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大手百貨店/5月売上高5社そろって大幅増、高額品・衣料品が好調

2022年06月01日 15:50 / 月次

J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武、三越伊勢丹ホールディングスは6月1日、5月の売上速報を発表した。

J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)前年同月比79.3%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)199.8%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)63.3%増、そごう・西武10店計33.6%増、三越伊勢丹(首都圏)103.1%増だった。

3年ぶりに行動制限のないゴールデンウイークで来店客数が回復。引き続き好調な高額品などがけん引し、各社の売り上げは前年を大きく上回った。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比83.5%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は79.3%増だった。

5月の売上高は、前年の臨時休業の反動や入店客数の回復もあり、全店舗が前年実績を上回り、大丸松坂屋百貨店合計(既存店)は86.2%増、関係百貨店を含めた百貨店事業合計(既存店)では81.7%増となった。

商品別では、ラグジュアリーブランドや美術・宝飾品が好調であったほか、食料品もゴールデンウィークの帰省土産を中心に売り上げを伸ばした。

大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高は225.6%増(客数214.6%増、客単価3.5%増)だった。

5月の大丸松坂屋百貨店の店計売り上げ(法人・本社等の本年・過去実績を除く既存店)は前年比89.2%増、2019年比13.1%減、うち国内売上高(免税売上高の本年・過去実績を除く)は前年比87.9%増、2019年比3.1%減。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全社計の売上高は、前年同月比199.8%増となった。内訳は阪急本店502.3%増、阪神梅田本店406.5%増、支店計65.0%増。

前年は、緊急事態宣言に伴う営業制限をしていた反動もあり、売上高は大幅に前年実績を上回った。3年ぶりとなる行動制限のないゴールデンウイークは、特に阪急・阪神両本店で、若年層やファミリー層を中心ににぎわいを見せ、キャリーケースを持つ顧客も多数見受けられたという。

4月末以降10日間の売上高は、ほぼ2019年並みにまで回復し、インバウンドを除く国内売上高は、2019年対比4%増と実績を上回り好調だった。特に、阪神梅田本店については、売上高・国内売上高ともに2割近く上回る結果となった。

インバウンドを除く国内売上高の2019年対比(月累計)は、3%増とコロナ前の水準を上回った。中でも、阪急・阪神両本店はそれぞれ13%増と、2ケタ増だった。

阪急本店は、ゴールデンウイークを中心に、購買意欲の高い顧客が多数来店。モード、ラグジュアリーファッション、アクセサリー、宝飾品が特に好調で、アイテムでは気温の上昇とともに、ブラウス、ブレスレット、帽子、サングラスなど季節商材の動きが堅調となっている。

また、サンダルが例年より早い動き出しを見せている。

今回、母の日がゴールデンウイーク最終日ということで、一緒に外出や食事という顧客も多く、ギフトの価格帯が二極化。一方、食品は手土産とギフト、両方の需要をくみ取り活況だったという。

例年5月に開催している人気催事「ワールド・ティー・フェスティバル」が3年ぶりのリアル開催となり、連日幅広い年代層が来場。有料のセミナーも全て満席と盛況で、目標売上高も大幅に上回る結果となった。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比66.6%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は63.3%増(2019年同月比6.7%減)となった。

5月の店頭売り上げは、前年度の一部店舗における生活必需品売り場を除いた休業の反動や、外出機会の増加に加え、高額品が引き続き好調に推移したことから、前年実績を上回った。

免税売り上げは5.5%増(同77.6%減)、免税を除いた店頭売り上げは62.6%増(同0.1%増)だった。

店舗別売上は、全店が前年実績を超えている。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)では、全商品群が前年実績を上回った。

前年度の店舗別休業日数(生活必需品売り場を除く)は大阪店、堺店、泉北店、日本橋店、新宿店、玉川店、立川店各31日間、京都店17日間、岡山店5日間。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比33.6%増(2019年同月比4.4%減)、西武池袋本店は83.7%増(同0.7%増)となった。

5月の売り上げは全店計で8カ月連続で伸長。全領域で前年売り上げを大きく超えて推移した。高級雑貨が約85%増、プレステージブランドが約55%増と引き続き全体をけん引したほか、衣料品計でも約50%増と、外出機会の増加を受けコロナ前の売り上げ水準まで復調した。

免税売上高は約50%減(2019年同月比約85%減)、客数約0.0%(同約95%減)となっている。

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比123.1%増、三越日本橋本店店頭101.9%増、三越銀座店134.4%増などで、三越伊勢丹計103.1%増だった。

札幌丸井三越50.7%増、函館丸井今井5.1%増、仙台三越13.5%増、名古屋三越15.7%増など、国内グループ百貨店計は27.7%増となり、国内百貨店計は64.3%増となっている。

前年の休業反動の影響などが大きかった首都圏三越伊勢丹が中心となって売り上げをけん引し、国内百貨店計で売り上げは64.3%増だった。特に、伊勢丹新宿本店は前月同様にコロナ前の実績を高水準で上回るほか、国内グループ百貨店計の売り上げは4カ月ぶりに2ケタ増で復調基調にあるという。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、引き続きラグジュアリーブランド等の高付加価値な商品への購買意欲が高く、宝飾・時計・ハンドバッグ・財布はコロナ前水準比でも2ケタ増となっている。

前月に続き外出機会の増加から購買意欲は高く、夏物衣料や服飾雑貨が好調に推移している。

免税売り上げは、首都圏三越伊勢丹計、国内百貨店計ともに前年実績を上回った。

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