無印良品/コーヒー栽培支援で「ミャンマーのコーヒー豆」販売
2020年09月17日 12:10 / 商品
無印良品を展開する良品計画は9月23日、ミャンマー連邦共和国でケシに替わる農家の収入源として栽培された「ミャンマーのコーヒー豆」200g(税込990円)を、日本国内の無印良品限定店舗と無印良品のネットストアで発売する。
「ミャンマーのコーヒー豆は、標高1,000~1,800mの南シャン州で栽培され、手摘みで収穫。深煎りし、コクと酸味を生かして仕上げた」(同社)。
世界中のさまざまな国・地域において「感じ良いくらし」を提案する無印良品は、生活に必要な商品の販売のみならず、社会でいま起きているさまざまな課題に目を向けている。
ミャンマーの南シャン州は、タイ・ラオス・ミャンマーの国境地帯でアヘン原料となるケシの栽培が盛んな「黄金の三角地帯」に位置する山深い地域。ここに暮らす少数民族の生活は厳しく、重労働で環境負荷の高い焼き畑農法により栽培されるケシが重要な収入源になってきた。
近年ミャンマー政府の対応によりケシの栽培面積は減少したが、ケシ以外の収入が乏しいため多くの農民が困窮するとともに、一部の農民は政府の目が届かない山奥でケシ栽培を続けている。
こうした問題を解決するために、政府と国連薬物犯罪事務所(UNODC)は協働して、南シャン州のケシ栽培が標高1,000m~1,800mの地域で行われ、品質の良いコーヒー生産に気候条件が合致していることから、同州でケシからコーヒーへの栽培転換を推進している。
UNODCの支援により、2015年に南シャン州のコーヒー栽培農家の組合である「グリーンゴールド協働組合」が設立され、現在では900軒以上の農家が同協働組合に参加してコーヒーの栽培を行っている。
参加した農家は環境負荷が少なく、またコーヒー以外の収入源を確保するために、他の果樹とコーヒーを混植するアグロフォレストリーという手法を使って、アラビカ種のコーヒーを栽培している。2018年秋に欧州へのコーヒー豆の出荷が始まった。
無印良品は、UNODCとグリーンゴールド協働組合の取り組みに共感し、同協働組合の農家が生産したコーヒー豆の販売を検討してきたが、現地訪問した際の生産農家との会話の中で、小粒のコーヒー豆は輸出されず、ミャンマー国内向けに低価格で買い取られていることを知った。
味は変わらないのにサイズではじかれていた小粒の豆を適正な価格で買取り活用した「ミャンマーのコーヒー豆」を、無印良品の限定店舗とネットストアで販売することで、コーヒー生産農家の収入を増やし、南シャン州でのケシからコーヒーへの栽培転換を支援するという。
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