クリスピー・クリーム・ドーナツ/若月社長インタビュー「ドーナツのおいしさ重視、26年100店舗体制へ」
2025年12月16日 14:50 / 経営
クリスピー・クリーム・ドーナツ・ジャパンは2026年、日本上陸20周年を迎える。若月貴子社長に20周年への思いや今後の成長戦略について聞いた。
――第6次ドーナツブームが来ていると言われますが、現在の業績について教えてください
コロナ禍で落ち込んだ時もありますが、ここ数年は増収増益で、業績は堅調です。2006年12月15日に1号店「新宿サザンテラス店」をオープン以来、現在の店舗数は89店舗で、約半数がテイクアウト専門店となっています(12月15日現在)。
スイーツですので、女性に好まれているのはもちろんですが、男性オフィスワーカーからの手土産需要もあります。
――好調の要因は
人気No.1商品「オリジナル・グレーズド」に代表される他ブランドにないおいしさが好評です。
日本のマーケット向けにローカライズすることも大事ですが、89年間変わらない「オリジナル・グレーズド」のとろけるような生地のおいしさは唯一無二だと思っています。
――ローカライズ商品は、どのようなものがありますか
日本のお客様は、他の国と違って、食感のバラエティーを好まれます。世界でも米粉のドーナツを販売しているのは、日本だけです。現在、国産米粉入りミックス使用の「Kome-Dough シュトーレン」(季節限定商品)などを販売しています。
常時1~2種類の米粉使用商品を展開していますが、来年の春、新商品の発売を予定しています。
そのほか、季節限定商品・コラボ商品も人気です。
――ドーナツ以外の商品も強化しますか
当社は、ドーナツのおいしさを基軸にしていますので、今のところ、ドーナツ以外の食事メニューの充実は考えていません。
最近では、アメリカのように、朝からコーヒーとドーナツを楽しむ文化を提案したいと考えています。
対象のドリンク1杯購入で、「オリジナル・グレーズド」をひとつプレゼントする「モーニングサービス」を4店舗で実施しています(東京国際フォーラム店、sitatte sapporo店、アトレ川崎店、丸の内オアゾ店)。
――デリバリー、スーパーマーケットなどへの卸売事業について教えてください
「ドーナツ デリバリー」は最近「ロケットナウ」のサービスを導入。デリバリー業者を増やし、好調に伸びています。卸売業も拡大しています。
――20周年に向けた意気込みをお願いします
当社のイメージは、1号店「新宿サザンテラス店」が大行列だったという方が多いのが残念ですね。その頃に比べ、ドーナツは変わっていますし、店舗のサービスもよくなっています。
今後は、20周年のアニバーサリーイヤーとして、今の当社に興味を持っていただけるよう、「Let’s DOughnut!」をテーマに掲げた施策に取り組みます。「もっとおいしい商品」「もっとワクワクする商品」「もっとたのしいお店に」「もっと地球に優しく」「もっと私たちを知ってほしい」「もっと私たちつながろう」の6項目をもとに、さまざまな企画を立てています。
また、当社が新規出店する際は、そのエリアで「初めまして」の意味を込めて「オリジナル・グレーズド ダズン」(12個入り)を無料配布する「ドーナツドロップ」を実施するのですが、20周年を記念し、12月15日に北海道・東京・名古屋・大阪・福岡で1会場あたり200ダズン(=2400個)、合計1万2000個を無料配布しました。
現在、北海道、関東、東海、関西、四国5エリアで、計89店舗出店しています。これらエリアで、しっかりクリスピー・クリーム・ドーナツを普及していきます。来年は、100店舗を超えそうです。ぜひ、今のクリスピー・クリーム・ドーナツを体験いただきたいですね。
取材・執筆 鹿野島智子
流通ニュースでは小売・流通業界に特化した
B2B専門のニュースを平日毎朝メール配信しています。

