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丸井グループ/4~6月、小売・フィンテックともに堅調で増収増益

2023年08月08日 11:20 / 決算

丸井グループが8月8日に発表した2024年3月期第1四半期決算によると、売上高535億3400万円、営業利益78億8100万円(5.6%増)、経常利益73億9700万円(2.5%増)、親会社に帰属する当期利益43億3700万円(12.8%増)となった。

<丸井グループ>

グループ総取扱高は1兆657億円(14%増)、フィンテックのカードクレジット取扱高が全体をけん引したことにより、四半期では過去最高、第1四半期では初の1兆円超えとなった。売上収益、営業利益、当期利益は、ともに3期連続の増収増益だった。

当期は、資金調達の時期の分散化に向けて、債権流動化を第1四半期に行ったことにより、債権譲渡益が11億円発生し、償却額・費用等が4億円増加したため、営業利益に7億円の増加影響があった。特殊要因を除いた実質的な営業利益は3億円の減益となった。

小売セグメントの営業利益は11億円(25%増)で、前年を2億円上回った。フィンテックセグメントの営業利益は90億円(6%増)で、前年を5億円超えた。

小売セグメントは、新型コロナウイルス感染症の位置づけが5月に「5類感染症」に引き下げられるなど、社会経済活動が正常化に向かうなか、客数が前年を上回ったことや購買単価が上昇したことから取扱高が増加し、営業利益は2期連続の増益となった。リアル店舗ならではの価値創出をめざし、「売ること」を目的としない体験型テナントやスクール、飲食・サービスなどの導入を進めた。その結果、非物販テナントの面積構成は56%(5%増)となり、カテゴリー転換が着実に進んだ。

いつ来店しても楽しんでもらえる店舗をめざし、イベントフルな店づくりを進めた。中でも、2022年からスタートしたマルイの出店サービス「OMEMIE(おめみえ)」は、全国のマルイ・モディの出店スペースの検索から契約までをオンラインで完結することができるサービスで、D2Cブランドや個人事業主など、幅広く活用され、これまでマルイに出店したことのないテナントの導入につながっている。その結果、新たなテナントが提供するサービスの体験会やワークショップなど、イベントのバリエーションが広がった。

ECについては、店舗と連動したイベント型のECの拡大に加え、Web系の専門人材を拡充しECサイトのUI/UX改善に取り組んだ。その結果、ECサイトの取扱高が6四半期連続で前年を上回り、EC取扱高は55億円(16%増)となった。

フィンテックセグメントは、新型コロナウイルス感染症の収束傾向による社会経済活動の活性化により、トラベル&エンターテイメントが高伸長したことに加え、戦略的に進めている「家計シェア最大化」の取り組みにより家賃払いやECでの利用、公共料金などの定期払いが伸長したことで、カードクレジットの取扱高は過去最高の9783億円(14%増)となった。分割・リボ取扱高は917億円(15%増)と拡大し、流動化債権を含む分割・リボ払い残高は過去最高の4069億円(9%増)だった。

エポスカードの新規会員数は20万人(3万人増)、ネット入会が伸長し、コロナ前の20年3月期の同期間を上回った。期末会員数は過去最高の738万人(20万人増)となった。これまで事業の成長をけん引してきたゴールドカードに加えて、アニメを代表とする一人ひとりの「好き」を応援するカードの取り組みを強化。「好き」を応援するカードは、一般カードに比べて若者の保有比率が高く、LTV(生涯利益)が高いカードとなっている。

アニメ・ゲームやエンターテインメントとコラボレーションしたカードは、熱量の高いファンが多く、SNSなどを通じて認知が広まりやすい特性もあり、ネット入会との親和性が高いことが特徴となっている。今後も取り組みを強化することで、ロイヤリティの高い会員を拡大し、取扱高や新規入会数のさらなる成長につなげる。「好き」を応援するカードの新規会員は9万人(3万人増)となり、新規会員数に占める構成は43%(8%増)まで拡大した。

通期は、売上高2340億円、営業利益455億円(17.4%増)、経常利益425億円(16.9%増)、親会社に帰属する当期利益260億円(21.1%増)を見込んでいる。

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