ニューバランス／久保田社長インタビュー、接客強化の新コンセプト店オープン

2023年12月08日 14:48 ／店舗レポート

ニューバランスジャパンは12月8日、新コンセプト導入店舗「ニューバランス吉祥寺」（東京都武蔵野市）をオープンした。9月に出店した「池袋パルコ」（東京都豊島区）の店舗同様、既存店に比べアイテム数を減らし、顧客とのコミュニケーションを強化する取り組みを行っている。サービス特化型フォーマットのフルスケール1号店と、今後の計画について久保田伸一社長に話を聞いた（取材は12月7日）。

＜久保田社長＞

――吉祥寺への出店経緯は

久保田 生活圏に近い地域密着型の商売をしたいと考え、原宿や銀座のような商業地区と比べて、生活と商売が一体化している吉祥寺を選びました。周辺は、商業地域がある中で、少し郊外に入ると完全な住宅地で広がり、井の頭公園や施設もあり、地域に深く根ざした立地です。住んでる方の年齢層も若い方から高齢の方までいますし、渋谷・東京にもすぐアクセスできます。

＜吉祥寺店入口＞

少し郊外型・生活密着型の物件を探す中でほかにも候補はあり、必ずしも吉祥寺でなければならないという訳ではありません。今回、とてもいい場所に出店でき、非常にラッキーでした。新店は、新コンセプトでしっかりできているとは思いますが、細かい修正は常に行っていくべきだと考えます。まずはしっかりと1カ月、2カ月、常にデータを見ながら直せるところは修正していきたいです。

――新コンセプトの売場について

＜店舗内装＞

久保田 既存フォーマットと比べて、アイテム数は3分の1以下（新店舗は318SKU）で、顧客としっかりコミュニケーションを取れる商品数に絞りました。価格帯は既存店とあまり差がありません。商品を絞った分、在庫を増やして欠品をできるだけ少なくし、売場効率も上げています。

――池袋パルコ店の現状を教えてください

＜「ニューバランス池袋 P’PARCO」内装イメージ＞

久保田 池袋店のオープン時に設定した目標はクリアしています。吉祥寺同様、従来の店舗と比べて展開のSKU数はかなり絞りこんでおり、しっかりした数字を出せる証明は、そこで既にできていると思います。

――今後の出店計画は

久保田 具体的にはまだ申し上げられませんが、現時点で数店舗進めています。大半の店は吉祥寺店と同様、新コンセプトがスタンダードになると思います。既存店全て、顧客の足のサイズを測って、フィッティングして納得頂いて、お買い上げ頂くというサービスを中心にやってきました。それをブランドの強みとして、より伸ばしていく考えです。

各地で想定される消費者を考えた中で、一番良いフォーマットを提供しようと思っています。

――出店場所はどこを考えていますか

久保田 主要都市と呼ばれる場所には大体、出店しているため、日本全国、関東関西の区切りはありません。今回のように消費者の生活圏に近い商業圏に出るとか、特定のカテゴリーに特化するならどこが適しているかなど、物件次第です。

――インバウンド需要はどう見ていますか

久保田 一次的には考えていません。お店の投資は5年、10年超と長期で考えますが、観光は必ずしも特定地域がずっと人気な訳でもないため、インバウンドターゲットは副次的です。原宿や新宿はインバウンド率が高いので、手堅い地域では狙いますが、それを狙った店舗投資はしません。

――いま一番売りたいアイテムは

＜アパレルに注力＞