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大手百貨店/11月売上高5社そろって増、インバウンドが回復

2022年12月01日 14:05 / 月次

三越伊勢丹ホールディングス、J.フロントリテイリング、エイチ・ツー・オーリテイリング、高島屋、そごう・西武は12月1日、11月の売り上げ速報を発表した。

社名 売上高前年同月比
三越伊勢丹 15.2%増
J.フロントリテイリング 9.0%増
H2Oリテイリング 11.0%増
高島屋 5.8%増
そごう・西武 2.0%増

三越伊勢丹(国内百貨店計)前年同月比15.2%増、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)9.0%増、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)11.0%増、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)5.8%増、そごう・西武10店計2.0%増だった。

10月の入国制限の緩和以降、インバウンドが回復、衣料品・高額品も堅調で5社そろって、売上高が前年同月を上回った。

■三越伊勢丹HD(2022年3月期売上高:4183億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比21.4%増、三越日本橋本店店頭7.6%増、三越銀座店25.0%増などで、三越伊勢丹計15.2%増だった。

札幌丸井三越4.6%増、函館丸井今井4.8%減、仙台三越8.0%減、静岡伊勢丹1.7%減、名古屋三越1.5%増など、国内グループ百貨店計は0.7%増となり、国内百貨店計は9.4%増となっている。

好調な高額品消費が継続したことに加え、免税売上の増加により、首都圏三越伊勢丹を中心に売上が伸びている。

伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では、ラグジュアリーブランド等の高付加価値な商品の購買意欲が引き続き高く、宝飾、時計、ハンドバッグなどが好調を維持。また、伊勢丹新宿本店では、婦人のコート・ジャケットなどの重衣料の購買も伸長したほか、独自性の高いイベントが売上を下支えしたという。

免税売上は10月の入国制限の緩和以降、首都圏店舗を中心に回復傾向を見せ、ラグジュアリーブランドの衣料品、宝飾、時計、ハンドバッグを中心に 好調で、伊勢丹新宿本店・三越日本橋本店では2018年実績を上回っている。

■J.フロントリテイリング(2022年2月期総額売上高:8752億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比9.5%増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は9.0%増だった。

11月度の売上高は、ラグジュアリーブランド、美術宝飾品が大きく売上を伸ばしていることに加え、免税売上も前年の7倍となり好調に推移していることから、前年同月を超えた。

大丸松坂屋百貨店合計(既存店)の免税売上高は635.7%増(客数3212.9%増、客単価77.8%減)となっている。

■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2022年3月期売上高:5184億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比11.0%増となった。内訳は阪急本店11.4%増、阪神梅田本店48.7%増、支店計3.6%増。

11月に入り新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向に転じたが、来店客数は堅調に推移し、売上高は前年実績を大幅に上回った。中でも都心店の売上高合計は、両本店が牽引し、好調だった。

売上高の2018年対比は1%増、インバウンドを除く国内売上高対比2%増と、ともに今月もコロナ前水準を上回っている。

中でも阪急本店は2018年対比8%増(同国内売上高対比9%増)、阪神梅田本店は9%増(同12%増)といずれも約1割増の伸びを示した。免税売上高は、韓国・香港・台湾からの購入がコロナ前を大きく上回り、2018年対比で約9割にまで回復している。

阪急本店は、10・11月と2カ月連続で過去最高の売上高を達成した。

秋冬商品の実需期を迎え、化粧品も含め婦人ファッション全般の売上高が前年2桁増と伸びた。

中でも、ラグジュアリーファッション、アクセサリー、バッグなどの売上高は前年の2割増を超えている。高感度なファッションイベントも奏功し、コート、ニット、ジャケット、ロングブーツが継続して好調で、人と会う機会の増加も背景に、ドレスにも動きが見られたという。

バッグ、帽子などでは、素材感のあるものが人気だった。

アクセサリー、宝飾品では、クリスマスギフトの下見の来店者が増えてきている。また、クリスマスケーキの受注は、前年に対して売上高が約1割増で推移し、パーティーを想定した大きいサイズのホールケーキが好調だった。

宝飾品の売上高は前年の約1.5倍で、100万円以上の高額品の売上高も約1.5倍に伸びた。

■高島屋(2022年2月期営業収益:7611億円)
高島屋各店計売上高は前年同月比6.5%増、岡山高島屋、岐阜高島屋、高崎高島屋を含めた各店・および国内百貨店子会社計は5.8%増となった。

11月度の店頭売り上げは、高額品が好調であることに加え、入国規制緩和に伴う免税売上増加により、前年実績を上回った。

店頭売り上げは前年比5.8%増(2019年比0.5%増)、免税売り上げは前年比320.9%増(2019年比20.7%減)、免税を除いた店頭売り上げは前年比2.1%増(2019年比1.8%増)だった。

店舗別売上では、大阪店、京都店、日本橋店、横浜店、新宿店、玉川店、大宮店、高崎店が前年実績を上回っている。

商品別売上(同社分類による15店舗ベース)では、紳士雑貨、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、スポーツ、食料品、食堂が前年実績を超えた。

■そごう・西武(2022年2月期営業収益:4568億円)
そごう・西武10店の売上高は前年同月比2.0%増(2019年同月比3.9%減)、西武池袋本店は6.2%増(同0.5%増)となった。

11月の売り上げは全店計で14カ月連続で前年を超えた。

プレステージブランド(約20%増、19年同月比50%増)および高級雑貨(10%増、同30%増)は好調を継続。衣料品トータルでも前比約5%増、2019年比約0.0%と堅調に推移した。

免税売上高は約75%増(2019年同月比約45%減)、客数約900%増(同50%減)となっている。

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