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小田急百貨店/新宿店刷新、スイーツ・化粧品・ラグジュアリーで女性客に訴求

2022年10月04日 13:49 / 店舗レポート

小田急百貨店は10月4日、新宿店をリニューアルオープンした。

<小田急ハルクを新宿店に刷新>
小田急ハルクを新宿店に刷新

新宿駅西口地区開発計画による新宿店本館営業終了に伴い、新宿西口のハルクに売り場を再編。本館・ハルク合計から、新生新宿店の面積は2割程度に縮小し、メインは食・化粧品・ラグジュアリーブランドにMDを絞り込んだ。

<苦渋の決断でアパレルは取り扱わないと林取締役>
苦渋の決断でアパレルは取り扱わないと林取締役

同店店長の林幸一取締役は「新宿駅西口地区の再開発後、小田急百貨店が営業するかは全くの白紙で何も決まっていない。今回、ハルクの地下2階~地上2階、7階のコンパクトなフロアで展開する。面積に限りがあり、苦渋の決断で、アパレルは取り扱わないこととなった」と説明している。

リニューアルのテーマは、「Smart(スマート)」。新宿駅利用者・来街者、特に新宿周辺で働く女性をターゲットに「私のお気に入りがある店、行きたくなる場所」を目指す。

<スイーツと化粧品を同一フロアで展開>
スイーツと化粧品を同一フロアで展開

中心カテゴリーとなる「食品」「化粧品」「ラグジュアリーブランド」において、「デパートコスメ」と「スイーツ」をワンフロア展開とした買い回りしやすい地下1階の化粧品&和洋菓子売り場を新設した。林氏は「顧客の購入データを見ると、スイーツと化粧品を同時に購入している実態がわかった。買い物の利便性を高めるため、スイーツと化粧品を同一フロアでそろえた」としている。

<化粧品は46ショップそろう>
化粧品は46ショップそろう

化粧品売り場は、フレグランスやネイルサロンを含めたビューティーゾーンとして46ショップ(51ブランド)がそろう。閉店した本館に比べても約8割の規模で、女性だけでなく男性の美容もカバーできるよう、フレグランス、ヘアケアなどジェンダーレスブランドを拡充した。

スイーツは地下1階に約25ブランド和洋菓子の店がそろう。話題のカヌレも1個から、だんごも1串から購入でき、女性のご褒美需要を狙う。

<好調な高級ウオッチが充実>
好調な高級ウオッチが充実

また、コロナ禍前の2019年に比べても好調に推移しているラグジュアリー、高級ウオッチを1階に集積した。

イベントスペースを2・7階に設置

物販に止まらない「発見」「出会い」「体験」といったリアルコミュニケーションのためのイベントスペースを2階・7階に設置した。

<「グッチ」のポップアップショップ>
「グッチ」のポップアップショップ

2階はオープニングに「グッチ」のポップアップショップが登場している。7階のイベントスペースは「食品」「美容」「健康」を強化カテゴリーとし、近年トレンドの特化型のグルメ催事、女性の美と健康をテーマにした企画などを実施する予定だ。

<あんこにトキメク スウィーツ博>
あんこにトキメク スウィーツ博

10月4日~10日「あんこにトキメク スウィーツ博」を開催する。祝い事に欠かせないとされる「あんこ」にスポットをあて、王道から進化系まで約20ブランドが出店する。

地下2階は本館から総菜・弁当・パンを移設

<叙々苑 キッチン、キンタン イン ザ ハウス>
叙々苑 キッチン、キンタン イン ザ ハウス

地下2階は、これまでの生鮮食品を中心とした展開に加え、本館から総菜・弁当・パンなどのショップを移設し、あわせて45ショップを展開する。「食」へのこだわりや感度の高い人に向け、いつもと少しだけ違う日常を提供する。「西洋銀座」「キンタン イン ザ ハウス」が新宿地区初出店、「叙々苑 キッチン」を新規導入する。

地下1階はコスメとスイーツをワンフロアで展開

<卵の殻から生まれた壁紙などを使用したメイクアップソリューション>
メイクアップソリューション

地下1階の化粧品売り場は、「ジョー マローン ロンドン」、「アヴェダ」、「belif」がニューオープン。「フレグランス」をリニューアルした。

コスメのセレクトショップ「メイクアップソリューション」では、卵の殻から生まれた壁紙とタイルを使用した。

<おかし日和>
おかし日和

和洋菓子売り場は、定期的に内容を入れ替えながらおすすめスイーツを紹介する「おかし日和」コーナーも設置した。「おかし日和」では、ここでしか手に入らない「限定商品」の販売にとどまらず、「ブランドの垣根を越えた商品アソート」の展開も目指す。

オープン特別企画として、人気ブランドのクッキー缶をECで事前に注文・決済し、店頭で商品を渡す連携企画を行う。

<ピエール・エルメ>
ピエール・エルメ

百貨店は同店のみに出店する「銀座甘楽(かんら)」「深川伊勢屋」、そのほか「Made in ピエール・エルメ」を新規導入した。

1階に銀座・和光の新業態を導入

コロナ禍においても好調だった時計ブランドを、従来の時計売り場での展開からグランドフロアに移設しショップ化した。

<銀座・和光の新業態>
銀座・和光の新業態

「銀座・和光」の新業態を導入し、バッグ、ハンカチを販売する。銀座の代名詞ともいえる時計塔の外壁をイメージした什器を3Dプリンターで再現した内装を取り入れている。

時計だけでなくショップ内のインテリア、調度品も販売する「フランク ミュラー」、数百万円の万年筆など高級筆記具はもちろん、レザーグッズを展開する「モンブラン」、ブランド初となるレザーグッズオンリーショップ「ジョルジオ アルマーニ」など14ショップを集積している。

1階の外周には、「パリで最もおいしいクロワッサン」といわれるベーカリー「ゴントラン シェリエ」がオープン。新宿西口エリアで働く人をターゲットに、クロワッサンを中心に販売するほか、コーヒーも提供する。

<ゴントラン シェリエ>
ゴントラン シェリエ

また、新しいコンセプトの「有賀園ゴルフeStand+」を開設する。オンラインショップとのオムニチャネルにより在庫を共有し、ネットで選んでその場で購入できるサービスを導入した。

<有賀園ゴルフeStand+>
有賀園ゴルフeStand+

M2階のゴルフ売り場とともに、ハルクの強みだったゴルフアイテムを充実させている。

<M2階はゴルフウエア9ブランドを展開>
M2階はゴルフウエア9ブランドを展開

M2階はゴルフウエア9ブランドを展開している。

2階は、ハンドバッグ、婦人靴、婦人服飾雑貨が取り扱う。

13ブランドがそろうハンドバッグ売り場では、レザーマイスターが常駐してレザーケアのサービスを行うブティックなどが登場。婦人靴売り場の一部のコーナーでは、3D計測器による足型測定で顧客の足に合う靴を提案する。店頭にないデザインも購入することができる。

7階はギフトサロンなど再編

<ギフトサロン>
ギフトサロン

7階は、外商顧客やカード顧客に向けたサービス機能、イベントスペース、ギフトサロン、宝飾、メガネの売り場を再編した。

冠婚葬祭などフォーマルギフトだけでなく、誕生日や母の日・父の日などカジュアルギフトアイテムの品ぞろえを拡充した。

<商品ごとにQRコードを設置してECへ誘導>
商品ごとにQRコードを設置

商品ごとにQRコードを設置してECへの誘導を図り、商品の詳細やストーリーをEC上で紹介するなどのOMOの取り組みを行う。

<外商向けのサロン>
外商向けのサロン

さらに、面積を縮小した分、販売・接客のデジタル化を推進。新宿店、町田店、小田急百貨店ふじさわの対象ショップで取り扱いのある商品を電話で注文し、オンラインで決済できる「リモート注文サービス」と、ビデオ通話を通じて自宅などからも店頭同様に販売員の接客を受けられる「リモート接客サービス」を導入している。

■小田急百貨店新宿店
所在地:新宿区西新宿1-5-1
営業フロア:新宿西口ハルク 地下2階~地上2階、7階

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