日本生協連/24年度の供給高3兆705億円、コープ商品の仕様変更・統廃合を推進

2025年06月16日 13:39 / 経営

日本生活協同組合連合会は6月13日、全国60主要地域生協の2024年度の供給高(売上高)は推計3兆705億円(前年比1.6%増)だったと発表した。

宅配事業は2兆1181億円(1.3%増)、店舗事業は9701億円(2.5%増)となっている。

<藤井専務>
日本生協連

日本生協連の総供給高は4454億円(0.9%増)。このうちコープ商品事業供給高は3600億円(1.7%増)。2024年度末のコープ商品数は4970品番。23年度に引き続き、原材料や燃料価格が上昇する中、仕様の見直しや量目変更などによる値ごろ感の維持、商品の統廃合や在庫量の削減など効率化を図った。

24年度の実績について、藤井喜継 代表理事専務は「コープ商品事業は増収増益だが、点数が伸びていないということが一番の課題だ。商品の見直しを含めて、主力の売れ筋商品を中心に手を加え、求めやすい価格にして点数を伸ばしていく。全年を超えるような実績を作れるように、商品の統合などで仕入れを改善する取り組みを引き続き頑張っていきたい」と述べた。

なお、コープ商品のうち、特に顧客から求められている商品は「一言でいうとコスパとタイパだ」と藤井専務は語る。大容量品などのコスパ品が支持を集めており、各地の生協で作っているミールキットや、短時間で作れる冷凍食などが主婦層に求められているという。

一方、日用品と生活雑貨を供給するキャロット事業は326億円(1.6%減)、家具や衣料品を中心とした商品を提供するカタログ事業は495億円(2.6%減)と前年割れとなっている。

エシカル対応商品の総供給高は2696億円(9.7%増)。環境対応包材化の進展でエコマーク(19.9%増)とFSC認証(5.6%増)が伸長した。

25年度の統一MDテーマについては、「組合員のくらしに寄り添う、利用しやすい価格」、「組合員の声から生まれる新しい価値商品」、「主力商品の強化・進化」、「コープ商品 低塩化計画」、「一人ひとりの食事シーンに合うコープ商品(量・栄養バランス)」の5つを掲げている。

そこで今秋の商品開発については、まず上期の現在も好調な具材系フリーズドライスープを、さまざまな食シーンに活用できる形で提案する。化粧品「コープ基礎」を全面リニューアルし、組合員の声に応えて詰め替え商品を置く。人気の「魚取り魚シリーズ」のラインアップ強化も予定しているという。

また、人手不足対策としては引き続き、各地の宅配センター業務の標準化を図る「標準化スクール」の開催を継続している。25年度もさらに強化していきたい考え。AIを活用した「配達コース最適化」にも注力していく。

取材・執筆 古川勝平

日本生協連/4~11月宅配事業の利用人数1.3%減、組合員獲得に向けSNS活用

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