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西武渋谷店/新業態のメディア型OMOストア、社会課題テーマの次世代店舗

2021年08月27日 15:20 / 店舗

そごう・西武は8月27日、西武渋谷店に9月2日にオープンするD2Cブランドを集めたメディア型OMOストア「CHOOSEBASE SHIBUYA(チューズベースシブヤ)」の詳細を発表した。

<展示ブース>
展示ブース

同店は、ミレニアル世代やZ世代の関心事である社会課題をテーマに設定し、テーマに寄り添った商品やブランドが編集されたストア。半年ごとに注目すべき編集テーマを設け、共感するブランドをパートナーとして、更新され続ける実験的な店舗づくりに挑戦する。

店頭・EC・メディアを横断して、つねに新しい出会いと学びのある購買体験を提供。「モノを買う」のではなく、「気付き」「賛同」「応援」を入り口に、「意味に出会い、意志を買う」という次世代の店舗のあり方を提案するという。

<「I DISPLAY music」のブース>
「I DISPLAY music」のブース

会場は4つのエリアで構成し、会場内には国内唯一となるAdoも参画するGoogleの新プロジェクト「I DISPLAY music」の体験ブースを設置。展示室エリアでは、展示商品をスマホ上の買物バッグへ追加し、それをカウンターにて掲示することで決済手続きへと進む新たな購買体験を提供する。

<4つのエリアをつなぐ十字路など没入感を感じる空間設計>
4つのエリアをつなぐ十字路など没入感を感じる空間設計

空間設計は、OMOストアでありながらテクノロジーに寄りすぎない人間的な消費の在り方を体験できる場を作る上で、百貨店ならではの「編集」というキーワードをもとに、余白のある世界観の構築を目指した。

4つのエリアに51ブランドの商品がそろう

同ストアが取り上げる最初のテーマは「サステナビリティ」。渋谷を訪れる人々がより身近にテーマを自分ゴト化できるよう、「タイムリミット」というキーワードを設定し、売場を編集する。

環境破壊が進み、地球や文化の「タイムリミット」が近づいていることに対する問題意識を持ち、プラスチックフリー、オーガニック、アップサイクル、ロングライフ・プロダクトなど、「タイムリミット」を多角的に捉え、具体的なアクションを起こしているブランドを誘致した。

会場の4つのエリアは、それぞれに異なった体験を提供。2つある展示室エリアでは、D2Cブランドを中心に、51ブランドの商品がそろう。

「サステナビリティ」を切り口にキュレーションされているブランドの商品、展示室に施される空間演出を通じて「私たちの未来」を考えるきっかけを提供したい、という思いがこのエリアに込められている。

FABRIC TOKYOから、働く女性のためのオーダーウエアブランド「INCEIN」の1号店が登場。3Dスキャンボックスで身体を採寸し、サイズとデザインを自分好みにカスタムオーダーすることが可能となっている。

<ラウンジエリア>
ラウンジエリア

他にも商品展示だけではなく、ラウンジエリアも用意した。ラウンジエリアは、完全キャッシュレスのパーソナライズドカフェ「TAILORED CAFE」を展開する。自家焙煎のものを中心に、多彩なフレーバーのコーヒー豆をそろえており、気分に合わせて好みの味わいを選べる。専用モバイルオーダーアプリ「COFFEE App」を使い事前注文することで、待ち時間なくスムーズに商品の受け取りができるほか、毎日スペシャルティコーヒーを楽しめる月額定額プランも提供する。

また、オープン時に特別ブースとして、「I DISPLAY music」の体験ブースを設置する。Googleが提供するさまざまなデバイスによって、Youtubeの音楽視聴に新しい楽しみ方を提案するもの。

<Googleの最新ガジェットなどを楽しめる>
Googleの最新ガジェットなどを楽しめる

同プロジェクトにて制作されたAdo「夜のピエロ(Teddy Loid Remix)」のMVの世界観を、Googleの最新ガジェットや、非接触ディスプレイを搭載した装置とともに体感できる。

「TAILORED CAFE」にてAdoとコラボレーションした限定カフェラテ、Adoのレコーディング部屋をモチーフにしたカフェブースも用意している。

<新しい購買体験を提供>
新しい購買体験を提供

展示商品の購入は、展示商品をスマホ上のお買い物バッグへ追加し、それをカウンターにて掲示することで決済手続きへと進む。

商品説明など販売員の役割の一部をスマホで担う。ショールーミングストアとは違い、全商品が持ち帰りに対応している。公式オンラインサイトでもストアと連動した商品を展開。店頭で購入を迷った場合でも、自宅でゆっくり検討、購入することができる。

<エコマテリアルを使用した店内>
エコマテリアルを使用した店内

空間については、ストア全体は2本の太い通路がクロスした構成になっている。各エントランスから十字路に向かってわずかに先細りしており、かつ有機的な曲線を描いた光のラインが奥へと誘引することで、没入感を強く感じる空間を目指した。

十字路には、BASEと呼ばれる4つのエリアが隣接し、共通した世界観の中でそれぞれに素材の個性を与えた。天井が低く半地下のような建築特性を生かし、彩度のないワンカラーの世界に、あえて暖かみを消したブルーの塗り床が「少しの違和感」として未来への兆しを感じられるようなアソートカラーとなっている。

シルバーからブルー のグラデーションを施したトタンパネルはブルーモーメントをほうふつとさせ、渋谷ならではのヤンチャさを演出しながらも特別な体験を提供する。

CHOOSEBASE SHIBUYAのキーワードであるサステナビリティにおいて、ブラウン管を使用した破砕ガラス、ストランドボード、再生アルミといったエコマテリアルを各所に使用。POPスタンドやライザーアイテムといった細部にも今回の施工で生まれた端材を再活用した。

内装設計は乃村工藝社のデザイナー亀田氏を中心としたデザインチーム、「no.10」が担当している。

■CHOOSEBASE SHIBUYA
場所:西武渋谷店パーキング館1階
面積:約700m2
出品ブランド:54(うち商品展示スペース51、カフェほか3)
取扱品目:洋品雑貨、衣料品、インテリア用品、化粧品など
https://partner.choosebase.jp/

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