洋菓子店の倒産/原材料値上げが響く、輸入チョコ価格5年で2倍に
2024年06月10日 14:46 / 経営
帝国データバンクの調査によると、「街のケーキ屋さん」を中心とした洋菓子店の倒産(負債1000万円以上、法的整理)は5月までに計18件発生した。
洋菓子店の倒産が急増した2019年は、コンビニなどの安価で手軽なスイーツとの競争激化に耐えられず、市場からの退出を余儀なくされたケースが多かった。しかし、2023年以降の倒産は砂糖や生クリームなど、洋菓子づくりにおける原材料価格の高騰が大きく影響しているという。
中でもチョコレートは、カカオ豆の不作に加えて円安の影響も加わり、欧州産など輸入品の平均価格は5年前に比べ価格が約2倍に上昇した。
昨年の猛暑で収量減が目立ったフルーツも、全体の平均価格で5年前比1.4倍に値上がりしている。
そのほか、電気代、アルバイトなどの人手不足や人件費の増加も重なり、事業継続を断念したケースも多いようだと分析している。
例年、洋菓子店の倒産は閑散期となる夏以降に増加しやすく、今後輸入レーズン・小麦粉などのさらなる値上げも予想され、2024年通年の倒産件数は過去最多の49件を更新する可能性もあるとみている。
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