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モスフードサービス/3月期は仕入価格高騰・経費増加で営業利益98.8%減

2023年05月12日 10:40 / 決算

モスフードサービスが5月12日に発表した2023年3月期決算によると、売上高850億5900万円(前年同期比8.4%増)、営業利益4100万円(98.8%減)、経常利益3億5600万円(90.2%減)、親会社に帰属する当期損失3億1700万円(前期は34億1900万円の利益)となった。

<モスバーガー>
モスバーガー

基幹事業である国内モスバーガー事業において積極的な投資を行い収益力の向上を目指して取り組んだほか、海外事業では、成長市場で着実に事業拡大するため、資源配分の最適化に取り組んだ。また、ESGの観点からグループのマテリアリティ(重要課題)を、「食と健康」「店舗と地域コミュニティ」「人材育成と支援」「地球環境」の4つに定め、事業活動を通じて社会に向けた価値創造に取り組んた。このような取り組みの結果、売上高は増収となった。

一方で、想定を超える仕入れ価格の高騰が2022年7月の価格改定以降も続いたほか、人件費、販売促進費、支払手数料などの経費の増加、海外事業におけるコロナ禍からの回復の遅れもあり、営業利益は減益となった。

国内モスバーガー事業の売上高は667億1300万円(5.2%増)となったが、セグメント利益(営業利益)は、原材料費の高騰や急速な円安による調達費用の増加で原価率が上昇したことに加えて、売上増加に伴う人件費・運賃等の増加、売上拡大のための販売促進費および宅配手数料の増加等により20億6200万円(61.2%減)と大幅な減益となった。

お客のニーズに合わせた商品、マーケティング展開に加え、お客との接点の量と質を徹底的に強化するため、積極的な出店や地域に密着した店舗作りを推進した。店舗施策では、郊外型のドライブスルーや、今まで未開拓であった首都圏周辺の住宅地近接のコンパクトな物件など、多様な立地に適応した店舗づくりを推進したことで、目標の年間50店舗の出店を達成した。11月には都心部の一等地をターゲットとする新業態として、チーズバーガー専門店「mosh Grab’nGo」(モッシュグラブアンドゴー)をオープンした。

また、デジタル技術を活用し、CX(顧客の体験価値)とEX(社員や店舗メンバーの働きがい)の向上を目指した。新型POSレジの全店展開や店舗タブレットの導入、ネット注文の利用促進、カーブサイドオーダーを導入した。また、将来の人手不足を見据えて、フルセルフレジやソフトコール等、IT技術を活用した店舗づくりも引き続き推進した。

モスブランドを活用した新たな事業を展開するマーチャンダイジング事業では「モス公式オンラインショップ~Life with MOS~」を通じて、安全・安心・健康・おいしさに加え、環境に配慮したライフスタイルフード、ライフスタイルアイテムを提案した。オンラインショップ限定のモスライスバーガー等の食品に加えて、自然や環境を意識したオリジナルのライフスタイルアイテムも販売した。今後も取り組みを拡大し、ブランドの価値向上とともに、新たな収益源へと育てる計画だ。

次期は、売上高900億円(5.8%増)、営業利益27億円、経常利益28億円(686.3%増)、親会社に帰属する当期利益14億円を見込んでいる。

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