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ロッテ免税店/日本で事業拡大、大阪・福岡に出店

2017年07月11日 16:10 / 経営

ロッテ免税店(韓国)は7月10日、日本での市内免税店事業を拡大すると発表した。

<東京銀座店内>
東京銀座店内

昨年3月にはオープンした東京銀座店は、5月には前年同月比2.4倍を達成し、2017年度は前年度比2倍の売上げ目標を立てている。

2019年に大阪・福岡での新規出店を進める計画で、ロッテ免税店 JAPAN・キム ボジュン COO は「銀座店での1年半の経験を通じて、日本の免税マーケットは巨大な潜在力を持っていることを再認識した」とコメントしている。

<日本の化粧品ブランドを強化>
日本の化粧品ブランドを強化

日本の化粧品ブランドを強化

銀座店における現状の主なターゲットは韓国内と同じく中国人観光客で、2015年までは団体旅行客の比率が個人旅行客より高かったが、2016年に入りその流れが逆転。45%・55%程度の比率に変化した。

今後も個人旅行客の比率が持続的に増加していくと予想していため、銀座店は個人旅行客の入店率と客単価を同時に上げる戦略を実行している。

旅行前、旅行中、旅行後の各段階別に効果的なターゲットマーケティングとCRM(顧客管理システム)の強化が必要と実感している。

<小型電化製品等拡充>
小型電化製品等拡充

爆買いのような消費形態は姿を消しているが、日本を訪問する外国人観光客は依然として増加傾向にある。購買品目においては、高額商品から主に化粧品や小型電化製品、ヘルスケアなど、中・低価格の生活必需品へと変化している。

<新規化粧品ブランド>

<医薬品も強化>

銀座店は、この変化を好機と見ており、変化に迅速に対応できれば、顧客ニーズを先取りできると考え、日本ブランドを中心とした新規化粧品ブランドや、医薬品、美容家電などのカテゴリーも強化して顧客の選択肢を広げている。

韓国型の市内型免税店モデルを移植する過程で、サービスや製品構成、事業の慣習などすべての面において現 地との調整が必要であることを実感し、今年5月31日現在、銀座店の日本での採用スタッフは110名。

銀座エリアの広報活動など地域観光活性化の付加価値を換算すると、約12億円程度の経済効果を創出したと考える。こうした現地化、地域活性化への貢献は、今後順次、大阪や福岡など日本国内の他地域へと拡大させていく。

銀座店における日本ブランドの比率は20%程度、韓国ブランドを含む日本以外のブランドが80%程度の比率となっているが、近いうちに50%にまで高めたい。

<TAX FREEエリアを拡張>

来日する観光客は日本における体験・経験を重視しており、日本ブランドへの需要は持続的に増加している。特に日本の化粧品医薬品、美容家電、キャラクター商品などの需要が増加しているため、銀座店では該当するブランドの新規入店とTAX FREEエリアの拡張を加速し、顧客トレンドに対応してマーケットをリードしていく。

今一番人気の高いブランドは、クレ・ド・ポー ボーテ、資生堂、SK-IIなど日本の化粧品ブランドだが、クレ・ド・ポー ボーテの場合、今年6月から店舗を拡張して運営している。

その他多数の日本の化粧品ブランドと入店交渉を進めており、化粧品のみならず、日本の人気キャラクターを扱う店舗の入店も計画している。

特に、ワンピースやアンパンマン、ドラえもんのような日本の有名キャラクターについては、ロッテ免税店を含めた韓国ロッテグループ全体とのコラボまで進化させることを視野に入れている。

さらに、日本文化体験ゾーンの拡充、VIPサービスの強化、韓流スターのファン層にはミニ・スターアベニューなど、体系的なCRM 管理で銀座店ならではの差別化を強化し、リピート率を高めていく。

オンライン免税店は、旅行に出発する前や旅行中に、インターネットで注文から支払いまで済ませられる 仕組みで、渡航先での貴重な滞在時間を有効に活用でき、特典も多いなど利便性が高い。

韓国でのオンライン免税店の売上比率は、免税店全体(約6,000億円)の24%に達しており、日本市場においても今後成長が期待されるため、9月をめどに、日本初となるオンライン免税店のオープンを計画している。

少子高齢化や地方の人口減少、生活様式の変化で、日本各地の特産品や伝統工芸品の国内生産・需要は縮小傾向にあるが、訪日外国人の間では、日本の伝統に裏付けられた優れた技術と製品への人気 はますます高まっている。

ロッテ免税店では、そうした需要に対応するため、日本各地の特産品や伝統工芸品に目を向け、ブランド化して販売する取り組みに力を入れていく。

市内免税店に対する認知度の低さへの対応策、ロードショップやTAX FREE、他の免税店との差別化を図るため、銀座店内の「TAX FREE」ゾーンを拡大し、ワンストップ・ショッピングを目指す。

女性向け認知強化策として、女性誌への年間を通した記事広告掲載、屋外広告(東急プラザ銀座)、東京タワーでの宣伝活動などを並行して行う。

さらに、ピーチ航空、バニラエア、香港エキスプレスの航空各社、はとバスなど観光客がよく利用する交通媒体内でのクーポン提携を締結した。

オンラインマーケティングも積極的に展開し、旅行代理店の提携チャンネルや旅行・女性関連の媒体、ブロガー、インスタグラマー向けの招待プログラム、SNSイベントなどを途切れなく開催し、景品イベントや空港型市内免税店に関する認知向上に努めている。

日本人の海外旅行客(アウトバウンド)への対応は、比率の高い20代~30代の女性にフォーカスし、来店を促進する媒体戦略を拡大させる計画。

日本人顧客にとって馴染みの薄い市内型免税店の総合的な魅力、即ち価格だけではなく特典や優遇面なども、性別、年齢別、シーズン別の緻密なプロモーションで強く訴求していく。

一例として、今年の3月からは、「プレミアム・フライデー」プロモーションやウェディング・プロモーションなど、日本国内の諸行事に対応した日本人顧客誘致を積極的に推進している。

東急プラザ、タリーズコーヒーなど提携先での宣伝も進行しており、各提携先のチャンネルを生かした認知向 上も図っている。

同様に各クレジットカード会社との連携も強化・推進しており、昨年12月にはJR東日本グループ「VIEWカード」、今年1月には「SAISON-UCカード」と提携し、顧客優遇プログラムを実行している。

クレジットカード会員向けの広告や、免税店の利用案内など、認知向上を目的とした施策にも力を入れている。

今、韓国で最も注目を集めているガールズグループ「TWICE」(トゥワイス)。日本人3人を含む9人構成のTWICEは、2016年度からロッテ免税店の公式イメージモデルを務め、7月3日には銀座店を訪問した。

銀座店では、銀座エリアの特性に合わせ、海外出張ビジネスマンを対象としたマーケティングを強化し、ショッピングの時間が無いなど忙しいビジネスマンのため、ドラッグストア商品、お菓子、電子製品、キャラクター、日本製の化粧品などを組み合わせた「お土産セット商品」の販売を計画している。

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