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5月の負債1000万円未満の倒産/3カ月連続で増加、卸売・小売で拡大

2022年06月09日 16:01 / 経営

東京商工リサーチが6月8日に発表した2022年5月の負債1000万円未満の企業倒産は44件(前年同月比15.7%増)で、3カ月連続で前年同月を上回った。2022年では3月の55件に次ぎ、2番目に多かった。

<負債1000万円未満の倒産推移>
負債1000万円未満の倒産推移
※出典:東京商工リサーチホームページ(以下同)

「新型コロナ」関連倒産は13件(前年同月10件)だった。負債1000万円未満の倒産に占める構成比は29.5%(同26.3%)で、2022年4月(33.3%)、2021年4月・7月(各29.7%)に次ぎ、4番目の高水準となっている。

産業別で建設業、製造業、卸売業、小売業の4産業が増加

産業別では、10産業のうち、建設業と製造業、卸売業、小売業の4産業が増加した。一方、減少は農・林・漁・鉱業、情報通信業、サービス業他の3産業、同数は3産業だった。

<産業別の内訳>
産業別の内訳

最多は、サービス業他の14件(前年同月比22.2%減、前年同月18件)で、5月度では2年ぶりに前年同月を下回った。サービス業他は負債1000万円未満の倒産の31.8%を占め、前年同月の47.3%から15.5ポイント低下した。

次いで、建設業10件(同150.0%増、同4件)、小売業9件(同50.0%増、同6件)で、それぞれ2年連続で増加した。このほか、製造業(同300.0%増、同1件)と卸売業(同33.3%増、同3件)が各4件で、それぞれ2年連続で前年同月を上回っている。

一方、農・林・漁・鉱業が1件(前年同月2件)で5年ぶり、情報通信業がゼロ(同2件)で2年ぶりに、それぞれ前年同月を下回った。業種別では、機械器具小売業(ゼロ→2件)、学術研究・専門・技術サービス業(2→3件)、医療・福祉事業(1→4件)などで増加した。

原因別最多は「販売不振」

原因別は、最多が「販売不振」の35件(前年同月比20.6%増)で、5月では2年連続で前年同月を上回った。負債1000万円未満の倒産の79.5%を占め、前年同月の76.3%より3.2ポイント上昇した。「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が2件(前年同月比100.0%増)で、2年ぶりに増加した。

「不況型」倒産(既往のシワ寄せ+販売不振+売掛金等回収難)が37件(前年同月比23.3%増、前年同月30件)で、2年連続で前年同月を上回った。負債1000万円未満の倒産に占める構成比は84.0%で、前年同月(78.9%)より5.1ポイント上昇した。

このほか、「事業上の失敗」が6件(前年同月ゼロ件)で、2年ぶりに前年同月を上回ったという。

消滅型の倒産が100%

形態別では、「破産」が43件(前年同月比19.4%増、前年同月36件)で、5月度では2年連続で前年同月を上回った。負債1000万円未満の倒産の97.7%を占め、前年同月の94.7%から3.0ポイント上昇した。

また、「特別清算」は、前年同月と同件数の1件で、消滅型の倒産が100.0%。「民事再生法」は2年ぶりにゼロだった。

資本金別は1000万円未満が9割超

資本金別件数は、「1000万円未満(個人企業他を含む)」が41件(前年同月比10.8%増、前年同月37件)で、5月度としては2年連続で前年同月を上回った。負債1000万円未満の倒産に占める構成比は93.1%で、前年同月の97.3%より4.2ポイント低下している。

内訳は、「100万円以上500万円未満」が19件(同26.6%増、同15件)、「個人企業他」が11件(同31.2%減、同16件)、「500万円以上1000万円未満」が7件(同133.3%増、同3件)、「100万円未満」が4件(同33.3%増、同3件)だった。

このほか、「1000万円以上5000万円未満」が3件(同200.0%増、同1件)で、4年ぶりに前年同月を上回った。「5000万円以上1億円未満」は4年連続、「1億円以上」は10年以上、それぞれ発生しなかった。

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