり、フレームに合わせたレンズ作成に役立てる。
疲れ目がひどい、見え方がいまいちという場合に、レンズの度数ではなく、焦点がずれている場合もあり、視力測定の要素のひとつとして、トータルアイフィッティングが大切になるという。
通常の視力測定のほか、立体的な見え方を判定する三桿計(さんかんけい)による検査も実施する。白い箱の中に3本の棒を設置し、真ん中の棒を前後させ、3本の棒をそろえることにより、立体的な見え方にあたる深視力を測定する。
自動車の大型免許や二種免許では、必要とされる検査だが、自動車教習所や免許センター以外では、検査することが難しい。メガネスーパーの本社がある小田原市では、ドライバーの平均年齢が58歳というタクシー会社もあり、タクシードライバーに向けた視力検査サービスも提供しているという。
また、ファッション性も面も重視した接客を実施。顔に合う形のフレームを選ぶ要素には顔の形とまゆげの形の2つが大きな要素としてあり、ナビゲーターが商品を提案する。
商品は店頭展示品のほか、メガネスーパーグループ全店の商品をインターネットを活用して販売。約3万種のメガネフレーム、約4800種類の高性能レンズ、約150種類のコンタクトレンズを提供する。
店内には、工房を設置し、単焦点レンズで店内加工で引渡しできる商品に対応し、30分程度で商品を即時に提供する。工房は店内から作業が見える形式を採用した。
顧客一人一人に「DOCKアイケアブック」を進呈。お薬手帳をイメージしたサービスで、視力測定の結果やメガネのメンテナンス履歴を記録、アイケアに関する知識も一緒に冊子形式でまとめた。
DOCKアイケアブックを通じて、メガネを販売したあとの商品と眼に対するアフターケアを行い、かかりつけの薬局のような顧客との関係を目指す。
主力商品と位置付ける累進レンズの商品は、メーカーがレンズを加工するため、引渡しまでに5日~1週間程度かかる。フレームにレンズが収まった状態で店舗に届くため、店頭では、フィッティングに注力したサービスができる。
通常のメガネ販売では接客時間が20分ほどだが、DOCKでは30~45分をかけて接客を実施。新規顧客では1時間の接客を想定する。来店客数は月間200人、平均客単価は3万円、月商600万円を目標とした。束原氏は、「アイケアを全面に打ち出した細かなサービスは人材育成も必要で、同業他社が簡単にマネできない」と語る。
2011年の日本の年齢別人口では、老眼がはじまる45歳以降の構成比が50%を突破した。45歳以上の通院者は、高血圧、眼の病気、腰痛、糖尿病、歯の病気、脂質異常(高コレステロール血症など)が上位を占める。
糖尿病やコレステロールについて関心は高いが、眼の病気は実際の通院頻度の割には高くない。アイケアに対する知識を伝えることで、メガネに対する隠れたニーズを引き出すことは十分に可能だという。
メガネスーパーは不採算店舗の閉店を終え、出店攻勢をかけている。今期は4月末までに25店の出店が決定している。5月以降の来期は、40店を出店する計画で、商業施設に20店、路面店を20店出店する計画だ。
DOCKは、主に商業施設での展開を計画するが、新規出店のうち何店をDOCKにするかは未定だ。商圏特性にあわせて、既存のメガネスーパーとDOCKの出店を使い分けていくという。
店舗概要
所在地:東京都白金台4-8-13
TEL:03-5447-7006
営業時間:10時30分~19時30分
店舗面積:約98㎡
定休日:年中無休
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