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青山商事/EC売上比率50%目標ウィジェット型形態「スーツスクエア」開始

2022年10月06日 17:00 / 店舗レポート

青山商事は10月7日、さいたま市のJR大宮駅西口駅前に「SUIT SQUARE(スーツスクエア)」を初導入した「THE SUIT COMPANY大宮西口店」をオープンする。スーツスクエアは、スマホのホーム画面を自分用にカスタマイズさせるように、店舗ごとに地域特性に合わせたサービスを提供するウィジェット型形態の売場。リアル店舗とECサイトを連動させた売場展開と接客で、店舗のEC売上構成比50%を目指す。

<スーツスクエア>
スーツスクエア

スーツスクエアは、近年の働き方やライフスタイルの変化によるビジネスウェアの多様化に対応するための新コンセプト形態の売場。ザ・スーツカンパニー(TSC)事業部が展開する「THE SUIT COMPANY」、レディーススーツの「WHITE THE SUIT COMPANY」、「UNIVERSAL LANGUAGE」、オーダースーツの「UNIVERSAL LANGUAGE MEASURE’S」の4つのブランドを1店舗に集約したほか、店舗ごとで地域特性に合わせたサービスを提供するウィジェット型の店舗となる。また、大宮西口店では、多くのビジネスパーソンが利用するターミナル駅に隣接することから、店内に初めてWiFi環境を整えた無料のワークスペースを設けた。

さらに、店内には、デジタルとリアルを融合させた「デジラボ試着室」を設置。デジラボ試着室は、タッチパネル式の大型サイネージやタブレットを通じて、ECサイトや全国の店舗在庫と連動しているため、リアル店舗ならではのスタッフの細やかなサポートと、ECの豊富な在庫量により、ブランドの垣根を越えたさまざまなコーディネートが可能となる。

<デジラボ試着室>
デジラボ試着室

デジラボ試着室は、全4ブランドの在庫と連動しているECサイトとリアル店舗の接客サービスの両メリットを最大限に生かした独自システム。導入店の店内には、タッチパネル式の大型サイネージやタブレット端末を複数設置し、これらの端末を通じて、 ECサイトに加えて全国各ブランドの店舗在庫から好みの商品を選ぶことができる。また、店舗在庫をゲージ見本として試着や採寸が可能なため、実際の商品の色柄や着心地などを確認した上、販売員の接客を受けながら購入することができるのも特徴。

このシステムを利用して商品を購入すると商品は自宅に配送となるため、購入後は手ぶらで帰ることができ、後日店舗に商品を受け取りに行く手間も不要となる。現在、TSCでは6店舗で、デジラボ試着室を導入しており、導入店舗のEC売上比率は40%となっているという。

<河野事業本部長>
河野事業本部長

執行役員の河野克彦THE SUIT COMPANY(TSC)事業本部長は、「コロナ禍により、スーツを取り巻く環境は大きく変化している。22年前にTSCを開始した時は、一等立地の大型店にスーツ1500点を並べる施策が有効だったが、いまはそれほどの商品数は必要ではない。ECが進化しており、必ずしも店頭在庫を持つ必要はない。TSCでは、店舗とECの両方を利用する顧客の客単価は、どちらか一方を利用する顧客の約2倍となっている。一等立地という視点は継続しつつ、小さな店舗面積でも、多様な商品を提案・体験できる店舗形態を構築することで、賃料、人件費、店頭在庫を減らし、店舗運営の効率を上げる」と新形態の売場展開の狙いを説明した。

<商品ディスプレイ>
商品ディスプレイ

新しい「THE SUIT COMPANY大宮西口店」は、9月25日まで同じ大宮駅西口前で店舗面積約545.45m2で営業していた旧店舗を移転・縮小した店舗となる。新店舗の売場面積は約188.43m2で、旧店舗の3分の1の店舗面積となる。

現在、ECでは約5万点の商品を展開しているが、サイズ・色柄を除いた品番では、6000~7000品番を展開している。そのため、スーツスクエアでは、約6700品番の商品を店頭に展開する。店舗面積が限られるため、サイズ・色柄の違う商品の店頭在庫はないが、生地の質感やデザインをリアルで体験できる。

<オーダースーツの動向>
オーダースーツの動向

また、コロナ禍により、スーツは数を持つのではなく、高品質なスーツを数着持つという消費傾向がでてきている。これまでの伝統的なかっちり見えるウールスーツのほか、自転車移動も楽なアクティブスーツ、ON/OFFで着まわせるセットアップが人気を集めている。

コロナ禍が落ち着きある中で、スーツやオーダースーツの売上は回復傾向にあるが、特にオーダースーツは20代、30代といった若年層の支持を集めている。オーダースーツの販売構成比のうち約6割は、20代・30代となっている。TSCでは、その需要拡大に合わせてこの1年間に8店舗、オーダースーツ対応店舗を増やし、現在22店舗で対応する。

<1measure>
1measure

さらに、オーダースーツをより便利に利用してもらうため、アプリも導入した。オーダースーツアプリ「1measure」は、専用のタブレット端末で2枚の写真を撮影し、身長、体重を入力すると、それらの情報から採寸、3Dモデルの作成ができる。また、オーダースーツに必要なサイズデータとして、肩幅・首囲・裄丈・胸囲・ジャケットウエスト・パンツウエスト・ヒップ・総丈の8項目を入力し、バーチャル試着ができるようなアップデートを予定している。店頭では、実際のスーツ生地の質感やデザインを確認してもらい、アプリも活用した接客をすることで、オーダースーツの需要拡大に対応する。

<ワークスペースを導入>
ワークスペースを導入

そのほか、ターミナル駅で有料のワークスペースが増えていることに着目し、「THE SUIT COMPANY大宮西口店」内のスーツスクエアには、出張時や急な対応が必要になった際に利用可能な無料のワークスペースを設置した。コンセント、フリーWiFiを用意するなど、店舗営業中はいつでも利用ができる。

<スーツスクエアの展開イメージ>
スーツスクエアの展開イメージ

河野事業本部長は、「スーツスクエアは、店舗の坪数、立地特性、お客の分布にあわせて、店舗の中身を変えていく、業態可変のウィジェット型店舗として運営する。店舗によっては、洋服を販売する以外に、靴磨きを併設するといった取り組みもしたい。今後、TSCの通常店舗にスーツスクエアを導入する」と述べている。

■THE SUIT COMPANY 大宮西口店
所在地:埼玉県さいたま市大宮区桜木町1丁目1ー27 1階
電話番号:048ー647ー1522
営業時間:11時~21時
売場面積:約188.43m2

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