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イケア/「より個性を重視した提案」で部屋への満足度向上

2023年01月26日 16:00 / 販促

イケア・ジャパンは1月26日、店頭ディスプレイにおいて「より個性を重視した提案」をすることで、部屋への満足度を高めていく方針を発表した。同日、日本を調査対象に含む「Life at Home Report 2022」を発表し、調査レポートに基づく施策を打ち出した。

<自分らしさを重視したルーム提案>
自分らしさを重視したルーム提案

「Life at Home Report 2022」は、イケアが2014年から行っている家での暮らしに関する調査で、今年で9回目となる。2022年度は世界37カ国37,000人以上を対象に実施した。

今年の調査テーマは「アイデンティティ」で、家に自分らしさが反映されていると、家をもっと好きになる傾向があることを明らかにした。調査結果によると、家が自分のアイデンティティを反映していると感じる人は、家に対してポジティブな感情を持つ傾向が、そうでない人の1.5倍ある。

<自分の家に対して「昨年と比較してよりポジティブに感じる」か>
よりポジティブに感じる

世界では、58%の人々が家に対してポジティブな感情を持っていたが、日本では37%となった。また、世界では昨年よりも家に対してよりポジティブな感情を持ったが、日本では12%にとどまった。さらに、家がアイデンティティを反映していると感じるのに役立つ重要な要素について、日本では82%の人が「家で楽しむことが大切だ」と考えていたが、実際にそう感じている人は72%だった。

<家に自分らしさが反映されているか>
自分らしさ

日本での、家で感じるストレスのトップ3は「置き場所の定まっていないものがたくさんありすぎる」「整理されていないスペースや目的のないスペース」「家事をやらなければならない」となった。また、41%の人が、リアリティの感じられる家での暮らしをメディアが頻繫に取り上げているとは思わないと回答した。さらに、23%の人しか、住む全員のプライバシーが家の中で確保できていると思っていないことも明らかになった。

こういった調査結果を踏まえ、2023年のイケア・ジャパンでは「自分らしさ」を打ち出すディスプレイを展開している。春のテーマは「自分らしい新生活をはじめよう」で、店内各所のディスプレイに反映した。

<趣味を反映できるボード提案>
趣味を反映できるボード提案

例えば、自分の趣味を感じられるものを気軽にディスプレイできるボードや、室内でも気軽に自然を感じられるフェイクグリーンなどを提案した。渋谷店では、一部屋丸ごと提案するルームディスプレイで、渋谷の立地特性を踏まえて、洋服が好きなインスタグラマーをイメージしたルームセットを再現した。

<収納提案>
収納提案

また、家でのストレスとして収納の課題があったため、「見せる収納」と「隠す収納」を意識したディスプレイも展開している。

<サステナブルに暮らす提案>
サステナブルに暮らす提案

さらに、サステナブルへの関心が世界的に高まっているが、調査レポートによると、日本では、わずか12%の人しか、家はよりサステナブルな暮らしをするのに役立っていると感じていないことを受けた、ルーム提案も行った。簡単に明るさが調整できるLED照明などを展示することで、頑張りすぎないヘルシーリビング提案を行った。

<インテリアプランニングサービス>
インテリアプラニングサービス

そのほか、イケア・ジャパンでは、数年前から個人向けの「インテリアプランニングサービス」を実施している。1部屋あたり4900円の有料サービスで、イケアの商品に精通したインテリアデザインの専任アドバイザーが、約1時間でお客の好みを探り、適切な色・素材・収納などを見つけて提案する。これまでの実績では、引っ越しやリフォームのタイミングで利用するお客が多くなっているという。

<谷川さん(左)と小佐井さん(右)>
谷川さん(左)と小佐井さん(右)

イケア・ジャパンで消費者の購買行動の分析やリサーチを統括する小佐井彩Country Consumer&Customer Insights Managerは、「イケアでは、常に家でのニーズにアンテナを張っている。困っていることは何か、家の広さ、家族構成、年齢、性別、賃貸か持ち家かといった定量調査だけでなく、定量調査では分からない趣味のスペースやプライバシーについての課題について定性調査もすることで、より役立つ調査にしている」と語る。

また、売場のデザインや展示方法などを統括する谷川舞Country Home Furnishing&Retail Design Managerは、「イケア・ジャパンが日本上陸以来実施しているホームビジット調査は、定性的な調査で、データや平均値をみるのではなく、具体的な悩みや課題を聞くことによって、より具体的で真実味があり、共感できる提案を見出すことを目指している。今年は、個性を重視するほか、見せる収納、隠す収納をより分かりやすく提案したい」と述べている。

<店内のルーム提案の一例>
店内のルーム提案の一例

イケア・ジャパンでは、実際の暮らしのリアルな声から、不満や課題に向き合いポジティブなアプローチをすることで、「イケアは私のことを理解してくれている」と感じられる提案を目指すという。

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