イオン/売上高3.9%減の3兆7278億円、当期損失99億円
2010年01月07日 / 決算
イオンが1月7日に発表した2010年2月期第3四半期決算によると、売上高は3兆7278億2200万円(前年同期比3.9%減)、営業利益560億1300万円(15.0%減)、経常利益541億400万円(20.3%減)、当期損失99億2600万円(前期は294億4500万円の当期損失)となった。
第3四半期では、プライベートブランド「トップバリュ」の価格競争力を高めた「ベストプライス byトップバリュ」の商品開発を進め、第3四半期では前年の約2倍の売上を記録した。なかでも880円の「ベストプライス by トップバリュ ジーンズ」は、販売開始から約4か月でグループでの販売本数が約100万本を達成した。「トップバリュ」は、新規商品の開発やリニューアルを進め、販売強化により売上高は3243億円、23.0%増となった。
一方、イオンリテールが運営するスーパーマーケット(SM)店舗とショッピングセンター(SC)の一部をマックスバリュ東海とマックスバリュ西日本へ事業譲渡した。2009年12月7日付で、自社とイオンリテールは、イオンリテールのSM事業を完全子会社として新設するマックスバリュ6社が承継する吸収分割契約を締結。今年2月21日に分割を実施する。これでイオンリテールは基幹事業としてのGMS事業に経営を集中する。
グループの電子マネー「WAON」は、「石見銀山WAON」、「めぐりんWAON」などを発行。吉野家の全国1000店への導入に先駆け、5月から沖縄県での利用を開始した。10月にはファミリーマートの全国7500店舗、ヤマト運輸の全国3900営業所にも導入された。これらが追い風となり、発行枚数、利用件数ともに伸長した。第3四半期末では発行枚数が期首より約440万枚増の約1210万枚、決済総額は約3700億円、利用可能店舗数は約4万1000店舗となった。
事業別の動向は、総合小売事業でGMS3店舗、SM57店舗、スーパーセンター2店舗を出店、GMS6店舗、SM25店舗を閉店した。海外ではGMS4店舗(中国、マレーシア各2店舗)、SM2店舗(香港、タイ各1店舗)を出店、SM1店舗(マレーシア)を閉店した。
国内のGMS事業は戦略的な低価格化を進め、イオンリテールのGMSの収益構造改革をマイカル、イオン九州などで展開。第3四半期の3か月間では、各社の経費削減への取組の効果が顕著となり、増益となった。イオンリテールの既存店売上高は、価格の引き下げによる客単価の低下や、天候不順の影響もあり、対前年同期比は6.28%減(内訳は衣料9.1%減、食品4.4%減、住居余暇7.7%減)となった。
反面ベビーやホームファッションなどの重点売場での商品価格見直しなどで、客数、買い上げ点数を大幅に伸ばした。インフルエンザ対策商品など品揃えとサービスの充実、880円の「ベストプライス by トップバリュ ジーンズ」などの発売で、既存店客数は前年同期を上回ったが、直営荒利益率は0.2ポイント下回った。既存店販管費は人件費、設備費などを計画以上に削減し、6.9%減となり、イオンリテールの第3四半期では増益となった。
マイカルでは既存店売上高は5.3%減。直営荒利益率はイオンの商品調達機能の活用、店ごとの品揃えの最適化による在庫効率の向上などで前年を若干下回る水準だった。既存店の活性化投資、システム運用費などが増加したため、第3四半期は減収減益となった。
SM事業では、商品価格を見直し、トップバリュやグループの共同調達商品の販売拡大を推進。より地域に密着した品揃えを進め、既存店買上点数は前年同期を上回った。既存店販管費は削減したが、計画的な出店による経費増加が影響し、国内のSM事業全では増収減益となった。しかしグループ共通インフラの活用推進など、売上総利益率が改善したこと、既存店販管費の削減強化と全体の経費コントロールが奏功したことで、増収と営業利益の増益を確保した。
ミニストップの業績は、国内では前期のtaspo稼動の反動減などで、既存店売上高は4.0%減にとどまった。海外では韓国ミニストップが出店を進め、現地通貨ベースでは増収増益だが、為替の影響などで連結業績は減収減益。一方グループのドラッグストア内に、コンビニエンスストア機能として「ミニストップサテライト」を6店舗開店しており、ドラッグストアのノウハウと商品開発力などを融合した新業態を確立する。
オリジン東秀では、売上は前年同期を下回ったが、グループ共同調達の活用での食材のコスト削減や販管費削減の継続により減収増益となった。
小型スーパーのまいばすけっとは、品揃えや人員体制の見直しを実施し、並行して60店舗を出店。総店舗数は89店舗(11月20日時点)となった。既存店売上高の伸び率は前期から大きく伸長した。
中国事業は低価格志向、「安全・安心」への関心の高まりに応える品揃えの充実を図った。マーケティング強化による品揃えの改善などにも取組んだが、新店に係る経費増、先行した低価格化の実行などで、第2四半期以降の既存店売上高は堅調だったが、連結業績への影響は増収減益だった。
アジアではイオンマレーシアの既存店業績が堅調で、新店売上の寄与もあり、現地通貨ベースでは増収増益。連結業績への影響は、為替変動で減収減益だった。
イオンタイランドは、曜日セールスの認知度アップや販売方法の改善などで既存店売上は堅調に推移。やはり為替変動で、連結業績への影響は減収減益だった。
専門店事業では、米タルボットの展開するタルボットブランドの既存店売上高は、現地通貨ベースで22.8%減となった。荒利益率は値入率の改善や在庫削減などにより9.8ポイント上回った。中国・アジア事業への経営資源の集中のため、タルボットとその子会社Tailor Acquisition, Inc.とBPW Acquisition Corp. の3社間で締結した合併契約にともない、子会社のイオンUSAが保有するタルボットの全株式をBPW Acquisition Corp.に譲渡し、両社がタルボットに保有する全債権の返済を受ける株式譲渡・債権回収に係る契約をイオン、タルボット、BPW Acquisition Corp.、イオンUSAを契約当事者として締結した。
国内ではコックス、ブルーグラスのアパレル専門店各社で厳しい売上となった。一方、未来屋書店、ペットシティの売上は堅調に推移し、国内専門店全体では増収減益を確保。第3四半期では、アパレル専門店各社での商品原価の削減や在庫圧縮、本部経費削減や不採算店舗閉店の取組で国内専門店全体では増収増益となった。
ディベロッパー事業ではイオンモールが2か所のSCを新設し、6か所の既存SCをリニューアルした。また事業基盤の拡充のため、商業施設の活性化ビジネスで東日本旅客鉄道と共同でJR土浦駅ビルの全館リニューアルを行った。中国事業では、前年11月に開店したイオン北京国際商城SCにシネマコンプレックスを導入した。新規SCの寄与や業務の効率化、経費構造の改善による販管費の削減などで連結業績は増収増益となった。
通期は売上高5兆2400億円超(0.2%超)、営業利益1300億円~1400億円(4.5%~12.6%増)、経常利益1300億円~1400億円(3.1%~11.1%増)、当期利益75億円~150億円を見込んでいる。
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