羽田空港/「守るべき日本の美と技」集めた専門店をオープン
2023年11月15日 14:39 / 店舗
日本空港ビルデングと東京国際空港ターミナルは12月22日、羽田空港第3ターミナル出国エリア内に、日本発の地方創生型ラグジュアリーブランド「JAPAN MASTERY COLLECTION(ジャパン マスタリー コレクション、以下:JMC)」をオープンする。
<作り手の思いを込めた商品を世界に発信>
左から中村良枝バイヤー、大西洋社長、楊井吉彦部長
運営は、羽田未来総合研究所が行う。
単なるメード・イン・ジャパン商品の販売ではなく、「守るべき日本の美と技」を未来へ残していくためのプラットフォームを構築。高品質で、歴史と伝統、作り手の思いを込めた商品をそろえる。
<伝統技術を世界に紡ぐMIZEN>
※左:寺西俊輔デザイナー
世界中の知的好奇心が強く、成熟した消費・価値観を持つ層に、日本の高い技術を駆使した、ストーリーある製品を販売し、売り上げだけではなく、生産者への資金の還元、後継者育成を総合的に目指す。
<アート作品でもあるチョコレート>
※HIROTO RAKUSHO「Tsuki no wa」(価格は1万ドル)
11月15日行われたプレス展示会で、羽田未来総合研究所の大西洋社長は「日本の地方には素晴らしい技術を持ち、伝統と文化を伝える商品があるが、正しく価値を評価されていない。単に商品を販売するだけでなく、その技術、伝統、文化の価値を感度の高い顧客に届け、商品をきっかけに、地方の産地を訪ねてもらうなど観光産業にも貢献したい」と意気込みを語った。
また、「日本の流通小売りは生産者に回る利益が少ない。海外のラグジュアリーブランドは利益率が高いことに比べると、もっとオールジャパンで、地方のいいものをグローバルに展開し、作り手に利益を還元できるサプライチェーンを創ることが必要だ」と強調した。
ターゲットは、世界中の知的好奇心が強く、成熟した消費・価値観を持つ層。彼らの心の豊かさと知的欲求に応える、アパレル、雑貨、リビング用品、現代アートなど400型がそろう。
そのうち2割がオリジナルの開発商品。3年後には、オリジナル商品を5割まで伸ばしたい考え。
2024年に日本国内向けEC、越境ECをオープン。2025年には、欧米中心に商業施設などに卸売りで参入し、海外から先に知名度を高める計画。2026年以降、国内外の空港、商業施設への出店を進めていく。
<原生林の生はちみつ「凛」>
※鹿児島県・辺塚(へつか)で生産
大西社長は「百貨店クオリティーの接客ができるスタッフ13人に加え、7割の商品にはQRをつけ、店頭で伝えきれないストーリーを紹介。購買データを活用し、商品開発に反映する。今後の海外進出にも生かしていきたい」と述べた。
店内は、顧客ターゲットの琴線に触れる心理的キーワードとジャパンプロダクトを掛け合わせた「トラベル」「上質な日常」「趣味」「JAPAN LUXURY」「プロモーション」の5つのゾーニングを行う。
「トラベル」は、婦人/紳士ファッション・雑貨・アクセサリーを展開する。テイストをトラベルなどカジュアルに寄せ、海外のラグジュアリーブランドが使用している素材や工場を活用し、メード・イン・ジャパンが伝わるアイテムを販売する。
「上質な日常」は、現代の日常生活で使いやすい伝統工芸品などを用意する。「趣味」はアート作品、「JAPAN LUXURY」は、日本を代表するデザイナーと伝統工芸品のコラボレーション商品などを取り扱う。
「プロモーション」は、オープン第1弾は工芸の最先端で活躍する作家6人による特別展「ひかりの底」、第2弾は山本寛斎事務所と共同のファッション企画「婆娑羅 BASARA」を予定している。
「トラベル」には、日本の伝統工芸の産地と職人にスポットをあて、着物とニットを組み合わせたアパレルを展開するMIZENが登場する。
MIZENの寺西俊輔代表はエルメスでのデザイナー経験を持ち、高度な技術を持った職人の地位向上と、産業の持続可能な発展をサポートする構想のもと、ブランドを展開している。
高度な技術で大島紬(つむぎ)や結城紬などの着物とニットを組み合わせたユニセックスのストール、シャツ、スカートなどがそろう。
寺西氏は「タグには『石下結城紬』といった生産者も明記し、商品の購入者が、次回日本に来た時には産地も訪れてほしいという思いを込めている。ストールは、ユニセックスで、洋服だけでなく、着物にも合わせられる」と説明している。
■JAPAN MASTERY COLLECTION(ジャパン マスタリー コレクション)
所在地:羽田空港第3ターミナル 出国エリア内
店舗面積:約188m2
開店日:2023年12月22日(予定)
運営:羽田未来総合研究所
営業時間:7時~23時(予定)
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