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ウォルマート/英国事業再編、セインズベリーと英子会社アズダを統合

2018年05月22日 14:25 / 海外

ウォルマートと英国大手小売業のセインズベリーは、セインズベリーとウォルマートが100%出資する英国の小売企業アズダが経営統合すると発表した。

<ウォルマートのホームページ>
ウォルマートのホームページ

2社の際立った顧客訴求力を合わせることにより、競争上優位で、適応力が高く、弾力的な事業を創出するとともに、価格、品質、事業領域、顧客が買い物をするための柔軟な方法への投資がより実行しやすくなる。

ウォルマートは、統合後の新会社の42%の株式資本を引き続き保有する。

保有株式は、セインズベリーの普通株のうち、完全議決権付きのものとしては29.9%を構成し、議決権のない株式とのバランスを維持した。

この議決権のない株式は、議決権付き株式への転換ができる。ウォルマートは、債務、現金、年金負債を除く(デットフリー、キャッシュフリー、ペンションフリー)方式を用いて、アズダの企業価値を約73億ポンドと評価した上で、慣習的な取引完了調整の後に約29億7500万ポンドの現金を受け取る。

ウォルマートは統合後も、アズダの確定給付型年金制度と、同制度に関連する継続中の債務を維持・継承する。

小売業界で重要かつ急速な変化が起きる中、この統合で食料品、雑貨、衣料品を扱う英国の主導的な小売グループが誕生することになった。

ウォルマートのダグ・マクミロン社長兼最高経営責任者(CEO)は、「今回の統合によって、顧客と同僚たちに利益をもたらす比類のないエキサイティングな機会を獲得できると確信している。一企業として、英国で事業を展開して利益を得てきた。セインズベリーと密接に協力し、統合の恩恵を生み出すことを楽しみにしている」とコメントした。

ウォルマートは、テクノロジーを活用しつつ、従来とは異なった考え方を採用して顧客にサービスを提供し、成長を加速している。

そうした方法には、今回のようなパートナーシップの推進が含まれており、それは英国の株主や顧客に価値を提供するものだ。

戦略的な長期にわたるパートナーとして、ウォルマートはその世界的な小売ネットワークと知識を新会社と共有する。

新会社は、その能力を高めてバランスシートを強化し、顧客、従業員、供給業者、株主のために価値と機会を提供することに貢献していく。

新会社では、独特な二重ブランド戦略を展開する。アズダは引き続き英リーズ市に本拠を置き、自社のCEOであるロジャー・バーンリー氏が指揮を執る。

バーンリー氏は新会社のグループ執行役員会に加わり、アズダの伝統とルーツの維持・継承を保証する。

統合により、英国の大手食料品、雑貨、衣料品小売グループが誕生し、2017年度の総売上高は約510億ポンドとなる。

セインズベリーとアズダの両方のブランドを維持することで、その際立った顧客訴求力が高められ、新たなに顧客を引き付ける。

拡大化して弾力性を高めたグループとなり、その33万人を超すすべてのレベルの従業員に対してより多くの機会が提供され、センズベリー、アズダ両社の価値観と伝統が共有される。

アズダとアルゴの計2800店超の店舗と、英国で最も訪問者数の多いウェッブサイトとを補完的に組み合わせることで、顧客に対し、数多くの店舗フォーマットや流通ルートを通してより多くの選択肢を提供できる。

店舗、ウェッブを合わせた顧客取引件数は、週間4700万件に及ぶという。

買収投資後に、少なくとも5億ポンドの価値を持つ拡大後グループを横断する販売網のシナジー効果を生み出す。

スーパーセンター、スーパーストア、スーパーマーケット、コンビニエンスストア、デジタル販売を横断する幅広い流通ルートや店舗フォーマットが創出できるという。

アズダは1949年創業の英国の小売企業で、毎週約1900万人の顧客にサービスを提供。現在の従業員数は、英国全土で計14万6000人を超す。

数多くの店舗フォーマットとあらゆる流通ルートを有し、584の食料雑貨店、18の独立型ガソリン補給ステーション、33の「アズダ・リビング」店舗を展開するとともに、オンライン販売も行っている。

食料雑貨に加えて、アズダは、英国の実店舗・オンラインの大手衣料品販売企業である「ジョージ」も運営する。

顕著な不動産ポートフォリオを有しており、全体の延べ面積のうち75%は自由保有の不動産となっている。

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