賃上げ2026/UAゼンセン流通部門、パートは過去最高の8%以上を要求
2026年01月19日 17:10 / 経営
UAゼンセンは1月19日、2026年労働条件交渉において、流通・総合サービス・製造産業の各部門の要求方針案を発表した。流通部門ではパートは8%(90円)以上の賃上げを要求する。UAゼンセン結成以来では過去最高の水準となる。
永島智子会長は「日本の実質賃金は2022年度から3年連続で下落している。2025年度上半期の水準は今回の物価上昇が始まる前の2021年と比べても既に3%低い水準」と指摘する。
2025年の組合員への生活アンケートでは、正社員で5割、短時間組合員では6割以上が食費や日用品の支出を控えたと回答した。「これは2023年の調査よりも悪化している。2026年はこの実質賃金下落の流れを何としても反転させる」。
こうした状況を踏まえ「企業内最低賃金は1500円に引き上げることを目標に、2026年は1300円を要求する」という。
流通部門の要求案としては、正社員は制度昇給がない組合は総額7%、金額で1万8500円以上、制度昇給がある組合は昇給分に加えて5%もしくは1万4000円以上。
昨年までは賃金の高さによって要求水準を改定していたが、2026年は同じ水準にする方針。この理由としては、人手不足が深刻化する中で他産業に人材が流出することを防ぎ、人材確保につなげる狙い。
パートタイマーについては、最低賃金の引き上げや格差是正を推進する目的から、正社員に1%上乗せして、制度昇給がない場合は8%(90円)以上、制度昇給がある場合には昇給分に加えて6%(70円)以上の賃上げを要求する。
労働条件では、労働時間の短縮と休日増加に取り組む。中でも休日増には力を入れる。流通部門の桂義樹事務局長は「流通業の特色として、出勤すると一定の残業が発生することもある業種。そのため休日を増やすことで確実に休みが取れる、そういうことを優先すべき」と述べた。
また、採用面でも採用ホームページに休日数が記載されるケースが多い。「例えば120日以上という風に条件を絞り込めば、それより少ない企業は検索結果に出てこない」(桂事務局長)といったことも起こる。休日日数を増やすことで採用面でも有効に働くとみている。
総合サービス部門では、高井哲郎事務局長(「高」は正しくははしご高)が「昨年上回るような積極的な上積み要求に取り組むことが前提」と説明。
正社員では1万8000円以上、パートタイマーは制度昇給分に加えて時間給65円・5%、制度昇給分がない場合は、85円・7%引き上げる。
製造産業部門では、制度昇給がある組合は昇給分に加え、4%+格差是正分1%程度とし、要求額は昇給分+1万3500円。制度昇給がない組合は6%+格差是正分1%程度、要求額は総額1万8000円。
製造産業部門の吉山秀樹事務局長は「賃金水準が低い組合にとっては大きい数字だが、地方の中小企業でもしっかりと賃上げをしていく必要性があるため、しっかりと訴えて底上げにつなげたい」と述べた。
今回の賃上げは、初めて3月末までに労使で解決する「3月末決着」を目標に掲げる。
西尾多聞書記長によると、2025年の賃上げでは3月末までは5%以上の賃上げだった。それが4月末になると4.8%下り、その後どんどん下がって6月末で4.2%まで下がったという。
「一般的に高い相場が形成される3月に交渉が終えられるのであれば、支援をしていきたい。加盟組合が賃金の引き上げができる環境を作る、あるいは支援をすることが大事」(西尾書記長)
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