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冷蔵・冷凍倉庫のアペックス/民事再生を申請、負債92億円

2023年10月04日 11:08 / 経営

帝国データバンクによると、アペックス(石川県金沢市)は、10月3日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日弁済禁止の保全処分および監督命令を受けた。

1976年4月創業、1978年4月に法人改組した貨物自動車運送業者。1993年に冷蔵・冷凍倉庫を建設して以降は、低温流通を軸に営業を展開していた。

自社の冷蔵・冷凍倉庫を配送拠点として、大手冷凍食品会社や中小食品メーカーなどが製造した冷凍・冷蔵食品を各メーカーや物流企業などから荷受けし、北陸3県下の食品スーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、外食チェーンなどへの配送、商品の保管収入なども行っていた。

2015年以降は北陸エリアの運送会社をはじめとするM&Aを推進してグループ事業を拡大。その後も本社周辺での冷凍倉庫の新築および増築していた。2019年には福井市内で新物流センターを新築稼働させるなど、積極的な設備投資を実施。2023年3月期の年収入高は約47億9200万円を計上していたという。

しかし、積極的な事業投資に対し、資金基盤はもろかったため、貨物運送事業以外にタクシー事業、スーパー銭湯事業など異業種を含めて10社以上にのぼったM&A投資や、倉庫・物流センター・車両などの設備投資資金を金融借り入れに依存したとしている。

そのため、資金繰りの悪化を招き、9月末の決済資金が不足する事態に陥った。9月末の元金返済に向けて取引金融機関に一時停止の通知を行うとともに、私的整理による再建の道を模索したが、その見通しが立たず、民事再生による法的再建を目指すこととなった。今後スポンサー探しを行う予定。

負債は約92億円で、石川県で今年最大。県内の負債50億円を超える倒産は、2013年1月の東京ストアー以来。

なお、法的手続きは同社のみで、その他の関連会社には法的手続きの予定はなく、通常どおりの営業を継続するとしている。

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