大手百貨店/12月売上高5社そろって増、年末年始需要が好調
2023年01月04日 16:51 / 月次
三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は1月4日、2022年12月の売り上げ速報を発表した。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 14.6%増 |
J.フロントリテイリング | 8.6%増 |
H2Oリテイリング | 10.2%増 |
高島屋 | 4.6%増 |
そごう・西武 | 1.6%増 |
三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比14.6%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)8.6%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)10.2%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)4.6%増、そごう・西武10店計1.6%増だった。
クリスマスケーキや帰省土産用の菓子など季節商品が売り上げを伸ばした。また、ラグジュアリーブランドのニーズも継続し、売り上げを押し上げている。
■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比18.7%増、三越日本橋本店店頭9.6%増、三越銀座店23.0%増などで、三越伊勢丹計14.6%増だった。
札幌丸井三越8.0%増、函館丸井今井0.6%増、仙台三越0.1%増、静岡伊勢丹0.8%減、名古屋三越1.1%減、松山三越13.9%減など、国内グループ百貨店計は0.2%増となり、国内百貨店計は8.6%増となっている。
首都圏三越伊勢丹を中心に引き続き付加価値の高い商品の売上が牽引した。伊勢丹新宿本店は2022年4月以降、9カ月連続で2018年を上回る実績で推移をしている。
クリスマスや年末のオケージョンニーズも高く、ハンドバッグや宝飾、和洋菓子が売上を押し上げた。伊勢丹新宿本店では、好調な冬物に加えてラグジュアリーブランドやデザイナーズブランドを中心に春の新作が好調に推移。独自性の高いイベントも継続して売上を下支えしている。
免税売上は10月の入国制限の緩和以降、首都圏店舗を中心に回復傾向が続き、非免税売上と同様にラグジュアリーブランドのハンドバッグや衣料品、宝飾時計を中心に高付加価値なアイテムへの関心が高いという。
■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比9.5%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は8.6%増だった。
12月度の売上高は、ラグジュアリーブランド、宝飾品が引き続き好調であったことに加え、婦人アパレルや菓子・総菜などクリスマス、年末年始に関する売上も伸長した。
大丸松坂屋百貨店合計(既存店)の免税売上高は979.7%増(客数4408.0%増、客単価76.0%減)となっている。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比10.2%増となった。内訳は阪急本店9.0%増、阪神梅田本店29.9%増、支店計7.4%増。
新型コロナウイルス感染者数の増加傾向は継続するも、来店客数は堅調に推移し、売上高は前年実績を大幅に上回った。
売上高の2018年対比は2%増、インバウンドを除く国内売上高対比も2%増と、ともに今月もコロナ前水準を上回った。中でも阪急本店は2018年対比4%増(同国内売上高対比5%増)、阪神梅田本店は11%増(同13%増)と牽引している。
免税売上高は、今月も韓国・香港・台湾からの購入がコロナ前を大きく上回り、全体として2018年対比で90%上回る水準で推移している。
お歳暮ギフトについては、ネット受注は前年の売上高実績を上回ったが、店頭が苦戦し、全体として実績を下回る結果となった。一方、クリスマスケーキは売上高前年比14%増、おせち料理は0.0%と堅調だった。
阪急本店は、10月以降、3カ月連続で過去最高の売上高を達成(同月対比)した。
12月中旬以降、最高気温が10度を下回る本格的な気温の低下もあり、婦人・紳士ファッション全般の売上高が伸びている。
コート、ニット、ショートブーツ、素材感のある雑貨がけん引。ラグジュアリーファッションでは、2023年春夏の新作にも動きが見られたという。
平日は男性客の回遊も多くなり、また自分へのごほうびギフトなどクリスマスギフトが活況で、バッグ、革小物、アクセサリー、宝飾品が好調に推移した。行動制限がなく、外出機会の増加も背景に、フレグランスなども好調だった。ギフト需要
は3万円以下と10万円以上で二極化の傾向だとしている。
■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比4.9%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は4.6%増となった。
12月度の店頭売り上げは、ラグジュアリーブランドを中心とした高額品が好調であることに加え、訪日外国人の増加による免税売上の押し上げ効果もあり、前年実績を上回った。
店頭売り上げは前年比4.6%増(2019年比0.1%減)、免税売り上げは前年比366.9%増(2019年比9.8%減)、免税を除いた店頭売り上げは前年比0.7%増(2019年比0.5%増)だった。
店舗別売上では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、立川店、岐阜店が前年実績を上回っている。
商品別売上(同社分類による15店舗ベース)では、紳士服、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、スポーツ、食料品、食堂が前年実績を超えた。
■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比1.6%増(2019年同月比3.8%減)、西武池袋本店は3.2%増(同0.6%減)となった。
12月の売り上げは全店計で15カ月連続で前年を超えた。
プレステージブランド(約15%増、19年同月比35%増)は好調を継続。衣料品トータルでも前比約5%増、2019年比約0.0%と堅調に推移している。
また、食品についても、クリスマスケーキや帰省土産用の菓子など季節商品が売上を伸ばしコロナ前の水準を上回った。
免税売上高は約130%増(2019年同月比約40%減)、客数約1215%増(同40%減)となっている。
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