三菱地所/人形町に飲食店支援型の商業施設、年間15万人の集客見込む
2023年07月03日 18:02 / 店舗レポート
三菱地所は7月6日、東京・人形町に、都市型商業施設「M’s CROSS (エムズ クロス )」シリーズ3事例目となる「M’s CROSS 人形町」の1~5階飲食ゾーン「ハシゴ楼」をオープンする。3日マスコミ向け内覧会を開催した。
「M’s CROSS」シリーズは、駅近など商業施設としての立地のポテンシャルを重視し、狭小な敷地でも成り立つ都心型小型商業施設を目指している。
表参道で2件開発しており、人形町にて3件目。今回、建物オーナーである三菱地所が内装・内部造作のほとんどを負担、飲食店支援の新しい賃借スタイルをとった。
同社の河賢男氏は「開発計画が2019年にスタートしたものの、2020年からのコロナ禍で大幅に見直しせざるを得なかった。そこで、当初計画の1フロア・1テナントではなく、1フロアに複数テナントを誘致し、賃料も一部固定費以外、8~9割は売り上げ歩合性とした。オーナーとテナントが一心同体で、人形町を盛り上げていきたい。造作などの初期投資の回収は5年をめどとしている。1カ月1万2000~3000人、年間で15万人の利用を目指したい」と意気込みを語った。
今回、テナントは同社初の試みとして、全国から公募した。コロナ禍でも新規出店にチャレンジしたい全国の人気店、商業施設初出店の店舗など、和洋中に限らず幅広いジャンルの個性豊かなテナントがそろった。
敷地面積281.97m2、延床面積面積1980.14m2。各店舗は16.5m2~33m2、平均23m2程度となっている。
美しい自然の風景やそれを重んじる風流「花鳥風月」をフロアコンセプトに設定した。1階「序」明けの空、新たな空間と体験への幕開け、2階「花」華やか、さまざまな食文化と空間デザインの融合、3階「鳥」にぎやかさ、人が自然に集まり交流を生む演出、4階「風」風流、優雅で趣のある和のモダン空間、5階「月」月夜の心地よさ、しっとり落ち着いたムードにデザインしている。
1階は神田淡路町に次ぐ2号店として、ビアバー「スタンドクレイジークラフトビア」がオープン。全席スタンディング形式で、国内外日替わり樽生8種クラフトビール&国産レモンサワーが昼から楽しめる。150年続く老舗魚問屋直営の「月島もんじゃ もへじ人形町」も登場。スタッフが客席でもんじゃを調理して提供するスタイルとなっている。
2階は「鶏だしおでん かしみん」、酒のあてになる巻きずしの店「あて巻き寿司 きらきら」がオープン。3階は商業施設初出店の「おむすびとおばんざい 豆鈴」、「中華獅子林」がそろう。
4階には、神田御徒町を中心に都内で複数店舗展開し、注目の店舗。口コミサイトで評価の高い名店にも選ばれる「ガチ中華」の先駆け「味坊集団」が出店する。本場の中国・東北地方の料理を中心に「中華×ナチュールワイン」を楽しめる。長崎の酒と食材が楽しめる「長崎バル まうまう」は商業施設初出店となる。
5階は、カウンタースタイルの「すし 甚一」、高級部位を肩ひじはらない価格で提供する「タンとハラミ」、代々木公園初のフレンチ酒場「nanoru namonai」が出店する。「すし 甚一」は有名ガイドブックの評価を3年連続で獲得している、東京・初台の「すし 宗達」「すし 光琳」の姉妹店。
河氏は「縦に長い造りのビルなので、はしごを登るようにはしご酒を楽しんでほしい。テナントとともに、盛り上げる施策として、『ハシゴラリー』も実施する。各フロアで会計税込み1000円以上でもらえるハシゴチケットを2枚以上集めると特典を進呈する。賃料と売り上げが連動した施設なので、オーナー側のわれわれも一蓮托生(いちれんたくしょう)。人形町という歴史ある町の祭り・イベント、地元の人気店などともコラボレーションしていく。今後エムクロスは、飲食、サービスなど立地特性にあったテナントを誘致し、街ごとにコンセプトを変え発展させたい」と述べた。
■エムズクロス人形町
所在地:東京都中央区日本橋人形町1-19-5
交通:東京メトロ日比谷線「人形町」駅徒歩1分
構造・規模:S造、地上10階 一部地下1階建て
敷地面積:281.97m2
延床面積:1980.14m2
事業主:三菱地所
設計:IAO竹田設計
施工:村中建設
着工・完工時期:
2022年3月着工、2023年6月完工
総店舗数:18店舗(1階:3店舗、 2階:4店舗、 3階:4店舗、 4階:4店舗、5階:3 店舗)
営業時間:11時~23時(各店舗にて営業時間は異なる)
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