蛸屋菓子店/菓子製造販売、更生手続き開始で負債35億円

2017年09月13日 18:10 / 経営

帝国データバンクによると、蛸屋菓子店と関係会社の霽月庵早坂(セイゲツアンハヤサカ)は8月31日、東京地裁から会社更生法に基づく更生手続き開始決定を受けた。

蛸屋菓子店は、1949年6月創業、1963年1月設立の菓子小売業者。

「御菓子司蛸屋總本店」の屋号で栃木県内を中心に茨城、群馬、埼玉地区にも出店し、現在102店を展開する県内屈指の菓子店。直営店のほか、FC店、大手スーパーの菓子コーナーなどでも取り扱い、約40品目のオリジナル商品を扱い、抜群の知名度を誇っていた。

しかし、バブル期の積極的な不動産購入による直営店出店が裏目に出たほか、主力金融機関の破綻などによる資金面の固定化もあって、厳しい運営を強いられる時期が続いた。

2016年8月期の年売上高は約17億5500万円と、弱含みが続き、財務面も債務超過の状態であった。

多額の金融負債は長年にわたり返済猶予を受けた状態であり、今回の申請を余儀なくされたもの。負債は約13億円。

霽月庵早坂は、グループの製造部門という位置づけであったが、所有不動産の多くは蛸屋菓子店名義であり、資産管理会社的な意味合いも強くあった。

製販分離の立場を取っていたが、実質的には蛸屋菓子店の売上に頼る運営は変わらず、債務超過の財務体質は改善できなかった。負債は約22億円。

2社は第三者による申請を受け、6月23日には東京地裁より保全管理命令を受けていた。なお、営業は継続している。

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