エディオン／30年リフォーム事業売上高1000億円目指す、家電との融合戦略を強化
2025年12月17日 14:57 ／ 経営
エディオンは2025年、企業ブランドのタグラインを「家電と暮らしのエディオン」から、「家電とリフォームのエディオン」に変更した。2030年にリフォーム事業売上高1000億円、売上比率10％を目指す同社の戦略を追った。
※左からELS統括部の吉田昭憲マネージャー、土橋氏、マーケティング統括部の内藤潤子氏
エディオンは2019年、リフォーム事業に本格参入。2025年3月期の売上高は、約668億円となった。全社売上高約7615億円の8％強と、第2の収益の柱に成長している。
コロナ禍のステイホームでのリフォームブームや、省エネブームを取り込み、2024年度は年間施工件数が14万件超、累計で約200万件のリフォームを手掛けている。
生活者が気軽に相談しやすい家電量販店全国400店超（直営店）の地域ネットワークに加え、M＆Aで屋根・外壁・塗装会社「麻布」、ガス給湯器販売会社「JNR（正直屋）」といった専門技術を持つ企業を買収し、リフォーム領域を拡大している。
土橋武執行役員 ELS統括部長は、エディオンのリフォーム事業の特長について、次のように語っている。
「ELS、つまりエコ、リビング、ソーラー事業から、水回りなど生活インフラ全般をカバーしている。リフォームは住設メーカーのショールームで紹介された小規模工務店で頼む生活者が多いが、当社は家電の買い替えのタイミング時にリフォームも併せて提案し、業績を伸ばしてきた。リフォームのお客様の過半数がエディオン・カード会員で、商材によっては7～8割に達することもある」
また、同社が11月に行ったアンケート調査によると、リフォームを検討している生活者は、気候・物価・健康といった社会課題から「家」と「家族」を守るためのリフォームを検討していることが明らかになった。
＜二重窓で健康・防犯効果アップ＞
さらに、フォームの依頼先として「家電量販店」が、「工務店・地元のリフォーム店」「ハウスメーカー」に次ぐ第3位で、選ばれる理由が「近くに店舗があり、相談しやすい」「信頼できる」「費用が安い」であることもわかった。
そこで、家計・気候変動・クロス・健康・効率のか・き・く・け・こをテーマに、2026年も同事業を強化していく。
家電購入のついでにリフォームも「お家まるごと応援割プラス」開始
まずは、12月17日から家電購入とリフォームを組み合わせ、お得に注文できる「お家まるごと応援割プラス」を開始する。
従来、提供してきたリフォーム商品の割引サービス「お家まるごと応援割」の対象商品を家電製品まで拡大。家電の購入に訪れたついでにリフォームも検討してもらい、エディオンのリフォーム事業の認知度アップ、小規模リフォームの需要取り込みにつなげたい考え。
＜洗濯機と洗面台セットで交換も人気＞
具体的には、450リットル以上の冷蔵庫、ドラム式洗濯機どちらかの家電製品、リフォームの2カテゴリからそれぞれ指定商品を各1点以上、合計2点以上を同時購入すると、商品ごとに設定された割引を適用する（割引率は1商品につき5000～5万円）。
エディオンの「か・き・く・け・こ」は、家計に優しい組み合わせでは水道光熱費が節約できるトイレや給湯器、気候変動では窓・断熱材を使った費用対効果が高い改修を提案する。
＜家計に優しいエコキュート＞
また、クロスでは、キッチン・トイレ・バスリフォームに内装込みのプランを用意。クロスを張り替えると見た目の変化が大きいため、改装を実感しやすい、コスパの高いリフォームだという。
＜トイレのリフォームにクロスの張り替えをセットにできる＞
健康は高齢化対応で、風呂場をすぐに暖め、ヒートショック対策できるヒーター、遠隔見守り機能付き給湯器を提供する。
効率では、共働き世帯の増加に対応した食洗器、掃除回数が減らせる換気扇などをラインアップしている。
＜自動で手入れできる換気扇＞
土橋執行役員は「現在のリフォーム事業はキッチン、バス、トイレ、給湯器などの改修がメイン。将来的にはリノベーション、リペアといった大型改修の需要も取り込み、2030年リフォーム事業売上高1000億円を達成したい」と意気込んでいる。
＜外壁の塗装も対応できる＞
■「お家まるごと応援割プラス」の対象商品
家電製品：冷蔵庫（450Ｌ以上）、洗濯機（ドラム式洗濯機）
リフォーム：キッチン、ユニットバス、エコキュート、トイレ、洗面化粧台、IHクッキングヒーター、ビルトインガスコンロ、レンジフード、ビルトイン食洗器、浴室暖房乾燥機・脱衣所暖房機、ガス給湯器・石油給湯器、水栓金具、キッチンボード、内窓
取材・執筆 鹿野島智子
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