マルエツ/本間社長「価格から逃げず、来年は既存店10店舗リニューアル」

2025年11月28日 12:10 / 経営

マルエツの本間正治社長は11月27日の次世代旗艦店「BLiX茅ヶ崎店」のオープンに際し、同店の強み、価格政策、今後の店舗計画などについて報道陣の質問に答えた。主なやり取りは以下の通り。

<マルエツの本間正治社長>

マルエツの本間正治社長

※ぬいぐるみは、マルエツのオリジナルキャラクター「まるっぴー」。まるで笑っているかのような表情が特長で、「世界一しあわせな動物」とも称されるクオッカをモデルにしている。

――「BLiX茅ヶ崎店」を次世代旗艦店と位置付けた理由を教えてください

当社が既存店で実施しているMDの改革、U.S.M.Hグループのスケールメリットを生かした調達などによる価格を抑えたNBの品ぞろえといったトライアルの成果を反映しました。

1年半ほど前に出店が決まり、開業まで6店舗ほど改装する中で、さまざまな実験を行いました。

振り切った生鮮・デリカの品ぞろえ、「マルエツは高い」とおっしゃるお客様に向けた抑えた価格のNBなどに取り組みました。

この店は地域一番の生鮮売り場、イオングループのプライベートブランド(以下:PB)や、U.S.M.Hグループのスケールメリットを生かした調達により、買いやすい価格でNBを提供。質とコスパを両立させています。

実験時はグループメリットなどを生かし、価格を抑えたNBを500SKUほど入れましたが、茅ヶ崎では500~600SKU導入します。

価格から逃げず、買い物しやすく、家計に優しい店舗を目指します。

――生鮮3品・デリカ強化のポイントは

この店はまだ20店舗程度でしか実施していない、店で仕入れた精肉・鮮魚を使った総菜を販売します。

当社では、生鮮3品・デリカの売り上げ構成比55%を目標としていますが、この店は54%になります。

――特に鮮魚に力を入れていますね

対面販売で丸魚を販売。小田原・江の島で仕入れた地場の鮮魚を充実させます。原点に返った取り組みですが、オープン3カ月でなくなってしまうというのではなく、店の看板としてしっかりやっていきたい。

地場の鮮魚を使った「かますのフライ」など総菜も販売します。

<デリカを強化>
デリカを強化

また、デリカだから付加価値があり、高粗利という今までの考え方では、お客様の本当に求めるデリカに応えきれないのではないでしょうか。

今までの役割、定義はちょっと横に置いて考える必要があると思います。冷凍食品のパスタやワンプレートなども、デリカととらえることができるでしょう。

さらに、店内加工のデリカも重要ですが、店舗効率を考えるとセンターというインフラの活用も大事になります。

――昨年3月に稼働した「草加デリカセンター」の状況はいかがですか

草加デリカセンターは計画通りに進ちょくしており、新たなカテゴリーの商品を製造できるよう、設備投資をしました。MDの進化と共に、店舗運営の安定化、競争力を高めるインフラとして強化します。

店内調理総菜の強化、センターを活用したデリカの品ぞろえ、デジタル政策などで、店舗オペレーションを組み替え、より店舗を効率化し働きやすくすることが今後の課題ですね。

――デジタル投資の状況を教えてください

2026年2月期の上期で全店に電子棚札を導入しました。セルフレジは、可能な限り導入し、利用率が90%を超える店舗が50店舗もありますので、セルフレジへの投資が次のテーマです。

――来年以降の新規出店・改装計画は

建築コストが上がる中、新店のオープンが厳しくなっています。新設より、既存店のスクラップ&ビルド、あるいはリプレイスといったリニューアルを重点的に行います。

来年、500坪(1652m2)規模の店舗で10店舗程度考えています。「BLiX茅ヶ崎店」を次世代旗艦店と位置付けたのも、同規模店舗の改装の手本とするためで、ここで得られた知見を生かします。

――マルエツ プチも強化しますか

都心部では現在70店舗ほどある「マルエツ プチ」は生鮮、特に青果に強みがあります。

デリカはサテライト供給・店内調理のでき立ての両方でそろえていますが、デリカはまだ強化する余地があると考えています。

取材・執筆 鹿野島智子

マルエツ/イトーヨーカドー茅ヶ崎店跡地に新店舗オープン、即食・生鮮の2軸強化

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