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大手百貨店/11月気温高く防寒着苦戦、三越伊勢丹前年並み、2社減

2018年12月03日 16:15 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、高島屋、エイチ・ツー・オーリテイリング、そごう・西武は12月3日、11月の売上速報を発表した。

<百貨店イメージ(日本橋高島屋)>
高島屋

既存店売上は、J.フロントリテイリング(大丸松坂屋百貨店)1.6%増、そごう・西武0.3%増は前年を上回ったが、三越伊勢丹は前年並み、高島屋0.5%減、エイチ・ツー・オー0.8%減とダウンした。

■三越伊勢丹(2018年3月期売上高:1兆2688億円)
首都圏既存店0.0%増、国内百貨店既存店計0.2%増だった。

伊勢丹新宿本店店頭は0.9%増、三越日本橋本店店頭は0.3%減、三越銀座店は0.7%増となった。

全国的に気温が高かったことでコートを中心に冬物婦人衣料品の動きが鈍かったものの、ラグジュアリーブランドや化粧品が売上を牽引。

国内百貨店の既存店売上、首都圏の三越伊勢丹の既存店売上ともに前年実績を上回った。

基幹店はラグジュアリーブランドやアクセサリー、化粧品が伸長し前年プラスとなった。

第一期再開発を行った三越日本橋本店は、昨年営業終了した三越千葉店関連の特殊与件に伴い前年実績を下回るが、特殊与件を除いた店頭売上はコンシェルジュサービスによる客単価上昇もあり堅調に推移した。

訪日外国人の増加に伴う客数増加によってインバウンド売上は堅調に推移。基幹店はやや落ち着きを見せるものの、福岡・札幌など地方での伸長が目立っている。

■J.フロントリテイリング(2018年2月期売上高:4699億円)
大丸松坂屋百貨店の売上高は1.6%増、博多大丸、下関大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の売上高は1.7%増となった。

11月度の百貨店事業の売上高は、前年に比べて休日が1日減だったが、訪日外国人客を含め化粧品、ラグジュアリーブランド、高級時計が好調を持続するとともに、食品では菓子が伸びたことにより、大丸松坂屋百貨店合計では1.6%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計では1.7%増となった。

店舗別では、東京店が27カ月連続で対前年プラスとなるなど、直営14店舗中6店舗が前年実績を上回った。

なお、大丸松坂屋百貨店の免税売上高(速報値)は、全店が17%増(客数27%増、客単価8%減)、関西4店舗の免税売上高は、18%増、札幌店は、20%増。

■高島屋(2018年2月期売上高:9495億円)
高島屋単体13店の売上高は0.5%減、岡山高島屋、岐阜高島屋、米子高島屋、高崎高島屋を含めた17店の売上高は0.5%減となった。

11月度の店頭売上は、高額品や免税売上が伸長したものの、コートやマフラーなどの防寒アイテムの動きが鈍かったことに加え、文化の日が土曜日に重なった影響などもあり、前年を下回った。

なお、免税売上は8.5%増だった。

店舗別売上は、大阪店・京都店・新宿店が前年比プラスだった。

地方郊外店では泉北店・大宮店・柏店・高崎店が 前年を上回った。なお、立川店・堺店・米子店は前年同月比で売場面積が縮小している。

日本橋店も、9月からレストラン街の運営を東神開発に移管したため、百貨店としての売場面積が縮小している。

商品別売上は、特選衣料雑貨(同社分類による17店舗ベース、以下同じ)が大きく売上を伸ばした。

婦人雑貨・宝飾品・食料品などが前年比プラスとなった。

一方で、紳士服・紳士雑貨・婦人服・子供服ホビー・リビングなどは前年に届かなかった。

■H2O(2018年3月期売上高:9218億円)
百貨店事業の全社計の売上高は0.8%減となった。内訳は阪急本店0.0%、阪神梅田本店11.0%減、支店計1.5%増。

気温が高く、コートやマフラーなどの冬物衣料や、防寒アイテムが苦戦。

また、食料品は、鍋用商材の動きが鈍いが惣菜の動きがよく、堅調に推移した。

阪神梅田本店は、第Ⅰ期棟オープン後、面積は2割減ながら、想定を上回るペースで好調に推移。名物催事の「大ワイン」は、国内産のワインを強化し話題となる。

さらに、初開催の「台湾フェス」がミレニアル世代の反応も良く、集客に寄与。

支店は12店舗中、5店舗が前年を上回った。特に、昨年秋の大規模リニューアル以降、博多阪急(10%増)は、継続的に広域からの集客力高く、充実した海外ブランドのジュエリー中心に好調だった。

阪急本店は、気温が高く、コートやマフラーなどの冬物衣料や防寒アイテムが苦戦するも、阪急うめだ本店独自のファッションイベントによる提案に注目が集まり、広域から幅広い世代の集客力が高まるなど婦人ファッション全体では堅調に推移した。

阪急メンズ大阪は、ファッション感度の高い顧客の購買意欲が継続的に高く、海外ブランドを中心に好調を維持。

インバウンドは、高額品のジュエリー・時計を中心に堅調に推移し、ほぼ前年並み。

100万円以上の高額品(0.1%減)は、前年に海外ブランドの大口実績があったものの、ジュエリーや時計が好調に推移し、ほぼ前年並みの売上となった。

■そごう・西武(2018年2月期売上高:7296億円)
そごう・西武15店の売上高は0.3%増、西武池袋本店は6.2%増となった。

祝日1日減の影響を受けつつも、宝飾・時計・美術などの高級雑貨や、ラグジュアリーブランドが好調を維持し、2カ月連続で前年を上回る結果となった。

免税利用客数、免税売上ともに前年並み。消耗品が好調に推移した。

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