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花王/アジア向けなど好調で前年並み確保

2008年10月27日 / 決算

花王が10月27日に発表した2009年3月期中間決算によると、売上高は6579億500万円(前年同期比0.5%増)、営業利益547億4200万円(1.5%減)、経常利益549億8600万円(0.1%減)、当期利益323億9200万円(10.4%増)とほぼ前期並みとなった。

事業別の概況では、コンシューマープロダクツ事業の売上高が、1.4%減の5367億円。国内市場は、生活者の変化に対応した新製品の上市や、販売強化などに取り組み、売上高は0.2%増の4347億円と横ばい。アジア向けは現地流通との共同取り組みや日本との一体運営で売上高は1.5%増の427億円と好調に推移した。

欧米向けは、競争激化の影響などで売上高は10.6%減の682億円に終わり、営業利益は、売上低下と天然油脂など原材料価格上昇で427億円と前期を37億円割り込んだ。

ビューティケア事業の売上高は3.7%減の3001億円と落ち込んだ。国内売上高は1.2%減の2216億円で、プレステージ化粧品の売り上げは高価格帯のブランドが伸長したものの、中価格帯の市場が冷え込んだ影響で減少。

アジアでは、中国やインドネシアなどを中心に品揃えを充実させたことなどで順調に推移。欧米向けは、競争激化と為替変動の影響も受け減少した。営業利益は、花王ブランズ社買収時に発生したのれん、商標権に係る減価償却が終了して費用負担が軽減したものの、売上の減少で94億円と前期比5億円の減少。

ヒューマンヘルスケア事業の売上高は3.1%増の976億円と好調だった。国内向けの売上高は2.8%増の890億円で、フード&ビバレッジ製品では、競争激化で売上が減少した。サニタリー製品では、生理用品、ベビー用紙おむつで価格改定を実施し、売上を伸ばした。

アジアでは、生理用品が中国やタイで好調に推移し売上が伸長。営業利益は、原材料価格上昇に対応し入り枚数変更による実質値上げなどで70億円と前年を4億円上回った。

ファブリック&ホームケア事業の売上高は、0.9%増の1389億円とほぼ横ばい。国内売上高は0.8%増の1240億円で、衣料用洗剤の内容量の見直しによる実質値上げを実施したが、市場競争の激化などで売上は横ばい。アジアでは、「アタック」、「マジックリン」ブランドの強化で売上は伸長した。営業利益は原材料価格上昇の影響を大きく受け、262億円と前期を36億円割り込んだ。

ケミカル事業の売上高は、11.4%増の1409億円と大きく伸長。国内は13.2%増の699億円とこちらも好調。油脂製品と機能材料製品の値上げ実施、スペシャルティケミカルズ製品のインクジェットプリンターインク用色材や電子部品用洗浄剤の高付加価値化と販売数量増が奏功した。

アジアでは、売上高は26.1%増の428億円となり、油脂アルコールの値上げを行った。欧米でも、売上高8.4%増の537億円を記録した。営業利益は、値上げと販売数量増及びコストダウンなどにより、119億円と前期を30億円上回った。

通期も引き続き製品値上げなどに取り組み、売上高131億8500万円(0.9%増)、営業利益11億6200万円(0.6%増)、経常利益11億4200万円(0.7%増)、当期利益6億6500万円(3.7%増)を見込む。

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