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パルコ/商業不動産プロデュース事業強化の中期計画

2017年04月07日 23:42 / 経営

パルコは4月6日、2017年度~2021年度パルコグループ中期経営計画を発表した。

グループを取り巻く環境は、テクノロジーの急速な進化、ライフスタイルの多様化、高齢化進行や人口減少、都市部への人口流入による競合環境・不動産開発競争の激化、2020年の東京五輪開催へ向けたインバウンド需要などによる消費環境の変化が見込まている。

環境変化予測のもと、成熟していく都市において、店舗事業を主軸とした現状の自社グループの提供価値を超えるニーズの拡がりへの対応が必要であると考え、事業の選択と集中を推進し、事業ポートフォリオ変革に向けたスピードアップを図る。

<事業ポートフォリオ変革>

2021年度には、店舗事業に依存しない事業ポートフォリオ変革を実現する計画で、営業利益の構成比を変化させる。

2016年度の営業利益の構成比は87%が店舗事業で、開発・ゼロゲート事業は6%だった。2021年度には、パルコ店舗事業65%、商業不動産プロデュース事業24%、ヌーヴ・エイ、エンタテインメント事業など11%の構成比を目指す。

中期経営計画を推進する事で、最終年度となる2021年度は連結営業利益147億円、EBITDA235億円、連結ROE6.5%~7.0%を目指す。

投資計画は、中期経営計画5年間の累計で、グループの成長のための戦略的投資として、商業施設開発や新規事業などに404億円、経常的投資として店舗改装や関連事業などに264億円、投資合計で668億円を計画する。

キャッシュフローについては、5年間で773億円以上の営業キャッシュフロー創出を図る。

商業不動産プロデュース事業を推進し、開発案件の5年間の目標として、パルコ型業態4件、ゼロゲート型業態5件、新業態型3件の計12件を開発する。

不動産開発の推進力と資産効率性向上に向け、循環型不動産投資モデルを検討する。

グループ企業のパルコスペースシステムズは、施設空間ビジネスにおいて、マルチスキルスタッフによるクライアント視点に立ったイノベーション提案により受注と収益を拡大させる。

グループ企業のパルコデジタルマーケティングは、ショッピングセンター向けWebコンサルティング事業に特化し、提供するサービスの充実とテクノロジーの進化に対応した新たな開発と協業強化を行い新世代のショッピングセンターに対するサービスを提供し業容を拡大する。

グループ企業のヌーヴ・エイは、既存業態に加え新業態を創造し都市部への出店の拡大やECの本格稼働を図る。外部企業との連携を検討し、事業領域拡大を目指す。

新生パルコ劇場の開業や新たなライブエンタテインメント拠点の獲得によりエンタテインメントの提供規模を拡大させ、パルコ店舗のプロモーション機能の深化とコンテンツ事業の開発強化・外部展開拡大を本格化させる。

グループのコンテンツのアジア圏での展開、海外ショッピングセンター連携などによりインバウンドとアウトバウンド対応を推進し、パルコブランドのアジアでのブランド認知度向上を図る。

グループの原点である渋谷パルコの建て替え計画を推進し、新生渋谷パルコ(2019年秋開業予定)創造のエッセンスをグループ事業へ波及させ次世代型商業空間を提供する。

ICTを活用した独自視点によるCRM戦略によって消費者とテナントへのサービスメニューを拡大する。

新たな才能を発掘し、新しいクリエイターやこれまで取引が無いような外部企業との連携によって新たな消費体験を創造する。

経営資源をより収益性・成長性の高い都心型店舗にシフトし、出店者、消費者から支持される店舗としてモノを売ることを主とする商業施設から、コト・情報を発信し体験する次世代型商業空間へ発展させる。

店舗事業の優位性・競合差別性を高めるため、ライフスタイルの多様化に対応した商品事業、飲食事業、クラウドファンディング事業との相互を連携させ、各事業の成長も促進する。

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