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ハラカド/年間来館者数1000万人目標「リテールメディア」実装

2024年04月09日 16:55 / 店舗レポート

東急不動産は4月17日、東京・原宿の神宮前交差点に新しい商業施設「ハラカド」をオープンする。9日、開業に先駆けて報道向け内覧会を開催した。

「ハラカド」は、これまで様々なカルチャーを生み出してきた原宿・神宮前エリアが持つヒストリーや、SNSを通じて誰もが発信や自分なりの表現を行う現在の時代背景から、新しい体験価値を享受できる場所として、「商業施設」ではなく「創造施設」を目指す。

その実現のため、クリエイターを育成・支援・共創するプラットフォームや、リアルの価値を最大限活用する3種の新しい体験型メディアを実装し、チャレンジマインドあふれる個性豊かな75店舗を地下1階から屋上テラスまでの全フロアにそろえた。

<ハラカド>

東急不動産執行役員の黒川泰宏都市事業ユニット渋谷開発本部本部長は、「ハラカドでは、クリエイターを育成・支援・共創するプラットフォームの強化、新しい3つの体験型メディアの実装、継続的に発展していく新しい運営方式の導入を実施する。この3つの取り組みにより、ハラカドは、体験価値を享受できる場所として、商業施設ではなく創造施設として誕生する」と施設の特長を紹介した。

また、ハラカドの年間来館者数は1000万人を計画している。

<黒川本部長>

7階屋上テラスは、日本有数の人流のある神宮前交差点を舞台にできる体験型メディアと位置付けた。はす向かいにある、既存商業施設「オモカド」に設置した大画面ビジョンと連動し、音と映像が連動した体験型のコンテンツを提供する。

4月18日から21日は、世界的なスピリッツカンパニーの日本法人であるバカルディジャパンが、ウイスキーブランド「デュワーズ」のプレミアムイベント「ハラカド開業記念ルーフトップバーイベント」を開催する。

人々の「好奇心」を刺激し、新しい「発見」を届けたいというブランドコンセプトを体現するARを駆使したコンテンツなどを用意している。会場内でQRコードを読み取り、神宮前交差点を挟んだ「オモカド」に向けると、幻のデュワーズ橋が出現。そのほか、「ハラカド」開業を記念したカクテル「Heart of Catalyst」などのドリンクを販売する予定だ。

<7階屋上テラス>

2階には、日本出版販売の子会社ひらくが展開する雑誌の図書館「COVER」を誘致した。「COVER」は、新しい文化を創造・発信する商業施設「ハラカド」内にオープンする共用スペース。約3000冊の雑誌を読むことができ、新しい雑誌の楽しみ方を見つけられる企画展やフォトスポットを設け、紙の雑誌に新たな価値を発見できる仕掛けを展開する。

広告・イベントスペースとしても活用が可能で、雑誌と新たな接点を見つけることができる場となる。神宮前交差点からの視認性が見込める唯一無二の立地特性に加え、雑誌とのコラボレーションといった、「COVER」ならではの様々な展開が可能になっている。

4月18日から23日は、朝日新聞出版が主催する「週刊誌『AERA』 presents 雑誌のつくりかた 大解剖展」を開催。「COVER」内を巡ると、ショーケースでの展示や映像により、雑誌制作のフローが分かるような展示を行う。

1988年に創刊し、2023年には通刊2000号を突破した週刊誌には、どんな人がどんな工程で関わり、どんな思いでつくっているのか、雑誌にかける人の熱とともに、『AERA』の歴史が伝わるメモリアルな号を40冊展示し、同誌の魅力を伝える。

また、4月20日はファッション誌『Peche』、4月21日は『NYLON JAPAN』とのコラボレーションイベントを開催。モデルや雑誌編集者とのトークショーをはじめ、フォトブースや物販ブースを展開し、来館者に雑誌だけでは体験できない価値を提供する。

<2階COVER>

「ハラカド」地下1階の銭湯「小杉湯原宿」および湯上がりゾーン「チカイチ」(約499.17m2)では、“素”に出会える場所・“そのまま”でいられる場所という意味を込めて「素のまま、そのまま」をコンセプトに本質や素に出会い、浸かれる体験を楽しめるという。

オープン時は、このコンセプトに共感した花王が、小杉湯原宿との協業を通じて、清潔・清浄にまつわる様々な体験の場を創造し、積極的な情報発信をする。花王が創業以来販売を継続している「花王石鹸(現:花王ホワイト)」をテーマに、花王の「素」である清潔・清浄文化や歴史の世界を体験できる企画を実施する。

さらに、「アンダーアーマー」(ドーム)が、この原宿・渋谷のフィールドでスポーツのある日常と最新のテクノロジーを提供。「サッポロ生ビール黒ラベル」などを販売するサッポロビールは、湯上りのほか、どんな時にも立ち寄れて、素に浸れる完璧な生ビール体験を提案する。そのほか、美容健康ブランド「MYTREX」(SetsuPlanning)は、誰もがありのままになりゆっくりくつろぐこの心地よい空間で「MYTREX」と触れあい、セルフケア後の変化を実感できるとしている。

<チカイチ>

東急不動産では、2012年にハラカドのはす向かいに「東急プラザ表参道(現・オモカド)」を開業している。オモカドには、大きな飲食店は、スターバックスコーヒーとビルズの2店舗のみで、原宿エリアに夜遅くまで営業し、気軽に入れる飲食店が少ないという声があった。そのため、ハラカドには、5階、6階に飲食店を集積し、原宿エリアの飲食店需要に対応した。

<飲食店エリア>

さらに、7階の渋谷区所有床には、一般社団法人シブヤフォントによるダイバーシティ&インクルージョンを体現するギャラリー&イベントスペース「シブヤフォントラボ」を開設する。シブヤフォントは、アート・デザインを通じて障がいのある人と学生や企業・団体など今まで全く接点のなかった人々とのつながりを生み出してきた「シブヤフォント」(障がいのある人のアートやデザインを活用した書体やデザイン)を事業化し、運営する組織。

新たなラボでは、「ハラカド」に入居する店舗やクリエイターとも連携しながら、障がいのある人とそのコミュニティが、今までにない新たな交流を生み出し、障がいのあるなしに関わらず、誰もが“へんしん”できる場所として運営する。

<シブヤフォントラボ>

■東急プラザ原宿「ハラカド」
所在地:東京都渋谷区神宮前6-31-21
電話番号:03-6427-9634
店舗数:75店舗
営業時間:物販・サービス店舗11時~21時、飲食店舗11時~23時
共同事業者:東京地下鉄
運営者:東急不動産
※東急不動産SCマネジメント、東京地下鉄、コロンバン所有床含む
(同建物内に別途、渋谷区・邱プラン所有床あり)
竣工:2023年8月31日
開業予定:2024年4月17日
https://harakado.tokyu-plaza.com/

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