大手百貨店/7月売上高三越伊勢丹5.2%減・H2O8.8%減、免税売上が低調
2025年08月01日 16:44 / 月次
百貨店4社が発表した7月の売り上げ速報によると、三越伊勢丹ホールディングス前年同月比5.2%減、J.フロントリテイリング(百貨店事業合計)2.0%減、エイチ・ツー・オーリテイリング(阪急阪神百貨店全店計)8.8%減、高島屋各店計(国内百貨店子会社含む)6.6%減だった。
各社で、前年まで好調だった免税売上高が低調に推移している。
社名 | 売上高前年同月比 |
三越伊勢丹 | 5.2%減 |
J.フロントリテイリング | 2.0%減 |
H2Oリテイリング | 8.8%減 |
高島屋 | 6.6%減 |
■三越伊勢丹HD(2025年3月期売上高:5555億円)
伊勢丹新宿本店店頭前年同月比7.3%減、三越日本橋本店店頭1.1%増、三越銀座店7.6%減などで、三越伊勢丹計5.2%減だった。
函館丸井今井9.5%減、仙台三越4.7%減、新潟三越伊勢1.1%増、静岡伊勢丹6.8%減、名古屋三越2.5%減、高松三越0.4%増、岩田屋三越7.9%減など、国内グループ百貨店計は5.8%減、国内百貨店計は5.4%減となっている。
国内顧客は識別化が進み、高付加価値商品への関心が高く、ラグジュアリーブランドを中心に秋物アイテムが好調だという。
晴天が続き気温が上昇したことで、カットソー、ブラウス、パンツ、化粧品のUVや美白アイテムなどのニーズが高まった。
また、独自イベント開催により、新規来客促進を図った。
■J.フロントリテイリング(2025年2月期売上高:4418億円)
大丸松坂屋百貨店合計の売上高は前年同月比0.6%減、博多大丸、高知大丸を含めた百貨店事業の合計売上高は2.0%減だった。
7月は、外商売り上げが好調に推移し、美術、時計などが前年実績を上回ったものの、クリアランスセールの売り上げが縮小したことや、訪日外国人売り上げが前年実績を大きく下回った。
大丸松坂屋百貨店合計の免税売上高(速報値)は、化粧品を中心とした消耗品が前年を上回ったが、ラグジュアリーブランドなどを含む一般品の売り上げが前年を下回るなど客単価の低下により、30.1%減、客数3.1%減、客単価27.8%減となっている。
店舗別では、15店舗中5店舗が前年を上回った。免税売り上げが好調な梅田店のほか、名古屋店が改装効果などにより対前年プラスとなった。
■エイチ・ツー・オー リテイリング(H2O)(2025年3月期売上高:6817億円)
百貨店事業の全店計の売上高は、前年同月比8.8%減となった。内訳は阪急本店13.4%減、阪神梅田本店7.5%増、支店計5.7%減。
7月は免税売上高が、前年好調の反動により、前年比約4割減と3月以降苦戦している。
全店として食品の売り上げは安定的に推移し、郊外店の売上高合計は前年実績を上回った。
阪神梅田本店は改装以降、導入したファッションブランドと大型専門店が好調に推移している。ファッションとライフスタイルの売上高は2割増、店舗全体の売上高も1割増と伸びている。
5月にリニューアルオープンした川西阪急スクエアの売上高も、1割増と好調だった。
中元は、マーケットが縮小。ビール、飲料、そうめんは苦戦したが、アイスデザート・ケーキ、果物を使った洋和菓子などこだわり商品が伸びた。
阪急本店は、免税売上高が約4割減。来春完成予定のリニューアル工事による売り場閉鎖も影響し、全体で前年売上高を下回っている。
商品ではパラソル、帽子、美容液が伸びた。
■高島屋(2025年2月期営業収益:5750億円)
高島屋各店計は3.8%減、岡山高島屋、高崎高島屋を含めた国内百貨店計は6.6%減だった。
免税売上高33.0%減となっている。
免税を除いた店頭売上高は2.0%減となっている。
店舗別売上高は、玉川店、EC店、高崎店が前年実績を超えた。
商品別売上高(同社分類)は、宝飾品、食堂が前年実績を上回っている。
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