大手百貨店／8月売上高J.フロント6.9％増、H2Oは5.0％増
2025年09月02日 14:23 ／ 月次
百貨店4社が発表した8月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比0.9％減、J.フロントリテイリング（百貨店事業合計）6.9％増、エイチ・ツー・オーリテイリング（阪急阪神百貨店全店計）5.0％増、高島屋各店計（国内百貨店子会社含む）6.6％増だった。
| 社名 | 売上高前年同月比 |
| 三越伊勢丹 | 0.9％減 |
| J.フロントリテイリング | 6.9％増 |
| H2Oリテイリング | 5.0％増 |
| 高島屋 | 6.6％増 |
各社ともに国内顧客が堅調に推移。インバウンド顧客の高額品消費の落ち込みをカバーした。三越伊勢丹HDは、伊勢丹新宿本店のお得意様招待会の開催が9月にずれたことなどから、前年実績を若干下回った。
■三越伊勢丹HD（2025年3月期売上高：5555億円）
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比7.9％減、三越日本橋本店店頭9.2％増、三越銀座店8.2％増などで、三越伊勢丹計0.9％減だった。
函館丸井今井6.9％減、仙台三越2.8％増、新潟三越伊勢3.0％増、静岡伊勢丹3.0％増、名古屋三越1.8％減、高松三越5.0％増、岩田屋三越9.9％増など、国内グループ百貨店計は3.8％増、国内百貨店計は0.7％増となっている。
売上高の中核である識別顧客売り上げが堅調に推移。人とデジタルでつながった顧客への提案が進化し、引き続き強い支持を受けている。相対的にシェアは高くないものの、海外顧客売上高についても順調に回復しているという。
伊勢丹新宿本店でのお得意様招待会「丹青会」の会期ズレによる影響で、同店は前年を下回った（2025年は9月5日～7日、2024年は8月30日～9月1日に開催）。
そのほか、「Disney THE MARKET 2025 in 日本橋三越本店」、「SHINJUKU ART WEEK ブルーロック×伊勢丹」などのイベントが好評だった。
■J.フロントリテイリング（2025年2月期売上高：4418億円）
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比6.4％増、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は6.9％増だった。
8月は、後半も高い気温が続いたことにより、ブラウスなどの衣料品を中心に盛夏商品が好調だったことに加え、訪日外国人売り上げが前年実績を上回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高（速報値）は、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品の売り上げが前年を下回るなど客単価が低下したものの、化粧品などが好調で、6.7％増、客数24.9％増、客単価14.6％減となっている。
店舗別では、15店舗中9店舗が前年を上回った。梅田店が3割増のほか、免税売り上げが好調な心斎橋店、神戸店が前年比プラスとなった。
■エイチ・ツー・オー リテイリング（H2O）（2025年3月期売上高：6817億円）
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比5.0％増となった。内訳は阪急本店3.1％増、阪神梅田本店18.3％増、支店計4.0％増。
8月は阪急本店の改装による売り場閉鎖の影響があるものの、好調な国内売上高がカバーした。
全店として、3月に前年の売上高を下回って以降、5カ月ぶりに前年実績を上回った。
阪神梅田本店は改装以降、導入したファッションブランドと大型専門店が好調に推移。ファッションとライフスタイルの売上高は3割増、店舗全体の売上高も2割増と伸びた。
5月にリニューアルオープンした川西阪急スクエアの売上高も、1割増となっている。
阪急本店は、国内売上高は前年を上回り好調。免税も、海外VIP顧客の売上高が約2割増とけん引し前年に近い水準まで復調した。
同月として過去最高の売上高を更新している。
毎年好評の、人気キャラクターとコラボレーションした全館連動イベントを8月13日から2週間開催。広域からの売り上げ獲得と改装に伴う9階の売り場面積縮小を補うため、特にECを強化したという。
また、阪急オリジナル商品も全館で約80のブランドが参加し、過去最高だった前年の売上高を上回った。
■高島屋（2025年2月期営業収益：5750億円）
高島屋各店計は6.6％増、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は6.6％増だった。
免税売上高9.8％減となっている。
免税を除いた店頭売上高は9.3％増となっている。
国内顧客は食品・夏物衣料・雑貨が堅調に推移。新規催事により客数も増加した。
インバウンド顧客は化粧品、婦人服、スポーツ用品は増加したものの、ラグジュアリーブランドなど高額品が伸び悩み、前年実績を下回った。
店舗別売上高は、大阪店、京都店、泉北店、日本橋店、横浜店、玉川店、大宮店、柏店、EC店、岡山店、高崎店が前年実績を超えた。
商品別売上高（同社分類）は、紳士服、婦人服、婦人雑貨、特選衣料雑貨、宝飾品、呉服、子供情報ホビー、スポーツ、リビング、美術、食料品、食堂、サービスが前年実績を上回っている。
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