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イオン/新ネットスーパーの物流施設を公開、ネットだからこその鮮度を提供

2023年07月10日 16:33 / EC

イオンは7月10日、新ネットスーパー「Green Beans(グリーンビーンズ)」の最先端のAIとロボティクス機能を導入した物流拠点「誉田(ホンダ)顧客フルフィルメントセンター(以下:CFC)」を報道陣に公開した。

<誉田CFC>
誉田CFC

イオンの実店舗が手薄な首都圏で、共働きの若いファミリーをメインターゲットとした「グリーンビーンズ」を同日から本格開始。グループ会社のイオンネクストが運営する。イオンと提携した英国テクノロジー企業Ocado Group plcの子会社である英国Ocado Solutionsと協働し、最新デジタル技術と機能を活用したCFC導入で、首都圏でのネットスーパー事業拡大を図る。

<グリーンビーンズはデジタルシフトの象徴と吉田社長>
吉田社長

イオンの吉田昭夫社長は「グリーンビーンズはイオングループのデジタルシフトの象徴ともいえる事業。オカドグループの最新技術を取り入れている。豊富な商品から自分ナイズされたお勧め商品をAIが提案する便利さ、徹底したコールドチェーンの管理で、ネットだからこその鮮度の良さを提供し、買物体験を変える」と意気込みを語った。

<オカドの技術で倉庫内と自動化>
オカドの技術
※イオンネクスト提供

配送対象地域は、東京都は新宿区、渋谷区、千代田区、中央区、大田区、千葉県では千葉市、船橋市、習志野市。今夏、東京都港区、目黒区、世田谷区、江東区、品川区、江戸川区、千葉県市川市、浦安市、四街道市、八千代市、神奈川県川崎市まで広げ、今後1年をめどに東京23区全域での配送を目指す。

誉田CFCをハブとし、首都圏に中継拠点を置き、きめ細かな配送を実現。現在、東京・平和島、川崎・高津に中継拠点があり、本年度中にさらに2つ増やす。将来的には誉田CFCをハブに、12~13の中継拠点を設ける計画だ。

<冷凍食品も配送>
冷凍食品も配送
※イオンネクスト提供

取扱品目は生鮮、ミールキット、冷凍食品、大容量パック、イオンのPB「トップバリュ」、日本各地の名産品、輸入食材、ベビー用品、医薬品(1~3類)、ペット用品など現在は約2万2000品目、2024年2月約4万品目、1年をめどに約5万品目に拡大する。通常のスーパー(約2万5000品目)にくらべ、2倍の商品を取り扱う見込み。

<ベビー用品もそろう>
ベビー用品もそろう

「グリーンビーンズ」は4月から会員を募集しており、スタート時は約1万人が会員登録している。今後、2026年の東京都八王子市のCFCについで、5年をめどに埼玉県にもCFCを開設。関東圏のサービスエリア拡大を図る。

イオンネクストの太田正道副社長は「現在、プレオープンした千葉市に加え、4月から会員を先行で募集しており、1万人以上が利用できる状態。3~5年で、5~7倍まで成長したい。5年後の埼玉CFC開設で(この事業規模を)実現する」と説明した。

<オカドの最新技術を取り入れた>
オカドの最新技術を取り入れた
※イオンネクスト提供

■ネットだからこその鮮度を実現

<ネットだからこその鮮度の良さを提供>
ネットだからこその鮮度の良さを提供

「ネットなのに新鮮?いいえ、ネットだから新鮮」をコンセプトに、1週間鮮度保証のキャベツ、レタスなど葉物野菜5~10品目を取り扱う。今後、通年で50品目程度の採用を想定している。

北から南まで全国に広がるグリーンビーンズ独自の農場ネットワークにより、「今こそおいしい産地」を選ぶ。収穫の際もおいしいものだけを選ぶ目利き基準を設け、鮮度よくおいしい野菜のみを選定する。

葉物野菜などは、常温に置くと呼吸が活発となり水分蒸発とエネルギーの消耗により、しおれる。通常のスーパーの青果売り場では、店舗までの配送、店頭での陳列、生活者が購入後、自宅まで運ぶ際にも、鮮度は徐々に落ちてしまう。

<「呼吸するパッケージ」を導入>
「呼吸するパッケージ」を導入
※イオンネクスト提供

グリーンビーンズでは、産地から倉庫までのリードタイムを可能な限り短縮し、配送時も低温を保つ。到着後も外気の温度に触れる時間を最小限にとどめ、三つの温度帯管理を徹底した倉庫に保管する。温度管理された荷室をもつトラックでコールドチェーンを保ち、高い鮮度を保つ工夫をしている。

<温度管理のための仕切り>
温度管理のための仕切り

野菜の特性に合わせ「呼吸するパッケージ」を導入した。

「呼吸するパッケージ」は、メーカーと仕様を徹底的に検証し、通常の市販品とは異なる特別仕様を採用している。

■オカドの最新技術使った自動倉庫

<入荷した商品を保管>
入荷した商品

倉庫内は、オカドの最新技術を取り入れ、自動化が進んでいる。注文が入ると、最大約1000台のロボットが秒速4mで移動し、生鮮食品、加工食品、日用品など商品の中から6分間で50個の商品をピッキング。ピッキングもシステム化されており、商品がつぶれたり傷んだりしないよう重いものや固いものを先に、また常温、冷蔵、冷凍の順番でピックアップするようプログラムされている。

<人間が配送用のトートに入れる>
人間が配送用のトートに入れる

<指示に従いピックアップ>
ピックアップ
※イオンネクスト提供

ロボットがピッキングしてきた商品を、人間が配送用のトートに入れる。入荷からピッキング、配送に至るまで、常温、冷蔵、冷凍の3温度帯管理を徹底し、鮮度を保って商品を届ける仕組みとなっている。

<鮮度を保って商品を届ける仕組み>
鮮度を保って商品を届ける仕組み

注文があった段階で、配送のルート計算が始まり、同じ地域でどれくらいの商品を購入され、どのように配車するのがもっとも効率的かをAIが最適化することで、配送効率が上がり、人気な時間帯でも多くの配送枠を提供可能だという。

■物流2024年問題を意識し、普免で運転できるトラック

<普免で運転できるトラック>
普免で運転できるトラック

物流2024年問題対応のため、トラックは普通運転免許で運転できる3.5トン車を導入している。現在60台、本年度240~250台まで増やす。今後、誉田CFC約200台、都内など中継拠点で約400台までの規模になる予定だ。

<ドライブレコーダーで管理>
ドライブレコーダーで管理

ドライブレコーダーも採用し、運転技術やマナーの向上につなげている。

ドライバーの8割が未経験からで、女性はドライバー全体の1割強だという。

温度管理のための仕切りをトラックに設け、運転席側は冷蔵・冷凍、後方は常温のスペースになっている。

■グリーンビーンズ
EC売り場:https://greenbeans.com/
レシピサイト:https://greenbeans.com/recipes
コンテンツサイト:https://service.greenbeans.com/media/

■誉田CFC
住所:千葉県千葉市緑区誉田町 ネクストコア千葉誉田区画内
敷地面積:7万2634.04m2
建築面積:3万3612.71m2
延べ面積:5万1584.20m2
構造:地上3階建て
従業員数:約700名
取り扱い数:約5万品目
配送エリア:千葉県、東京都 (一部エリア)

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