NEC/発見したルールを説明できるAIで「発注支援」セブンに提案
2018年12月18日 19:13 / IT・システム
NECは12月17日、東京・三田のオフィスビル「三田国際ビル」にオープンしたセブン-イレブン初の省人型店舗「セブン-イレブン三田国際ビル店20F店」に、AIを活用した発注支援システムを導入した。
省人型店舗では、店舗業務の削減もひとつのテーマとしており、AIを活用した発注支援システムで、発注時間の大幅な削減を目指す。
発注業務では、イベント、気温、天気、過去の販売実績、競合商品、キャンペーン、顧客情報、曜日回りなどさまざまな要素が必要で、担当者の経験に頼る部分が大きな業務となっている。
NECが提案するAIを活用した発注支援システムは、AIが発見したルールを人間が理解できる形で説明できることが特徴で、単品ごとの具体的な発注数量をAIが提案する。
単品ごとの販売実績、カレンダー、天候、近隣イベント、キャンペーン、TVCMなど、さまざまな要素がどう販売に影響するのかをAIが判断する。
例えば、おにぎりであれば、納品時間のリードタイムや納品ロット、時間帯別の販売数量なども加味した上で、必要な発注数量を予測する。
従業員が使用する発注端末では、販売に影響する要素をチャート化した図と、販売に影響する項目を具体的に提示する。
販売影響チャートは、キャンペーン、気温、天気、曜日、平日/休日、CM/メディア、催事、近隣イベントなどの項目を表示。
影響項目では、1位から3位まで、どの項目が発注数量にどの程度の影響を及ぼし、いくつ商品が必要なのか具体的な数量を提示する。
例えば、おにぎりであれば、キャンペーンで6個、CM/メディアで5個、気温で3個、発注数量が増えるといった具体的な数量をAIが提案する。
発注の予測値が高すぎた場合は廃棄ロスが発生し、予測値が低すぎた場合は機会ロスが発生する。
具体的な発注数量の根拠をAIが提示するため、予測精度の向上やメンテナンスがしやすいメリットがあるという。
テスト導入したイトーヨーカ堂の食品売場では、発注時間が35%削減できたほか、欠品率が27%改善したという。
機会ロスと廃棄ロスを削減することで、売上が拡大し、コスト削減にもつながるため、企業の持続的な成長に寄与するという。
セブン-イレブンでは、発注は小売業の意志であるという考え方があり、現時点ではAIによる自動発注は検討していない。
あくまで、発注数量は人間が決定するもので、AIは発注を支援するシステムとして利用したいという。
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